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書店パトロール105  読書する意味

久々に書店をウロウロした。尚、買ってはいない(迷惑)。

まず手に取ったのは新装版の『野十郎の炎』。

高島野十郎の展覧会が開かれている。その流れでの新装版。
高島野十郎の絵は、ネットでも、格安とかで出回っている。本物か贋物か、贋物が大半だとは思うが、然し、中には本物もあるだろう。然し、私は目利き、ではないので、わからない。結構本物に見えるものもあるが、激ウマ贋作師は本人よりも上手い時がある。

で、次に、『みんなの校正教室』

校正、校閲、これらの本は、意外に種類が多く出ている。
私は、推敲も嫌いだし、校正はもっと嫌いだ。でも、校正は、文章にとっての命、でもある。テニヲハの間違い一つで文章は印象を変える、意味を変える。シュッシュッと線を引いていく、赤を入れていく。然し、私は校正は嫌いだ。面倒くさいもの。

で、次に本屋の本。

これは、小説の体裁を取った感じの本で、まぁ、本屋、を作るのは、本好きにとっては一つの夢である。まぁ、基本的に、本屋はもう消滅の一途を辿っているが、然し、本好きには、未だにサンクチュアリ、で、あり、こう、データとかは、便利、だけれでも、いつ無くなるか識れたものではない、上に、データ化されていない本は山のようにある。
で、次に古書店の本があった。

これは中々面白そうで、書いかけたが、然し、止める。年末に、一冊、でかい金額の古書を購った、の、で、お金がなかった。
古書店の仕事についての事細かに書かれている。神保町に行きたいなぁ、急にそんなことを思う、思う、けれども、距離がそれの邪魔をする。

その後に、気になったのはこちらの本。

フィリピンの闘鶏。私には縁のない世界だが、賭け事の魅力や、識らない世界が描かれている。闘鶏、闘犬、闘牛、動物を戦わせる、若しくは、動物と戦う、命を賭けた戦い、人間ならば拳闘、があるが、これらは死と隣り合わせの危険な世界、然し、賭け事を狂熱の域にまで高める一つには、血が出る必要性があるかもしれない。

今年のサントリー学芸賞を受賞している。今年の受賞作の中に、一冊、北條民雄について書かれた、『無意味なんかじゃない自分』も、選ばれていた。

北條民雄の『いのちの初夜』は、ハンセン病に罹った著者の実体験が書かれているが、タイトルは、YASUNARIが書いたものであり、YASUNARIは本作の発表に尽力したが、北條民雄からの手紙に対しては、「癩さんからの手紙はよく消毒しておくように。」と言っていた。また、佐藤春夫は、自分の師匠である生田長江からの手紙が届いた際、彼の手紙を火鉢で炙っており、それを見たタルホが、師匠(佐藤春夫)の人間としての底が知れたと、後年批判していた。

そういえば、昨日観た、『エディントンへようこそ』で、コロナ禍、主人公のホアキン・フェニックスは、マスクをしない主義、陰謀論を信じない主義、なので、マスクをしておらず、同じ様にマスクをしていない住民が、スーパーから追い出された時に、「人間として彼を扱うんだ!」と言っていたが、そのスーパーではマスクは義務なのだ……。

生田長江には幼い娘がいて、この娘の話を、谷崎潤一郎が、『文壇昔ばなし』で触れているが、ここで、谷崎が、生田長江の病気が感染するの鬼のように恐れているのを長々と語っている。兎に角、生田長江と同じ床屋には行かない、生田長江が触れた自身の腕時計はアルコール漬けにしてはめ直す、等など……。

そして、病気が移らないうちに、娘だけ引っ越しさせようという話になったが、生田長江は娘だけは奪わないでくれと、涙ながらに語ったという話……。

ハンセン病絡みの話は当時の作品にはよく出てくるが、三島由紀夫の小説にも、高確率でその名称が出てくるし、特に、『癩王のテラス』なんて、タイトルも内容もそうなのだが、『癩王のテラス』は、タイトルの漢字が駄目なので、今では、『ライ王のテラス』になっているし、そもそも、文庫化も不可能な作品になっていて、過去に出てからは、もう絶版、今は、全集でしか読むことができない。

その後に気になったのは、『大日本いじめ帝国』。

戦場でのいじめの歴史、そこからの、連綿と続く、集団生活におけるいじめの構造……。

人間は、生来いじめが好きであり、集団になると、箍が緩む。一人だと、あれほど好青年に思えた人が、集団になるとバスで騒ぎ出し、汚い言葉遣いで、周囲に威圧的な行動を繰り返す。
団結のために敵を作り出し、意思統一したその中でも、不満解消と権力機構の確立の為に、またターゲットを作り出し、いじめを続ける。
戦中の軍隊の異常性は、根底において今の汎ゆる場所と通底している。

そのまま、本屋を出る。色々な本がある。私は、まだまだ本を読まなければならない。識らない語彙が多すぎるし、言い回しも多い。

本を読むことで、歴史を学び、病気を学び、様々なことを識り、少しでも、流されないための力、価値観を育む必要性がある。読書とは、そのためにある、と、言いながら、数千円の本も買えない私は、一体、なんなんだ。



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