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魅了する香辛料 ―― コーヒーとスパイス:革命の歴史シリーズ Vol.18.2

革命の歴史シリーズ
MC:ユウ × アイ先生

「胡椒一袋は、人間の命ひとつより重い」

―― 中世ヨーロッパにおける海の格言



ユウ:
アイ先生……。私、前回のコーヒーの話を聞いてから、キッチンの調味料入れを見るのが怖くなっちゃいましたよ。

アイ:
あら。コーヒーの呪縛に気づいて、ついにカフェイン断ちでも始めたの?

ユウ:
いえ、コーヒーはしっかり飲んでます(笑)。
怖いのはその隣にある「スパイス」の小瓶たちです。
ナツメグ、クローブ、シナモン……。

これ、もしかして全部、中世の錬金術師たちが「不老不死の秘薬」を作るために使ってたヤバイ粉なんじゃないですか!?

ほら、古代エジプトでもミイラを作るときに大量のスパイスを使ってたって「ムー」で読んだことがあります!
腐敗を防いで永遠の命を得るための、魔術的なアイテムだったんですよね!?

アイ:
ユウ、相変わらず極端ね。
でも……今回ばかりは、あなたのその「オカルト的な直感」は、歴史の真実のど真ん中を射抜いているわ。

ユウ:
えっ! マジですか!?
じゃあやっぱり、これ魔術の粉……!

アイ:
魔術と呼ぶかはさておき、当時のヨーロッパの人々にとって、東方から届く鮮烈な香りのスパイスが「永遠の命」や「天上の楽園」を連想させる、極めて宗教的で神秘的なアイテムだったのは事実よ。

ただの「肉の臭み消し」なんて実用的な理由だけで、人間があそこまで狂気に走るはずがないもの。

ユウ:
狂気、ですか。

アイ:
ええ。
大航海時代という華やかな名前で呼ばれているけれど、当時の航海はまさに「死出の旅」よ。

新鮮な野菜もない船内で壊血病が蔓延し、歯茎から血を流して次々と仲間が死んでいく。
運よく病気を免れても、嵐で海の藻屑になる確率は絶望的に高かった。

それでも彼らは、死の恐怖を押し殺して見知らぬ海を目指したの。

ユウ:
うわぁ……。
そこまでして「楽園の匂い」を嗅ぎたかったんですね。

なんだか、人間の「どうしてもあっち側の世界に触れたい」っていう切実な祈りみたいで、ちょっと泣きそうになります。

アイ:
そうね。でも、ユウ。
歴史が本当に牙を剥くのは、その「個人の切実な祈りや欲望」が、巨大な「システム」へと組み込まれた瞬間なのよ。

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