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~3人の謎ドイツ旅~フライブルグ・アキ?物語2 


「四人掛けの席に座り、列車が静かに動き出すと、先生が話を向けてくる。
「どうだ、初めてのドイツは?」
「心配してたけど、俺意外と大丈夫です。やっていけそうな気がします」
「きれいな国だろう? 着陸の時、赤い屋根が見えたよね。あれは住民の意志で統一されてるんだよ。窓に花を飾る家も多い。景観は自分たちで守るという考え方なんだ」
先生の言葉の向こうに、これから出会う街の色彩が浮かび上がる。

Hは照れくさそうに高校時代の話を始めた。
「僕、テニス部で県準優勝したんすよ。普段はサッカーばっかしてたんすけどね。
「えっ、サッカー?実は私もドイツでサッカーしたいと思ってるんだ。」

なぜサッカーなのか?

ドイツには以前から女子プロサッカーリーグがあって、強くしかも美人揃いというので有名だった。
単なる私の憧れだけで
「私も、未経験だけどサッカーやりたいと思って、ちゃんと買ってきましたよ、スパイクシューズ。で、これがドイツ人と知り合ったら弾くビアノの楽譜でしょう。これは私が描いたイラストです。」と次から次にリュックから取り出した。
先生はイラストを手に取った。忍者と侍の絵を眺め、私の顔と交互に見比べてにやりと笑う。
「初めて見たが、なかなかいい。金がなくなったら路上で売ればいい」
「冗談じゃありませんよ!無許可で売ったら、捕まって二度と入国できなくなるじゃないですか」
「許可取ればいいじゃん」
「なるほど……」

からかい合う空気が少し落ち着いた時、先生が急に眉をひそめた。
「ところで……お前たち辞書は持ってきたか?」
私は愕然とした。
「し、しまった……忘れた」
「お前は?」
「すいません、俺も……」
車窓に映る三人の顔のうち、二人は青ざめ、一人は深いため息をついた。
まだアマゾンもない時代、日独辞書を現地で手に入れるのは至難の業だった。

私たち三人の旅もまた、どこへ辿りつくのかはまだ分からない。

ただ一つ、この国の風だけが、確かに私たちを前へ押していた。


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