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フィルム感度設定の工夫

 フィルム感度はフィルムの光に対する感度のことで、現在では国際標準化機構(ISO)で策定した「ISO感度」が指標になっています。ISO数値が大きいほど、光に対する感度が高く弱い光でもフィルムが感光することになります。

ASA800

 当時のカメラでは「ASA」または「DIN」という表示になっていますが、ASAは、アメリカ標準規格(American Standards Association)によるもので、その後、ドイツのDIN規格と統合されて現在のISOになりました。

カメラのフィルム感度設定

 ここでは、当時のカメラのフィルム感度設定、その仕組みについて書いてみます。いろいろな工夫が見えてきます。

フィルム感度設定1

CdS受光部と感度プレート

 図の赤矢印がカメラのCdS受光部穴です。この上に右のフィルム感度プレートが回転する仕組みになっています。プレートに空いた穴の大きさを変化させ、受光部に当たる光の面積を調整するというものです。フィルム感度が高い場合は、穴の面積が小さくなります。

このパターンのカメラの例としては、
KONICA C35AF2
https://fukucame.fan.coocan.jp/c35af2.htm

KONICA C35AF2
撮影 KONICA C35AF2

フィルム感度設定2

フィルム感度が書かれたロールを回転させる

 図の右にある露出計指針には手を付けず、赤矢印の目盛りのみを変化させる方法です。フィルム感度が書かれたロール(赤矢印)をつまみ(赤四角)で回転させ、フィルム感度に合わせて、その時の目盛りを読み取るという実にシンプルな方法です。

軍艦部にある露出計指針

このパターンのカメラの例としては、
YASHICA 72E
https://fukucame.fan.coocan.jp/yasi72.htm

YASHICA 72E
撮影 YASHICA 72E

フィルム感度設定3

露出計そのものを少し回転させる

 電気的に露出計指針を変化させることなく、露出計そのものを少し回転させるという驚きのアイディアです。赤矢印がフィルム感度ダイヤルです。このつまみを回転させると、青矢印の露出計本体が少し回転し、指針の原点がずれる仕組みです。

このパターンのカメラの例としては、
MINOLTA HI-MATIC
https://fukucame.fan.coocan.jp/hi.htm

MINOLTA HI-MATIC
撮影 MINOLTA HI-MATIC

フィルム感度設定4

網の目の部分が円形セレン光電池(受光部)
セレン光電池が金属板で覆われている

 円形セレン光電池を使ったサークルアイ方式でよく使われている調整方法です。セレン光電池の上に金属板をスライドさせる方式です。セレン光電池の受光部を、フィルム感度ダイヤルと連動した金属板で覆い受光面積を変化させています。

このパターンのカメラの例としては、
OLYMPUS PEN EE2
https://fukucame.fan.coocan.jp/penee2.htm

OLYMPUS PEN EE2
撮影 OLYMPUS PEN EE2

 その他、電気的な調整方法としては、電池から露出計に流れる電流を、回路途中の抵抗値を変化させることで制御する方法もあります。

 今回は、カメラのフィルム感度設定、その仕組みについてまとめてみました。当時のカメラづくりに対する涙ぐましい努力が見えるようです。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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