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最長路線バスで巡る紀伊半島縦断の旅(第1話)

ども、ゆさっちです。
2026年3月8日日曜日の朝、丸山御池からすまおいけのホテルから外に出ると朝の冷気に身がきゅっと引き締まります。そして空を見上げればこの旅の成功を確約するような快晴。

烏丸御池駅は意外と交通の要衝

前の日にこの近くで大学院のゼミの打ち上げがあり、普段モニター越しでしか会えない先生や同志の皆さんとお酒を酌み交わしながら楽しく語り合い、いい刺激をもらいました。
そうそう若干近況報告、どうしても文章を書く勉強がしたくて定年までもうちょいあったのですが、京都芸術大学の大学院で「60の手習い」で学んでいる今日この頃です。
てなことは置いといて…。
せっかくここまで来たんだし、「どっか放浪して、命の洗濯したろ」というのが今回の旅の趣旨です。

さて、どこに行きましょうか?求めるものは、温泉・自然・食・お酒…。
整いました、今回のお題は「日本一の長距離路線バス「八木新宮線」に乗って乗って、十津川とつがわ温泉と湯の峰温泉で酒池肉…もとい究極の癒やしを得る!」です。
「あれ?ゆさっち前にそのバスの旅行記書いたよね?」
その通り!(未読の方はこちらも読んでくださいっす)

5年以上前に奈良県の大和八木やまとやぎ駅から終点和歌山県の新宮しんぐう駅までこのバスを乗り通しています。またいくつかの区間をスポット的に乗っています。
その時感じたのが、「ああ、ここで降りちゃいたいなぁ」というスポットがたくさんあったこと。
「乗り通すのも楽しいけど、降りるともっと楽しいことがあるかも♪」
そんな期待を込めての今日の旅立ちです。

さて、このバスに乗るには近鉄の大和八木駅に移動しなければならないんですが、宿の最寄りの烏丸御池(地下鉄烏丸線)からだと電車によっては直通でいけちゃうんですよね。
てなわけでまずは近鉄に直通する急行奈良行に乗車です。

近鉄奈良に直通する地下鉄

車内は激混み、乗ってる方の7割方はインバウンドの外国人の方ですね。
しかし、京都駅で大半の方が下車して休日ののんびりした朝の車内の雰囲気になりました。

近鉄線内はまったり

この列車は大和八木には直通しないので、大和西大寺駅で乗り換えてやってまいりましたここが大和八木駅。

真ん中の喫茶店でご飯を食べました

駅前のバス停には各方面への路線がありますが、イオンモールに行く路線のみが混み合っている印象で本数も10分に1本程度あります。
その中で異彩を放つこの表示

これのどこが異様かというと、終点の新宮駅までの距離は約170km、停留所の数は168、所要時間は6時間30分、運賃5350円というしろものなんです。
通常路線バスの路線は20kmあったら「結構長い」、30kmだと「めっちゃ長い」んです。

今回乗り込むのは11:38発の第2便、休日のみ運行される快速タイプの「やまかぜ」です。

「やまかぜ」のエンブレムが貼られています

さあ乗り込みましょう。
車内には終点までの所要時間についてとんでもないことがさらっと書かれています。

快速でないものは6時間30分かかります。

このバスはこの系統の中でも快速タイプなので所要時間短めなのですが、それでも新宮までは6時間10分を要します。
日曜の第二便ですが乗り込んだのは自分を含め2人だけでした。
さて11:38、定刻にバスは遙かな新宮に向けてゆるゆると発車します。

この辺りは「普通の」町並みが続きます。

駅を出てすぐに国道24号線に合流すると、ロードサイドには全国どこでも見ることのできるチェーン店が並び、まだ普通の路線バスの車窓といった装いです。
やがて近鉄御所きんてつごせ駅の前を通過、東海から近畿地方に広大な路線網を誇る近鉄もここが南端となります。

近鉄の南の端っこ近鉄御所駅

近鉄御所駅を通過すると車窓には時折田園風景も混じるようになり、いくつかの町並みを通り過ぎると、五條バスターミナルに到着、ここで20分程度休憩です。
このバスは終点までひとりの運転士さんが担当するので、乗客のトイレ休憩も兼ねて3回の休憩タイムがあるのです。
前に来た時は隣にイオンがあってそこのお手洗いを使えたのですが、立て替えのため解体、一時閉店しているらしく仮設トイレが設置されていました。

五條バスターミナルで一休み。

五條バスターミナルをでるとJR和歌山線の五条ごじょう駅に到着。
自治体の名前は「五條市」なのですが駅名は「五条駅」…紛らわしいです。(笑)
ここで10名程度が乗車、この駅は関西アーバンネットワークに組み込まれていて京阪神各地からのアクセスが意外にいいのでここから乗車する方もいます。ここから乗ればバスの乗車時間は90分程度カットできます。
今回もここから10名ほどの乗車がありました。

JR和歌山線五条駅

この五条駅を過ぎれば終点の新宮駅まで鉄道の駅とのアクセスはありません。そしてこの先大きな街はなく、バスは紀伊山地の深部へ分け入っていきます。
そして車窓から今は使われていない高架が車窓に寄り添います。

五新線の高架です。

これは先程の五条とこのバスの目的地の新宮を結ぶ路線をして計画された「国鉄五新ごしん線」の高架橋です。
工事自体はかなり深いところまで進んでいる印象ですが、ここを鉄道を通ることはありませんでした。
ただ折角作ったものを放置するのはもったいないので、いま乗っているバスの前身となる国鉄バス(奈良公園ー新宮線)の専用道として転用され、国鉄が撤退した後は今の運営会社の奈良交通が引き継いで使っていました。
しかし結局老朽化による維持経費の問題で現在は使われない遺物となっています。
今で言うBRT(バス専用道)の走りなのですが、こういう先例を見ると先々管理していくのは大変だろうなと思います。

バスは更に山の奥へ奥へと分け入っていくのですが、この「やまかぜ」の残念ポイントを見つけてしまいました(笑)
それは他の便と違って五條バスセンターから十津川温泉までの区間は限られた停留所にしか停まらず、国道から逸れることがほとんどないのです。
他の便は旧道にある集落のお客を拾うため、頻繁に国道を逸れて険しい旧道を通り小さな集落を巡るんです。
「こんな所にも人の営みがあるんだなぁ」と感じさせてくれる通常便の方が個人的には好きです。(笑)

行く手は山また山

とは言え、メインルートの国道も所々行き違いも困難な細い道、そして急カーブが続く厳しい状況。
運転士さんは巧みなハンドルさばきで切り抜けていきます。
この路線のハンドルを握れるのは奈良交通でも腕利きのベテランに限定されるそうです。
路面のコンディションも良いとはいえない連続カーブの山坂道を乗客に不快な思いをさせないスムーズな運転で駆け抜けていくのはなかなかの神業です。

急カーブの山道もすいすいと


さて大和八木を出て約3時間、五條BCからも80分くらい経過して、バスは二箇所目の休憩場所「上野地かみのじ」に到着します。

上野地、ここで20分くらい休憩です

近くの民家が運転士さんの休憩場所になっていて、便によってはそこでお弁当を食べたりするそうでまとまった休憩時間となります。
その間にちょこっと寄れる名所がこれ…。
谷瀬たにぜの吊り橋」です。

谷瀬の吊り橋

全長297mは生活用の吊り橋としては日本一の長さ、高さは54mあります。
んで、この橋その気になれば休憩時間中に渡れます(笑)
実際乗客の何人かは渡っていました。
高いとこ苦手なあたしゃ無理です。(笑)

ひょおぉ

郵便配達の方は原付に乗ったまま渡ってくそうで、おいらはこの土地に暮らすのは無理かなぁ…。(笑)
そしてここは今日の目的地の十津川村。
北方領土を除けば「日本で一番広い村」、琵琶湖より広いんですって。
人口は約2500人とか。

十津川村観光協会さんの地図をお借りしました。

ここから更に一時間ちょい、ようやく今日のお宿であるホテル昴さんに到着です。

画像はホテルのwebからお借りしました

このホテルのある十津川村は全ての宿泊施設のお風呂が「源泉掛け流し」だそうで、湯の癒やしを求めにきたゆさっちはもう期待しかありません。
お部屋に荷物を放り込んでさっそく「ざぶーん」です。

画像はホテルのwebからお借りしました
画像はホテルのwebからお借りしました

「あぁ…溶ける。溶けます」(笑)
さらりとしたお湯だけど、刺激は少なく優しいお湯です。
露天風呂から見える山の端と澄んだ青空を見ながら、湯船で大きく伸びをすると、心も体もほぐれていきます。

部屋に戻って、ビールをかっくらいながら山あいを吹き渡る風に拭かれていると、何ともいえず爽快な気分です。
次第に春めいてくることを実感しながら独り言つ。
「来てよかったな」

山の端が下に見えるのも深い山中だからこそ

さあご飯です。
メニューはこんな感じ

どれも凄くおいしかった

どの品も地の食材を使い、素朴さを感じさせながらも大変洗練されたお料理が並びます。
一部をちょこっとご覧下さい。

先付けさんたち
椀物:鰆と道明寺桜蒸し
大和牛鉄板焼き
お造り
天ぷら:なめこは天然物かな?信じられないほどうまかったっす

たらふく飲んで喰って、お部屋に戻れば布団が敷いてあるという贅沢さ、予報は明日も良い天気。
久々に深く眠れそう、おやすみなさい。
(次回に続きます)
CAMERA
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FE 24-70mm F2.8 GM II
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