Case #10:ルックアウト――暗闇の交差点 ft.アイ
「Case Files――暗闇の交差点」
Lead:ユウ
12月10日 10:30|沈黙の密約
警察署付近 ファミリーレストラン
「ミライ、あなたは一度家に戻って身支度を。
撮影に穴は開けられないわ」
アイは視線を落としたまま、システム手帳に万年筆を走らせていた。
カリカリという硬い音が、ミライの焦燥感を逆なでする。
「アイさん! 警察まで行ったのに収穫なしなんて……
イブちゃんのことも放っておくんですか?」
「ええ……ごめん。私もそう思うわ」
アイは生返事を繰り返しながら、手帳のページを一枚、ゆっくりと指先で切り離した。
彼女は席を立とうとするミライの手の甲に、その紙片を重ねるように置いた。
表には、殴り書きされた
「人目につかないところで読んで」の文字。
ミライが紙を握りしめ、店を出ていく。
入れ替わるように、使い古されたトレンチコートを羽織った男――A氏が、音もなくアイの対面に腰を下ろした。
「……高園先生ですね。
ユウにはお世話になってます。
スタッフ経由で彼女が消えたと伺って…、
何か、わかりましたか?」
12月10日 18:00|日常という名の舞台
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