「Wi-Fi飛んでんな!」はボケではない。物理学的に見たカズレーザー氏の正当性
1. 「見えない」という常識をハックする
メイプル超合金の漫才で、空間を漂うWi-Fiを手で払うネタがあります。観客は「見えるわけない」という前提で笑いますが、エンジニアの視点で見ると、あれは必ずしも「ボケ」ではありません。
なぜなら、Wi-Fiは「特殊なレンズ」を通せば、物理的にそこに見えているからです。
2. 12.5cmの巨大な波を可視化する
私たちがWi-Fiを見ることができないのは、単に「人間の目の解像度(波長)」がWi-Fiの波長と合っていないだけです。
可視光の波長: 数百ナノメートル(細菌サイズ)
Wi-Fiの波長: 約12.5センチメートル(スマホくらいの大きさ)
赤外線スコープが熱を見るように、現在のAR(拡張現実)技術や電波マッピングを使えば、部屋の中にオーロラのように揺らめくWi-Fiの塊を映し出すことができます。カズレーザー氏がもしARグラスをかけていたなら、彼はただ「事実」を述べていることになります。
3. 「手で払う」というジャミング
さらに興味深いのは、彼が「手で払う」動作です。 人体(特に水)はWi-Fiを吸収・反射する性質があります。つまり、手を激しく動かすことは、その空間の電波強度(RSSI)を物理的に乱し、パケットの流れを変化させる「ジャミング(妨害)」に他なりません。
彼はネタとしてではなく、物理現象として情報の流れに干渉しているのです。
4. 結び:AI時代の「見えないもの」への解像度
生成AIも、鏡も、そしてWi-Fiも。 世の中には「目に見えないが、確実に物理法則に従って動いているもの」が溢れています。
「見えない」を「見える」に変えるのは、技術(デバイス)だけではありません。私たちの「論理」というフィルターこそが、世界の解像度を上げる正像鏡になります。カズレーザー氏のように、日常のノイズ(Wi-Fi)を検知し、自らの手で選別する。その姿勢こそ、情報の波に飲まれないための「職人」の立ち振る舞いかもしれません。
