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毎朝コンビニに寄る人はお金が逃げる。朝の「余白」を作る小さな習慣


「あと5分だけ……」

スヌーズ機能を何度も止めて、結局いつも家を出るギリギリの時間。

駅までの道を小走りで抜けながら、吸い込まれるようにコンビニへ駆け込む。

かつての僕は、毎朝こんな風景を繰り返していました。

顔を洗い、昨日と同じような服を引っ張り出し、慌てて家を飛び出す。

そして、通り道のコンビニでこう自分に言い訳をするのです。

「朝ごはんを食べる時間がなかったから」

「会社で飲むコーヒーが必要だから」

もっともらしい理由を並べて、パンとペットボトルのコーヒーをレジへ持っていく。

天気が悪ければ、ついでにビニール傘も買ってしまう。

当時の僕は、これが「無駄遣い」だとは少しも思っていませんでした。

忙しい朝を乗り切るための、生きていくために必要な出費だと思い込んでいたのです。

しかし、自分の朝の行動を振り返ってみて、あることに気がつきました。

なぜ、時間がない朝に限って、お金を使ってしまうのか。

それは、「焦り」という感情が、お金を使うハードルを極端に下げてしまうからです。

余裕のない朝は、心の中に小さなパニックを抱えているような状態です。

「電車に遅れるかもしれない」「早くしなきゃ」という見えないストレス。

人は、そのストレスを少しでも和らげるために、手軽な「消費」に走ってしまいます。

お金を払うことで、何かを解決したような気になっていたのだと思います。

手元に温かいコーヒーと甘いパンがあれば、この焦燥感が少しは落ち着くのではないか。

無意識のうちに、お金を使って「安心感」を買おうとしていたのです。

そして恐ろしいことに、朝の焦りは、その日一日のお金の使い方に連鎖していきます。

朝からバタバタと過ごしてしまった日は、仕事中もどこか落ち着きません。

昼休みになると、「午前中疲れたから」と、少し高めのランチを選んでしまう。

午後には気分転換にと自動販売機でエナジードリンクを買い、夜になれば「今日も一日疲れた」と、また自分へのご褒美を買って帰る。

朝の最初のボタンを掛け違えると、一日中、手元からお金がこぼれ落ちていくのです。

お金が逃げていく人は、自ら喜んでお金を捨てているわけではありません。

ただ、「時間に追われること」で心に余裕がなくなり、お金の管理にまで手が回らなくなっているだけなのです。

僕自身、この悪循環から抜け出すのには時間がかかりました。

「節約しなきゃ」と頭では分かっていても、朝になるとどうしても布団から出られない。

そしてまた、コンビニで数百円を落としていく。

そんな毎日を繰り返していました。

少しずつ変わり始めたきっかけは、前回の記事でも触れた「夜のほんの少しの準備」でした。

夜のうちに、明日の服を決めておく。

水筒にお茶を淹れて冷蔵庫に入れておく。

たったそれだけのことで、朝の時間が5分、10分と浮くようになりました。

その5分を使って、朝、お湯を沸かすようにしました。

インスタントでもいいから、家で温かいコーヒーを淹れる。

立ち上る湯気を眺めながら、ゆっくりと一口飲む。

この「静かな時間」が、僕の朝を劇的に変えてくれました。

家で温かいものを飲んでから出発すると、不思議と途中のコンビニが目に入らなくなりました。

「もう飲んだし、わざわざ買わなくてもいいか」

自然とそう思えるようになったのです。

駅に向かう足取りも、以前のような小走りではなくなりました。

周囲の景色を見る余裕すら生まれました。

「今日は少し肌寒いな」「空が青いな」

そんな当たり前のことに気づけるようになると、心が静かに満たされていくのを感じました。

心が満たされていると、外からの刺激で自分を慰める必要がなくなります。

つまり、「お金を使うことで自分の機嫌をとる」回数が減るのです。

お金がたまる人の朝は、とても静かで穏やかです。

彼らは、朝の時間を自分のために使っています。

少し早く起きてストレッチをしたり、本を読んだり、ゆっくり朝食をとったり。

それは、「自分は今日一日をコントロールできている」という小さな自信につながります。

一方で、お金が逃げていく人の朝は、常に「外部の要因」に振り回されています。

時間に追われ、仕事に追われ、焦りのままに流されていく。

その結果、コントロールを失った埋め合わせとして、無意識にお金を手放してしまう。

朝の過ごし方は、その日のお金の使い方、ひいては自分の人生の主導権を誰が握っているかの表れなのかもしれません。

もし今、あなたが毎朝コンビニに駆け込んでいるとしたら。

まずは、ほんの少しだけ早く起きてみませんか。

無理をして1時間早く起きる必要はありません。最初は10分で十分です。

その10分で、白湯を飲んでみる。

窓を開けて、新鮮な空気を吸い込んでみる。

スマートフォンを見ずに、ただぼんやりと座ってみる。

何もしない、急がない時間。

それが、あなたの心に小さな「余白」を作ってくれます。

その余白こそが、焦りからくる無駄遣いを防ぐ、一番の盾になるのです。

毎朝のコンビニでの500円は、1ヶ月で約1万5千円になります。

でも、それ以上の価値が、朝の「余白」にはあります。

お金だけでなく、心の平穏を取り戻すことができるからです。

今日も、新しい一日が始まります。

慌ててドアを開ける前に、大きく深呼吸をひとつ。

「今日も、自分のペースで歩いていこう」

そう心の中でつぶやいてから、靴を履く。

たったそれだけのことで、今日という日のお金との付き合い方は、きっと優しいものに変わっていくはずです。

あなたの明日の朝が、ほんの少しでも穏やかな時間になることを願っています。

次回は、「お金と心に余裕を生む、休日の過ごし方」について書いてみようと思います。

休日の使い方もまた、平日のお金の流れを大きく左右します。

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