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ジャーナリズムの復活? ”Substackミリオネア”

これまでもライターとして、ファッションデザイナーをインタビューしたり、素敵なインテリアのお家を探して取材させてもらったりしてきた。新しいレストランや店を毎日探していた時期も長かった。どれも、まずはお題がメディア側から提案されたものだった。もちろん文字数も決まっていた。それらは今となっては”旧メディア”体制。今回、自由に書くってどういう感じなのか、想像してみた結果、せっかくのNY歴を生かし、日本ではあまり知られていない話題を発信できたらいいな、というところにひとまず着地。

書く、と決めてから、当たり前のようにデジタルのプラットフォームを探して始めた。アメリカに住んでいる私がまず気になったのは最近よく耳にするSubstackだった。ただ、日本語で書きたかったので、日本の友達に聞いてみたところ、(メディア関係者であっても)知らない人がほとんど。Threadsも独特の楽しさはあるけれど、読んでいるうちに1日が終わってしまいそうなので、24インチのiMacで気持ちよく書けるnoteを選んだ。デジタルなのに、どこか手作り感があるあたりが、日本ならでは。

今日の本題、(主に英語圏における)Substackの勢いについても紹介したい。日本では馴染みがないと思うが、海外では大きな流れになっているからだ。そして紙媒体がどんどん弱まっていく現在において(これは日本も米国も同じ)、ジャーナリズムでミリオネアになれるという、まさかの逆転劇を生み出したから。また文章と情報に、お金を払う人がたくさんいるという事実に希望を感じる。

まずはSubtrackの基本データから。

総購読数は約3,500万件。
月に利用している人は2,000万人以上。
さらに500万件以上が有料購読と言われている。

生産性とデジタル社会でのライフハックについて深く研究しているカル・ニューポート教授のYouTube、”Substackミリオネアは実際のところ何人いる?”での分析によると、Substackでニュースレター(月額を支払うサブスクフォロワー)を書いている約500人前後が、年収15万ドル(約2,250万円)以上を得ている。
ちなみに、ニューヨークタイムス(NYT)で経済について2000〜2024年執筆していた経済学者のポール・クルーグマンは、2024年に同紙を辞めて自身のSubstackアカウントを立ち上げた。現在、約57万人の購読者を抱えている。ほぼ毎日投稿しているクルーグマンの有料ニュースレターは、月額7ドル程度(約1,000円)。単純計算すると、彼のSubstackからの収入は$125万〜400万ドル(約1億9,000万円〜6億円)相当。NYTで書いていたときよりもはるかに多いと予測される。クルーグマンの場合、NYTから執筆頻度を減らしてほしい=減給の要請があったことで辞任したと憶測されている。

どれくらいSubstackがニューメディアとして期待されているかというと、2025年だけで約150億円(立ち上げからは合計約300億円)が投資されていて、現在の資産想定額は約1,600億円。シリコンバレーのお金の匂いがするが、昨年の投資額を見ると、ここにきて勢いづいていることがわかる。2017年にスタートしたSubstackのコンセプトは、「ジャーナリストの独立」。つまり、Facebook(現在のMeta)、Google、広告に壊されてしまったメディアを読者課金という形で再構築したいという発想から始まった。だからか、50万人規模のニュースレターのカテゴリを見ると、政治系が15人、ビジネスとテクノロジー系がそれぞれ4と、政治が圧倒的に多いのが特徴的であり、noteとは大きく異なる。

ちなみにnoteは公開していない数字が多いが、スタートは2014年で、Substackより3年ほど早い。登録会員数は約900万〜1,000万人規模と、想像よりも規模が大きい。ただSubstackのように、ここで億を稼ぎ出す人はほぼいないのではないか。とはいえ、日本語の情報が世界で約5%(英語は約50%と言われている)から考えるとかなりの健闘。

私の個人的な感覚ではあるが、ソーシャルメディアの発展によって、長文を読む時間、ノイズから距離を取る感覚が、ある種の”ラグジュアリー”になりつつある。Substackでは新聞のお気に入りの評論、そしてnoteは雑誌のお気に入りのコラムを読む感覚に似ているのかもしれない。

Substackを覗いてもらえばわかるが、それぞれのポストのデザインも洗練されているものが多く、もはや雑誌の域(トップの写真は、Substackからのスクリーンショット)。こうなってくると、ますます雑誌を買って読む人がいなくなるなと寂しい気持ちになるが、紙が好きな雑誌出身の私でさえ、とうとう去年いっぱいでNYTの紙購読(部屋の前まで持ってきてもらえるのだが)を止めデジタル一本にしてしまった。紙媒体、実は高いし、重いし、場所を取る。さらに、NYTはデザインが素晴らしいゆえ、特に日曜版はなかなか捨てられず溜め込んでしまっていた。

noteはまだ始めたばかり(これ2本目😀)なので、経験から語れることは少ないが、そもそもSubstackとは土台も違うし、向かっているところも異なるのだろう。noteには、コミュニティ感があり、楽しいことが大事というのが感じられる。とはいえ、今年5月27日から、「自動での多言語対応」がスタートするというお知らせが先日あった。AIが自動翻訳してくれるということらしい。日本語で書いても、世界に発信していけるようになった。言葉の壁は、これからどんどん崩れていくのだろう。ただ、カルチャーの壁は、テクノロジーだけでは越えられない、と私は思っている。



出典(Sources)

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https://artdirection.substack.com

https://substack.com

Cal Newport

https://www.reuters.com/business/media-telecom/newsletter-platform-substack-valued-11-billion-latest-funding-round-2025-07-17/?utm_source=chatgpt.com


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