Case #7:オフライン――選択の行方 ft. ミライ(アイ)
「Case Files――選択の行方」
Lead:ミライ(アイ)
12月10日 09:00|決意の囁き
ユウのマンション前
冬の冷たい朝の空気が、徹夜明けの肌を刺す。
アイは昨日から一度も手放していないトートバッグの重みを感じていた。その中には、助手の本庄徹が密かに忍ばせた父・智慧の「裏の論文」が眠っている。
マンションのエントランスを出た直後、隣を歩いていたミライが急に立ち止まり、アイの袖を強く引いた。
「あの時、イブちゃんインスタントコーヒーを
淹れてくれたんですけど……
確か、イブちゃんってコーヒーが大好きで、
ユウさんがコーヒーメーカーを
プレゼントしてて。
たぶんカウンターにあったのが
それなんですけど……」
ミライの顔は青ざめていたが、その瞳には日常を守ろうとする者特有の鋭い光が宿っていた。
「……確かにあったわね。イブさん……
何か違和感があったのは、そのせいかもしれない」
アイの短い言葉に、ミライは何度も頷き、声を震わせた。
「そう……そうなんですよ。
なんか……ホントにイブちゃんなのかな……」
アイは周囲を警戒するように一度視線を巡らせ、ミライの肩を叩いた。
「……後で話しましょう。
今は、それぞれ動きましょう」
12月10日 12:00|各自の戦い
ミライの自宅
ミライは自宅に戻り、自分のデスクに向かっていた。
仕事に向かう前のわずかな時間。
シャワーを浴びてスッキリしたはずの頭は、今、別の熱を帯びていた。
迷うことなくメインPCの電源を入れ、使い慣れたフルサイズのキーボードを叩く指に力を込める。
ここから先は
2,508字
/
1画像
この記事のみ
¥
100
Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで
少しでも”考えるきっかけ”になる記事を投稿していきます。気に入って頂けましたら応援よろしくお願いします。
