見出し画像

A KITE、時々、烈火の炎、フィーチャリング戸愚呂(弟)

久方ぶりにダッシュボードを見ていると、『A Kite』の記事の順位が高かった。

『A Kite』、私が愛してやまないアダルトアニメである。

まぁ、平たく言えばエロアニメ、であるが、エロいシーンはそんなにない。要するに、昔にポルノ映画、ピンクフィルム、そして一部のブルーフィルムと同様(まぁ、ブルーフィルムにはほぼ該当しないが)、申し訳程度のエロをまぶすことで映画が撮れるのならば、それはもう、乗るしかない!というやつである。

『A Kite』は傑作、であり、わずか1時間にも満たないOVAであるが、この中ですべてが過不足なく満たされており、3時間も4時間もある映画よりも、余程十全に映像作品としての快楽を備えている。

然し、まだ未見の方は、私の話は話半分に聞いておいてほしい、なぜ、ならば、こう、期待袋、をパンパンに張っている、ハードルが上がりすぎて通り抜けられる、そんな風だと、絶対に損だから、である。
人は、自分の好きなものを過大に評価するものだ。神作、と、いう言葉がある。神様の大安売りだが、その時夢中になったものには、そう言ってあげたくもなるものだ。

で、『A Kite』だが、今作が素晴らしいのは、やはり、初期の梅津泰臣監督作、であるので、趣味的な要素や媚的なもの、そういうものが削ぎ落とされている。いや、純化されている。単純に物語、キャラクター、そして世界観に演出、それらが全て違いを補い合うかのように強靭に繋がり、一つの物語を形成している。

初期作は『イエロー・スター』も好きだ。こっちはもっとポルノ寄り、『A Kite』のプロトタイプ版みたいなものだ。だけれども、最近、90年代、という時代を常に考えている。私の好きな時代は、1920年代、50年代、そして80年代と90年代だ。

語りたいのは殺し屋の少女と少年の物語であり、復讐譚であるが、長いTVシリーズや、キャラクターが増えるとその分ノイズも増える。
物語、と、いうものは、基本的には2時間で語り尽くせるものだ。あとはどれだけ丁寧に、枝葉末節を語るかだけの話である。ジャンプ漫画も、究極には3冊で語る事ができる。
この夏に、『鬼滅の刃』の無限城編の第一部が公開されるが、無限城3部作では尺が足りない、という意見があったが、そんなもん、3本、6時間、360分もあれば、端折りまくれば余裕である。漫画と映像は時間間隔が異なる。然し、丁寧に、全てのキャラクター、全てのシーンを盛り上げていく、3本分の演出で魅せていく、となれば話は異なる、尺が必要になる。けれども、映像、映画、と漫画や小説は、文法が異なるわけで、それぞれに合った時間間隔、というものがあるのだ。
と、いいつつも、『エピソードオブアラバスタ』とか酷かったなぁ、あれは100分くらいだからな、まぁ、無理があるな。
まぁ、『鬼滅の刃』は異次元の成功により、そういう特例、丹念に丹念に描くのが当然というか前提なので、そんな感じなのだ。たぶん。

で、『A Kite』、これはエロアニメであるから、なかなか観るのにハードルが高いが、然し、何度も書くように、これは殺し屋の少年少女のプラトニックラブの話でもあるし、だからこそエロアニメで作る必然がある、そんな作品である。

つまりは、プラトニックラブ、純愛、と、いうもの、愛情、恋、そういうもの、とは、肉体的な触れ合いは手が触れ合う、もしくは、精々が頬にキス、くらいが限界であり、それ以上いくと、最早、愛の美しさ、恋の純粋性が砕け散るのだ。
恋、とは、美しい感情であり、それは、先端、美は先端、であるから、常に頂点にいくこと、オーガズム、射精への予感、いくこと、来ること、それが来た途端に、モントゥトゥユピーさながらに、大きな喪失感を伴い、美は霧散するのだ。

『A Kite』の主人公の砂羽さわは、日々自分を両親を殺した赤井に犯されながら復讐の機を狙っている。そうして、もうひとりの変態蟹江などに回された仕事をこなして、人を殺しまくっている。

赤井さんはドクズであり、そして最高のヒールである。

この映画は、少年兵の映画であり、戦場の中では血と汚濁、精液と欲望、その絶望のなかにあって、もうひとりの少年兵と出会い、魂を通わせていく、そういう筋がある。
だからこそ、二人の間には性的な匂いは微塵もない、子ども同士の掛け合いのようで、恋、と、いうものは、慕うもの、奥ゆかしいもの、叶えば消えてしまう砂上の楼閣であること、それが条件であって、『A Kite』の二人も、最後まで結ばれることはない、これはエロアニメ、アダルトアニメであるにも関わらず、いや、エロアニメ、アダルトアニメだからこそ、二人の純粋性と物語性が際立つのである。
ここで最後に二人がセックスなどしてしまえば興ざめであり、そこに幻想的な作品世界はヒビが入ってしまう。
恋、は、手を出したが最後、砕け散る厄介な代物なのだ。

ヒーローである音不利は、声は花菱烈火である。

花菱烈火で、思い出したが、『烈火の炎』のエンディングの、『Love is Changing』は、私はとても好きな歌、であるのだが、これは、当時はええ曲やな〜と聞いていたのだが、然し、後年、大好きな久保田利伸の作曲と識り、うーん、やはり、好み、というものは、感じ取るものがあるのだなぁ、と思った次第。

『烈火の炎』は『幽☆遊☆白書』のパクリ、だと言われ続けたが、然し、まぁ、全33巻、確かに、裏武闘殺陣までは、流れは似ているが、然し、後半はオリジナル、で、あり、むしろ、後半の方が面白いのだ。
そもそも、裏武闘殺陣だって、うるはくれないチーム、呪、戒、命、ジョーカー、そして、紅麗、という、全員仮面をつけた最強の布陣とのガチンコバトルは、戸愚呂チームよりも盛り上がると言っても過言ではない。いや、戸愚呂チームは最高だ、それは揺るがない、然し、言いたいのは、烈火はそれとタメを張り、かつ、後半、更におもしろくなる。
まず、魔道具、まぁ、これはもう使い古された設定、卍解みたいなものだ、少年漫画は永遠にこれをやり続ける、形を変えて、でも、こう、武器に属性がある、その分かりやすさ、いいなぁ、いいよ、すごくいい。

未だに戸愚呂弟を超える敵は出てこないが……。

『A Kite』は1998年のアニメ、『烈火の炎』は1997年〜1998年のアニメ、なので、同時期、だが、こう、同時のアニメって、すごく匂いが似てるから、同級生、みたいなものだ。





いいなと思ったら応援しよう!