見出し画像

【ずぼら英語力】「intend 意図する」が「intended for 対象とする」になる仕組

英語を勉強していると、たまに「単語の意味は知っているのに、訳がしっくりこない」表現に出会う。

たとえば intend

intend は「意図する」と習う。

では、次の表現はどうだろう。

This book is intended for children.

直訳すれば、「この本は子どものために意図されている」。

しかし自然な日本語では、

「この本は子ども向けです」
「この本は子どもを対象にしています」

となる。

ここで少し引っかかる。

intend は「意図する」なのに、なぜ be intended for になると「対象とする」「〜向け」になるのか。

答えは、主語が変わるからだ。

人が主語なら、

I intended to help you.
私はあなたを助けるつもりだった。

となる。

しかし、物が主語になると、その物には意思がない。

だから、

This book is intended for children.

という文は、

「誰かが、子どものために作ろうという意図を持って、この本を作った」

という意味になる。

つまり、

意図する

ある目的に向ける

〜向けである

〜を対象とする

という流れだ。

これは丸暗記ではなく、発想の問題だと思う。


designed for も同じ構造

これとよく似ているのが designed for だ。

design は「設計する」。

だから、

This app is designed for beginners.

は直訳すれば、

「このアプリは初心者のために設計されている」

となる。

自然な日本語では、

「このアプリは初心者向けです」

となる。

ここでも同じだ。

誰かが初心者を想定して設計した。
だから、そのアプリは初心者向けになる。

英語は「誰のために作られたのか」「何を目的に作られたのか」をかなりはっきり言う。

日本語では結果として「初心者向け」とまとめるところを、英語では、

designed for beginners

と、設計の意図まで言葉に残している。


tailored to はもっと面白い

さらに面白いのが tailored to だ。

tailor は「仕立て屋」「服を仕立てる」という意味がある。

そこから、

This training program is tailored to engineers.

と言うと、

「この研修プログラムはエンジニア向けに作られている」

という意味になる。

もともとは服を体に合わせて仕立てるイメージだ。

そこから、

「相手に合わせて調整する」
「目的に合わせて作り込む」

という意味に広がる。

だから designed for よりも、tailored to の方が少しだけ「相手にぴったり合わせている」感じが強い。

たとえば、

designed for beginners
初心者向けに設計されている

tailored to beginners
初心者に合わせて調整されている

という違いだ。

どちらも「初心者向け」と訳せる。

でも、英語の中では少し景色が違う。

designed for は、最初からその相手を想定して設計した感じ。
tailored to は、相手の事情に合わせて調整した感じ。

この違いは、日本語の「〜向け」だけでは消えてしまう。


「〜向け」の裏側にある英語の発想

日本語では便利に「〜向け」と言える。

子ども向け。
初心者向け。
ビジネス向け。
高齢者向け。
海外向け。

しかし英語では、その「向け」の中身をもう少し分けて表現する。

intended for
意図として、そういう対象に向けられている

designed for
設計として、そういう対象に向けられている

tailored to
相手に合わせて、そう調整されている

どれも日本語にすると「〜向け」になりやすい。

でも、英語ではそこに、

「意図」
「設計」
「調整」

という違いが残っている。

ここが面白い。


言葉の「意訳」より「向き」を見る

intend は「意図する」
design は「設計する」
tailor は「仕立てる」

ここだけ覚えると、英語はバラバラに見える。

でも、

be intended for
be designed for
be tailored to

と並べてみると、どれも「対象に向ける」という一本の線でつながっている。

英語は、単語の意味だけでなく、向きを見るとわかりやすい。

誰が、何を、誰に向けて作ったのか。

そこを意識すると、

「意図する」が「対象とする」になる理由も、
「設計する」が「〜向け」になる理由も、
「仕立てる」が「合わせる」になる理由も、

自然に腹落ちする。

英語は、案外、ちゃんとつながっている。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集