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時空を超えて‥‥小説(世流寝狐51)



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「失礼ですが、ご職業は?」
「親父の会社の手伝いみたいなものですが、不動産業をやっています」
「そうですか、素敵なご結婚ですね」
 玉の輿となる水江をそれとなく皮肉る。
「でもいずれは親の面倒を見なければいけませんから、元気なうちはいいですけど、そうとばかりは言えませんよ、刑事さん」
 と男は言う。
 水江がもう一度お茶を勧めた。合志は一口頂く。体も少し部屋の暖房で温まってきた。さてと――
「ところで、あの日死体を発見されて警察へ通報されましたね。うちの係長が受けたのですが、その時に被害者の男をご存じのように話されたとか」
「ええ、知っておりました」
 水江の声には、少し先程までの勢いが無くなった。
「何故この間私に話して頂けなかったのでしょうか」
 合志が聞くと、水江は申し分けなさそうな顔をした。水江が黙っていると代わって男が応えた。
「実は水江には私と知り合う前に付き合ってた男性がいまして、それが元町で亡くなった人です。もちろん私も水江の口から聞くまでは何も知りませんでしたが――。その時はもう既に私と付き合っていました。ですから水江の気持ちはその男に対して、とうに離れていたんですが、やはりできることならそのことは、誰にも知られたくなかったのでしょう。それで警察にも黙っていたんだと思います」
 なるほど。初めは自分が付き合っていた男が倒れているのを見て、驚いて通報した。が、このことで今の彼氏に前の男のことを知られるのでは、と不安に思う。ところがである。訪ねて来た刑事は、意外にもそのことに全く触れない。ならば話すまいと、彼女にとっては隠していたと言うより、自然の流れに任せただけなのかも知れない。
「その男の名前を教えて貰えますか」
「久保岡直也と言います」
 水江が応える。合志はペンを走らせた。

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週末に少しずつ投稿する予定です。作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

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秋下 左内(あきもと さない) 「背中を押してみるか」な~んて、ほんの僅かでもお気持ちが膨らんだらよろしくお願いします。貴方様の最大限のご支援は、目薬、クッション、栄養ドリンクなど、KEYを叩く力に代えさせていただきます。