ゆるしの愛とゆるさぬ愛 #3「影を落とす光の剣」――第1章:かざされた光の剣
Laed:ユウ
📚マガジン:ゆるしの愛とゆるさぬ愛
純粋な光を守るために抜いた剣は、
やがて彼ら自身に重く冷たい影を落とし始めた。
影を落とす光の剣
「先生、宗教って平和を説くのに、
どうして戦争になるんですか?
矛盾してないですか?」
放課後の自習室。
参考書を広げたままの生徒が、ふと顔を上げた。
「……それはね、守るべきものができたからよ」
私は準備室の椅子から立ち上がり、
カバンの中の『銀のインク壺』にそっと触れた。
「個人の魂を救うはずの祈りが、
共同体を守るための『システム』に
変わってしまったから。
平和を守るために、
皮肉にも『暴力』というルールが
必要になったのよ」
「……なんか、すっごく皮肉ですね」
「そう、皮肉ね。
でも、人が生きていくってことは、
そういう矛盾を引き受けることでもあるのよ」
私は目を閉じ、
1400年前、メディナの陣幕の匂いへとダイブした。
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