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ゾルキー10は、リコーオート35Vのコピーなのか?

 みなさんは、旧ソ連の「ゾルキー10」または、「リコーオート35V」というカメラをご存知でしょうか。これらは、そっくりなカメラなのです。その謎について書いてみました。

RICOH AUTO 35

https://fukucame.fan.coocan.jp/riauto35.htm

RICOH AUTO 35
底部

発売年:1960年
レンズ: RICOH 40mm/F4
サイズ:123×66×59mm
シャッター速度:B・1/25~1/100秒
重量:約450g
電池:セレン光電池
当時価格:11500円

 セレン光電池を利用したプログラムEEカメラ。徹底自動化を図ったことから、絞りやシャッター速度の表示をなくし、ピント合わせをしなくても済むように固定焦点となっています。
 鏡胴まわりのリングはフィルム感度(シャッター速度)設定用で、フィルム感度をシャッター速度に置き換える仕組みです。M(1/25),2(1/25),3(1/32),4(1/50),5(1/100),6(1/200秒)。カメラ上部と下部のカバーでカメラ前部を覆う当時としてはかなりユニークなデザインになっています。

作例1
作例2

レストア情報 RICOH AUTO35 編
https://fukucame.fan.coocan.jp/daisaku/d22.htm

この斬新なカメラへの評価は厳しかった

 リコーイメージング株式会社のページには、「1960年当時はあまり受け入れられなかった。」「発売後日本市場の評価は非常に冷淡であった。」という記載があります。

参考:RICOH AUTO 35(リコーイメージング株式会社)

改良版の「RICOH AUTO 35V」が登場

 RICOH AUTO 35発売の翌年、アップグレードした「RICOH AUTO 35V」が発売になっています。レンズを40mm/F2.8(3群4枚構成)になり、距離も固定焦点からゾーンフォーカスに変更になっています。
 このカメラは、私の手元にないため、リコーイメージング株式会社から引用します。

 リコーオート35の経験から露出範囲の拡大を計り、レンズの口径を大きくしたことでフォーカス機能を付加した。 ユニークなデザイン・ボディ構成はそのまま生かして高機能のカメラとした。輸出用には距離計連動とし、日本国内用にはゾーンフォーカスとした。
 今までのカメラにないフォルムは高い評価を受け、歴史に残るデザインとなった。

RICOH AUTO 35V(リコーイメージング株式会社)

旧ソ連でデッドコピーが登場

 旧ソ連の「ZORKI(ゾルキー)」というカメラメーカーをご存知の方も多いのではないでしょうか。コピーライカで有名になったメーカーです。このメーカーが作った「ZORKI 10」というカメラは、「RICOH AUTO 35V」のデッドコピーであるというのが通説です。

ZORKI 10

https://fukucame.fan.coocan.jp/zorki10.htm

ZORKI 10
底部

発売年:1964年
レンズ:INDUSTER-63 45mm/F2.8
サイズ:124×72×72mm
シャッター速度:B・オート
重量:約670g
電池:セレン光電池
当時価格:--

作例1
作例2

レストア情報 ZORKI 10 編
https://fukucame.fan.coocan.jp/daisaku/d20.htm

「ZORKI 10」には距離計が付いている

 確かに、「RICOH AUTO 35V」にそっくりなのですが、気になる点があります。「RICOH AUTO 35V」には距離計が付いていませんが、「ZORKI 10」には距離計が付いているのです。
 ここで、前述のリコーイメージング株式会社の引用文に戻りますが、「輸出用には距離計連動とし、日本国内用にはゾーンフォーカスとした。」と書かれています。つまり、輸出用があって、それには距離計が付いているということです。

「ZORKI 10」のコピー元は、「RICOH AUTO 35V」の輸出機

 そこで、「RICOH AUTO 35V」の輸出機について調べてみました。それは、「RICOHMATIC 35」という名称のカメラで、確かに距離計が付いています。「RICOHMATIC 35」が「ZORKI 10」のコピー元ということで間違いなさそうです。

RICOHMATIC 35 (RICOH AUTO 35Vの輸出機)

https://fukucame.fan.coocan.jp/daisaku/d221.htm

RICOHMATIC 35(RICOH AUTO 35Vの輸出機)

 手元の資料を確認してみると、
 「昭和10〜40年 広告に見る国産カメラの歴史」(アサヒカメラ編集部)には「リコーマチック35」の項目があり、リコーオート35の改良型で距離計連動になったという記述がありました。
 「クラシックカメラ専科No.14 リコーカメラのすべて」には「リコーオート35V」の項目があり、「距離計連動のリコーオート35スーパーが発表されているが国内販売はされなかったようだ。」という記述がありました。

 両者ともカメラの名称に若干の齟齬がありますが、「RICOH AUTO 35V」の輸出機には距離計が付いていてそれが「RICOHMATIC 35」であると考えてよさそうです。

デッドコピー

 「クラシックカメラ専科No.14 リコーカメラのすべて」には、ゾルキー10について「最近リコーの方に伺ったところでは何の挨拶もなく無断借用されたものであるとの事であった。」という記述があります。やはりデッドコピーだったのですね。
 今回は、リコーオート35、リコーオート35V、ゾルキー10の関係性について書いてみました。
 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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