信頼関係を育むためのアサーションの理解2 〜円滑な社内コミュニケーションを目指して〜
年始に行った研修を通して、「信頼関係を育む伝え方」について考えていく全3回の記録です。
第2回 同じものを見ていても、同じとは限らない
「ちゃんと伝わっている」と思っていたことが、
実は思い込みだった――そんな瞬間があります。
同じものを見ていても、人はそれぞれ違う世界を見ている。
そのズレに気づく体験から、アサーションの理解は深まっていきます。
「ちゃんと伝わっている」は、本当だろうか
私たちは日常の中で、
「言わなくてもわかるだろう」
「きっと同じように理解しているはず」
そんな前提でコミュニケーションを進めてしまうことがあります。
けれど本当に、
相手は自分と同じものを見て、
同じ意味づけをしているのでしょうか。
見え方の違いを体感する、ひとつのクイズ
そのことを体感していただくために、
研修では、ある「クイズ」を使いました。
同じものを、同じ時間、同じ場で見ている。
条件は同じはずなのに、
「見てください」と伝えたモノが見えてこない・・・
「え? どこに?」
皆さん、食い入るように観察し、
表情は次第に真剣に。
部屋には、なんとも言えない静けさが流れました。
「どうゆうこと?」
そんなモヤモヤした空気が広がっていきます。
そして、しばらくすると――
「あ〜〜〜!」という声とともに、
表情がパッと明るくなる方が現れ始めました。
一方で、最後まで気づかず、
モヤモヤしたままの方もいらっしゃいましたので
ヒントをお伝えすると、見えなかったものがちゃんと見えて来て
スッキリされました。
同じものを見ていても、
人はそれぞれ違うところに注目し、
違う前提で考えている。
そのことが、自然と浮かび上がる時間でした。
違いは「間違い」ではない
ここで大切なのは、
違いがあること自体が問題なのではない、ということです。
違いは、間違いではありません。
それぞれが、
それぞれの経験や価値観をもとに世界を見ている、
その自然な結果です。
問題になるのは、
その「違いのズレ」に気づかないまま、
「わかっているはず」と思い込んでしまうことなのかもしれません。

自分も相手も大切にする、アサーションという考え方
ここで、アサーションの考え方をお伝えしました。
アサーションとは、
自分の気持ちや考えを大切にしながら、
同時に相手のことも尊重するコミュニケーションです。
コミュニケーションには、
大きく分けて三つのスタイルがあります。
理論としてそれを整理しながら、
では、どんな伝え方が「自他尊重」になるのかを考えていきました。
カードを使って、「伝え方」を試してみる
理解を深めるために、
ハーリーの「状況事例カード」と「応答事例カード」を使い、
グループワークを行いました。
状況をどう受け取り、
どんな言葉を選ぶのか。
同じ事例でも、
選ばれる表現は人によって違います。
そこに、その人らしさや価値観が自然と表れていきます。

共通の課題が、相互理解を進めていく
普段からよく知っている人も、
あまり顔を合わせる機会のない人も、
共通の課題に取り組むうちに、少しずつ会話が増えていきました。
「そんなふうに考えるんですね」
「私はそこ、見ていませんでした」
そんな言葉が行き交う中で、
相互理解が、静かに進んでいくのを感じました。
では、この「自他尊重の伝え方」を、実際の場面で使うと何が起きるのでしょうか。→
