【創作大賞応募作品】 親子で算数 第2話 米俵はいくつ積み上げている? (その3)
【目的:1+2+3+・・・という等差数列の初歩的な計算の仕方を知る】
登場人物
ぼく(主人公。小学生、高学年)
お父さん(家では算数の先生)
お母さん(一見しっかり者。)
妹(我が家で一番のしっかり者、母親以上。小学生低学年)
(本文 つづき)
おとうさん 「そうだね。それじゃ、頭の体操。いま13俵積んだけど、これ
が100俵まで積んだら、何俵かな?まぁ、実際には積めない
けれど、頭の体操と思って解いてごらん。」
ぼく 「こうかな・・・?」

おとうさん 「そうだね。それからどうする?」
ぼく 「うーん。さっきのやり方だと、100に1足して101俵。
それが100段だから、101✖️100で10100俵。
うわぁーすごい数だね。」
おとうさん 「・・・」
ぼく 「だから1から100までの合計は10100だ!!」
おとうさん 「おぉーっと、引っかかったね。答えはちがうよ。よく見てご
らん。」
ぼく 「・・・?どこがちがっているの?図はあっているんでしょ。」おとうさん 「あっているけれど・・ね。あぁー、答えを言いたいんだけど、
やっぱり自分で気が付いてくれないかな・・・。」
ぼく 「・・・?だって1俵から100俵までの合計でしょ。図も
描いて、さらに同じ図をひっくり返して、描き足したよね。
あぁっ、そうか。半分にするのを忘れた。ケアレスミスだ!」おとうさん 「そう、半分にしていなかったね。だから正解はどうなる?」
ぼく 「うーんと、10100➗2で5050だ。」
おとうさん 「5050で正解だけど、さっきケアレスミスって言ったろ。
ケアレスミスも立派な間違いだからな。注意した方がいいよ。」ぼく 「わかった。ところで、この計算の工夫の他のお話しって何?」おとうさん 「それね。このお話しは日本ではなく、ドイツの話しだ。
あるとき小学校の先生が黒板にこう書いたんだ。
1+2+3+・・・+100の答えを求めなさいって。
さっきの俵の話に似ているだろう。」
ぼく 「うん、似ているね。」
おとうさん 「その中の生徒がこの答えをすぐに見つけたんだ。
それがさっきの式に似ているんだ。ただ、この生徒は俵の絵を
使わなかったけれど。」
ぼく 「どうやって?」
おとうさん 「こういう風に。まず 1+2+3+・+99+100
つぎに 100+99+98+・・・・・・+2+1と書く。
そのとき上と下の数を足すとどうなる?」
ぼく 「どれも101になるね、だって、100+1=101だし、
2+99だって101になる。」
おとうさん 「そう、だからさっきの式は101+101+・・・+101
と101を100個足した式になるだろ。」

ぼく 「あっ、そこで101✖️100という式ができるんだ。でも
式が上と下の二つがあるから、2で割ればいいんだね。」
おとうさん 「そう、そのとおり。」
ぼく 「すごい。」
おとうさん 「すごいよね。その小学生がそのやり方を見つけたんだ、
お前と同じくらいの年齢の子が。」
ぼく 「すごい、しか言えないよ。ぼくは全然思いつかなかったよ。」おとうさん 「まぁね。でも気にすることはないよ。この子は後になって、
とても有名な数学者になったんだ。名前をガウスというんだ。
中学や高校に入ると算数の代わりに数学を学ぶんだけど、その
時にその名前も出てくるかもね。」
ぼく 「ガウス?ぼくも将来ガウスみたいになれるかな?」
おとうさん 「これからも勉強しだいかな?一生懸命に頭を使って考える練習
をするといいかもね・・・。それにしても、頭つかうだけでも
お腹って空くよね。」
ぼく 「でしょ。あっ、台所からカレーのにおいがしてきたよ。
夕ごはん、もうすぐだね。」
(第2話おわり。第3話につづく)
【参考文献】
こども向け算数っておもしろい 第1巻~第6巻 (清水龍之介監修、学研)秋山仁先生のたのしい算数教室 第1巻~第10巻
(木幡寛著、秋山仁監修、ポプラ社)
和算 (佐藤健一文 和算研究所監修)
大人用
だから楽しい江戸の算額ー和算絵馬「算額」の魅力がいっぱいー
(小寺裕著、研成社)
塵劫記 和算研究所
(P61 第12 杉さんの事ー米俵を杉の木の形に積み上げる問題)
江戸を割るー和算とトリック・占いの不思議なつながりー
(西田知己著、研成社)
和算で数に強くなる!(高橋誠著、筑摩書房)
