【ずぼら英語力】meet は「会う」だけじゃあないぜ。「会議」になった背景も考える。
先日、アメリカ人の同僚と話をしていて、簡単な単語ほど意外に奥が深いと感じました。すごく簡単な例でいうと、たとえば meet。学校ではまず「会う」と習います。
I met him yesterday.
昨日、彼に会いました。
ところが、待ち合わせの場面では、こんな言い方もします。
Let’s meet in the lobby.
ロビーで会いましょう。
日本語として自然に訳せば、「ロビーに集合しましょう」でしょう。
つまりmeetは、単に誰かと顔を合わせるだけではなく、人と人が同じ場所に集まることまで表せるのです。
meetとmeet upは何が違うのか
友人同士の会話では、meetだけでなく meet up もよく使われます。
Let’s meet up this weekend.
今週末、会おうよ。
meet upは、meetよりも少しくだけた表現です。単に指定された場所で落ち合うだけでなく、会って話したり、一緒に時間を過ごしたりする感じがあります。
たとえば、
Let’s meet at the station at seven.
なら、「7時に駅で待ち合わせよう」と、場所や時刻に意識があります。
一方、
We should meet up sometime.
なら、「そのうち会って、ゆっくり話そうぜー」という社交的な響きになります。
ただし、意味が完全に分かれているわけではありません。友人との待ち合わせでもmeetは普通に使えます。アメリカ人が自然に使い分けているように見えるのは、文法上の厳密な区別というより、場面や距離感に合わせているのでしょう。
なぜmeetingが「会議」になるのか
実は不思議なのが meeting です。meetが動詞なら、meetingは動名詞と呼ばれるものとなり、普通に考えると動作を指すわけです。meetが「会う」なら、meetingは本来「会うこと」です。
中学で習ったとき、もともとミーティングという言葉があったから気にも止めませんでしたね。でも、なぜ「会議」というイベントになるのでしょうか。
考えてみれば、流れはそれほど複雑ではありません。
人が会う。
人が集まる。
集まって話し合う。
その集まり自体をmeetingと呼ぶ。
こうしてmeetingは、「会うこと」から「会合」、さらに「会議」を表す名詞になりました。
なお、meetingは必ずしも堅い会議だけではありません。
a business meeting
仕事の会議
a team meeting
チームの打ち合わせ
a residents’ meeting
住民集会
のように、人が目的を持って集まる場を広く表します。
日本語の「会」も同じだった
ここで面白いのは、日本語もほとんど同じ発想をしていることです。私たちは「人に会う」と言います。そして、人が集まって話し合うことを「会議」と呼びます。
ほかにも、
会合
集会
宴会
大会
学会
など、「会」という字は人が集まる言葉に何度も登場します。
英語では、
meet → meeting
日本語では、
会う → 会議
どちらも、「人と会う」という行為から、「人が集まる場」へと意味が広がっています。動物は群れを作りますが、meetingではないんです。会う、という行為は、人が行う独特の動作なんですよね。
言語も文化も違うのに、人間が言葉を作るときの発想は意外によく似ている。こういう共通点を見つけると、英語は単なる暗記科目ではなく、少し身近なものに感じられます。
meetは「会う」と覚えるだけでも間違いではありません。
けれど、その中には「落ち合う」「集合する」「集まって話す」という広がりがある。その感覚が分かれば、meetingが「会議」になることも、もう不思議には見えなくなります。
