第2回 不安を数字にすると、なぜ少し楽になるのか?
不安というものは、目に見えません。
だから厄介です。
胸の奥にあるような気もするし、
頭の中でずっと回っているような気もする。
仕事のこと。
お金のこと。
将来のこと。
人間関係のこと。
家族のこと。
健康のこと。
自分のこれからのこと。
考えれば考えるほど、不安は大きくなっていきます。
でも、その不安が本当はどれくらいの大きさなのか。
私たちは意外と分かっていません。
ただ、漠然と怖い。
ただ、なんとなく落ち着かない。
ただ、先が見えなくて苦しい。
不安は、形がないからこそ大きく見えるのだと思います。
不安は、正体が見えないほど大きくなる
夜に考えごとをしていると、昼間よりも不安が大きく感じることがあります。
同じ問題なのに、夜になると何倍にも重く感じる。
「このままで大丈夫なのか」
「失敗したらどうしよう」
「お金は足りるのか」
「この先、自分はどうなるのか」
頭の中で何度も同じ言葉が回り続けます。
でも、よく考えると、その時の不安は
本当に全部が危険信号なのでしょうか。
もしかすると、
今すぐ解決しなければいけない問題と、
まだ起きてもいない心配が、
頭の中で一緒になっているだけかもしれません。
不安は、混ざると大きくなります。
仕事の不安。
お金の不安。
体調の不安。
人間関係の不安。
将来の不安。
それらが一つのかたまりになると、
まるで巨大な壁のように感じてしまいます。
だからこそ、一度分けてみることが大事なのだと思います。
不安を数字にしてみる
たとえば、今の不安を0〜100点で表すとします。
0点は、まったく不安がない状態。
100点は、頭から離れないほど不安な状態。
自分にこう聞いてみます。
「今の不安は何点くらいだろう?」
すぐに正確な答えを出す必要はありません。
なんとなくでいいです。
30点。
50点。
70点。
90点。
その数字を出すだけでも、不安は少しだけ形を持ちます。
たとえば、
「今の不安は80点くらいある」
そう感じたとします。
すると次に、こう考えることができます。
「なぜ80点なのか?」
「何が一番不安なのか?」
「今すぐできることはあるのか?」
「本当に80点なのか、それとも夜だから大きく感じているのか?」
不安を数字にすることで、
ただ怖がるだけではなく、
少しだけ観察できるようになります。
不安を分けると、少し楽になる
不安を一つのかたまりで見ると、とても大きく感じます。
でも、項目ごとに分けてみると、少し見え方が変わります。
たとえば、こんな感じです。
お金の不安 80点
仕事の不安 60点
人間関係の不安 35点
体調の不安 40点
将来の不安 75点
今日の不安 50点
こうして見ると、
「全部が全部、100点ではない」
ということが分かります。
人間は、不安を感じている時、
すべてが悪い方向に見えてしまうことがあります。
でも数字にしてみると、
意外と強い不安と、そこまで大きくない不安が分かれます。
お金の不安は80点。
でも人間関係の不安は35点。
体調の不安は40点。
そう見えるだけでも、少し落ち着きます。
「ああ、自分は全部が苦しいわけではなく、今はお金と将来の不安が大きいんだ」
そう分かると、対処する場所が見えてきます。
不安は、見えないから暴れる
車で考えると分かりやすいかもしれません。
もし車にメーターがなかったら怖いですよね。
ガソリンがどれくらい残っているのか。
スピードが何キロ出ているのか。
水温が上がりすぎていないか。
エンジンに異常がないか。
何も見えないまま走るのは、不安です。
でもメーターがあれば、
「ガソリンが少ないから入れよう」
「スピードが出すぎているから落とそう」
「水温が高いから少し止まろう」
と判断できます。
心も同じだと思います。
不安を感じた時、
自分の中にメーターを作ってみる。
お金の不安は80点。
仕事の不安は60点。
体力の残りは30点。
今日できる行動力は40点。
そうやって数字にしてみると、
不安そのものに飲み込まれるのではなく、
少しだけ運転席に戻れるような気がします。
数字にすると、対策が見えてくる
不安を数字にする目的は、
自分を採点することではありません。
「不安が80点もあるからダメだ」
という話ではないのです。
むしろ逆です。
80点も不安があるなら、
今日は無理をしすぎない方がいい。
90点なら、
一人で抱え込まない方がいい。
50点なら、
少し作業を進めれば下がるかもしれない。
30点なら、
今はそこまで大きな問題ではないのかもしれない。
数字は、自分を責めるためのものではなく、
自分に合った対策を考えるためのものです。
たとえば、不安80点の日
不安が80点の日に、
いきなり大きな決断をするのは少し危険かもしれません。
気持ちが焦っている時は、
判断も極端になりやすいからです。
「もう全部やめた方がいい」
「自分には無理だ」
「どうせ失敗する」
「今すぐ何とかしなければ」
そういう考えが出てきやすくなります。
でも、不安80点の日に必要なのは、
大きな決断ではなく、小さな整理かもしれません。
たとえば、
今日できることを1つだけ書く
支払い予定を確認する
明日やることを3つだけ決める
誰かに相談する
早めに寝る
無理な予定を減らす
これくらいでいいと思います。
不安が高い日は、人生を変える日ではなく、
まず自分を壊さない日にする。
それだけでも大事です。
不安50点の日なら、少し動ける
不安が50点くらいなら、
少し行動することで下がることがあります。
たとえば、気になっていることを紙に書く。
明日の準備をする。
連絡を一つ返す。
見積もりを一つ進める。
片付けを少しする。
お金の予定を確認する。
不安は、頭の中だけで考えていると大きくなります。
でも、少しでも行動に変えると、
「何もしていない不安」から、
「少し進めた安心」に変わることがあります。
不安をゼロにする必要はありません。
10でも20でも下がれば、それで十分です。
80点が65点になる。
60点が45点になる。
50点が35点になる。
それだけで、心は少し軽くなります。
不安を数字にする簡単な方法
難しいことはしなくて大丈夫です。
まずは、紙やスマホのメモにこう書いてみます。
今の不安は何点? __点
一番不安なことは? ______
今すぐできることは? ______
今日やらなくていいことは? ______
これだけで十分です。
ポイントは、
不安を頭の中だけに置かないことです。
外に出す。
見える形にする。
数字にする。
それだけで、不安との距離が少し生まれます。
不安そのものが消えるわけではありません。
でも、自分と不安が完全に一体化しなくなります。
「ああ、自分は今、不安を感じているんだ」
「でも、その不安は80点くらいなんだ」
「全部が終わりというわけではないんだ」
そう思えるだけでも、少し違います。
数字は心を冷たくするものではない
数字と聞くと、
冷たいもの、機械的なもの、
人間味のないものに感じるかもしれません。
でも私は、数字は使い方によって
心を守る道具にもなると思っています。
不安を数字にすることは、
不安を軽く扱うことではありません。
むしろ、ちゃんと見てあげることです。
「今、自分はこれくらい不安なんだな」
そう認めることです。
不安を無理に消そうとすると、
かえって苦しくなることがあります。
でも数字にして眺めてみると、
少しだけ落ち着いて向き合えることがあります。
不安は敵ではなく、警告ランプかもしれない
車の警告ランプは、嫌なものです。
でも、警告ランプがあるから、
故障する前に気づけることもあります。
心の不安も、それに近いのかもしれません。
「少し休んだ方がいい」
「準備が足りていない」
「お金の流れを確認した方がいい」
「一人で抱え込みすぎている」
「本当は変えたいことがある」
不安は、ただ苦しめるためだけにあるのではなく、
何かに気づかせるためのサインでもあると思います。
だからこそ、数字にしてみる。
不安を敵として見るのではなく、
メーターとして見る。
そうすると、少しだけ付き合いやすくなります。
最後に
不安を数字にすると、なぜ少し楽になるのか。
それは、見えなかったものが見えるようになるからです。
不安は、形がない時ほど大きく見えます。
でも、
今の不安は70点
お金の不安は80点
仕事の不安は50点
今日できることは1つ
今は無理しすぎない方がいい
こうして数字にしてみると、
不安は少しだけ整理できます。
不安が消えるわけではありません。
でも、向き合う場所が見えてきます。
何を休めばいいのか。
何を確認すればいいのか。
何を一つだけ進めればいいのか。
それが見えるだけでも、人は少し楽になれるのだと思います。
数字は、冷たいものではありません。
見えない気持ちを、やさしく見える形にするメーターです。
今日もし不安があるなら、
まずは一つだけ数字にしてみてください。
「今の不安は何点だろう?」
そこから、自分の心との会話が始まるのかもしれません。
次回予告
次回は、
「やる気が出ない日は、やる気を数字で見ればいい」
について考えてみたいと思います。
やる気がない日は、ダメな日ではありません。
ただ、心のエネルギー残量が少ない日なのかもしれません。
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