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青と白の迷路、とオレンジ色の孤独。

この文章は世界の街を切り取った旅エッセイです。
題して「見知らぬ異国で、ひとりごつ」


アテネの喧騒を後にし、わたしは船に乗ってサントリーニ島へと向かった。
遠くから見えてきたのは、まるで絵葉書の世界。青い空と、真っ白な壁の建物が、まぶしい光を放ち、太陽の光をキラキラと反射している。この島だけを、誰が青と白だけで統一しようと考えたのだろうか。

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島に降り立つと、そこは迷路のようだった。
ぐるぐると階段をのぼり、細い道を歩いていくと、景色ががらりと変わる。角を曲がるたびに、新しい景色が飛び込んでくるので、歩くのが楽しくて仕方がない。建物の白が、太陽の光を吸いこんで、影とのコントラストをはっきりと描き出していた。わたしは、そんな白の世界を、ただひたすらに歩いた。

夕方になると、空の色がオレンジ色に染まり始め、わたしの足は自然と止まった。真っ白な建物たちが、夕日に照らされて、うすいオレンジ色に変わっていく。まるで、島の建物全体が、やさしい光を放っているかのようだった。

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この島は、新婚旅行に最適な場所だという。
愛をささやき合うカップルたちが、あちこちで微笑み合っている。そんな景色を見ていると、一人旅のわたしは、華やかな絵画に自分だけ色を塗り忘れられたような感覚になる。ただ、そんな寂しさを吹き飛ばしてくれたのが、カラマリだった。揚げたてのイカリングは、カリッとした衣と、ぷりぷりとしたイカの食感がたまらない。ビールをゴクゴクと飲みながら、海を眺めて食べるカラマリのひと口で、舌が幸福を覚え、心まで満たされた。

こんな美しい島で、毎日を過ごす子どもたちは、どんな気持ちなのだろう。
わたしは、鬼ごっこをする子どもたちのキャッキャッという笑い声を聴きながら、この島の風景を、そして、心の奥に焼き付いた色を、まぶしい一枚の絵のように、心のアルバムに貼りつけたいと思った。

―ああ、またひとつ、見知らぬ異国で、ひとりごつ。


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