アラ還FP 仕事と暮らし Vol.5|65歳まで働くつもりだった私が、70歳まで働こうと思った理由
今日は年金の話でも、NISAの話でもありません。
働くことについての話です。
こんにちは。
アラ還サラリーマン、そして1級ファイナンシャル・プランニング技能士です。
少し前まで、私はこう思っていました。
「65歳まで働けば、それで十分やろ」
60歳で定年を迎え、給料はぐっと下がるけれど、そのまま今の会社に再雇用されて65歳まで勤め、そして引退する。
どこにでもある、ごく当たり前の筋書きです。
周りを見ても、同じような人は多い。
私自身も、
それに疑問を持つことはありませんでした。
ここ最近になって、
その考えが少しだけ揺らぎ始めました。
「70歳くらいまでは、働いてもいいかもしれない」
そんなふうに思うようになったのです。
理由は、確かにお金のこともあります。
それだけではありません。
最近は、65歳を過ぎてもできる仕事があるのかと、求人をのぞくことがあります。
今の会社には65歳まで再雇用制度があります。
それだけでも十分ありがたい。
「会社を卒業したあと、自分には何ができるのだろう」
そんな問いが、
以前よりずっと現実味を帯びてきています。
58歳という年齢は、不思議なもので、人生の残り時間をときどき現実として連れてきます。
10年後という未来が、
もう遠い話ではなくなっている。
思い返せば10年前、私は48歳でした。
ついこの前のような気がします。
そう考えると、70歳もまた、
思いのほか近い場所にあるのです。
これまで私は、FPの勉強を通して、
老後資金の計算を繰り返してきました。
年金はいくらか。
退職金で住宅ローンを返すべきか。
今の家に住み続けるのか、
それとも住み替えるのか。
資産運用はどうするのか。
FPの勉強をしてからというもの、自分の老後を何度もシミュレーションしてきました。
表計算を開いては数字を入れ替え、また閉じる。
そんなことを何度繰り返したかわかりません。
それらが大切なことに違いはありません。
それでも、最後に、
どうしても残る問いがありました。
「お金のことは何とかなるとして、そのあとは、何をするんやろう」
会社とは、不思議な場所です。
毎朝行けば誰かがいて、
嫌なこともあれば面倒なこともある。
会議や締切に追われる日々。
それが生活の骨組みになっているのです。
仕事を辞めるということは、
単に収入を失うことではありません。
その骨組みごと手放すことでもあります。
私は休日が嫌いではありません。
朝寝坊も、本を読む時間も、スポーツ観戦も好きです。
連休の最後の日になると、
理由もなく、少し心がざわつく。
おそらく私は、
完全な「暇人」には向いていないのだと思います。
最近は、定年後も働いている人の見え方が変わってきました。
以前は「生活のためだろう」と、どこかで単純に考えていました。
久しぶりに会った先輩は、70歳を前にしてゴルフ場でアルバイトをしていました。
週に3日、午前中だけ。
その表情は驚くほど柔らかく、
生き生きとしていました。
その姿を見て、「70歳まで働く」という言葉の印象が変わりました。
我慢して働くのではなく、
自分のペースで社会とつながる。
そんな働き方もあるのだと思えたのです。
無理をしない働き方。
好きなことだけに関わる時間。
70歳まで働くと決めたわけではありません。
体調を崩すかもしれないし、
働く気持ちそのものが変わるかもしれない。
人生は予定通りには進みません。
ただひとつ、思うのは、
その選択肢を持っていたい、
ということです。
若い頃、働くことは義務でした。
生活のため。住宅ローンのため。
子どもの教育費のため。
理由は外にありました。
今は、少し違います。
働くかどうかではなく、「どんな働き方なら、自分らしくいられるのか」を考えるようになりました。
もし70歳まで働くとしたら、
それはきっと、お金のためだけではないでしょう。
誰かと話すためかもしれない。
社会とつながり続けるためかもしれない。
規則正しく朝を迎えるためかもしれない。
あるいは、自分がまだ必要とされていると感じるためかもしれない。
最近、よく思うのです。
老後の準備というと、
どうしてもお金の話になりがちです。
もちろん、それは大切です。
本当に考えるべきなのは、
「何歳まで働くか」ではなく、
「何をして生きていくか」なのかもしれません。
若い頃は、早く定年を迎えて、
のんびり過ごしたいと思っていました。
いざその日が近づいてくると、
まったく違う問いが浮かんできます。
仕事を手放したあと、自分は何者なのだろう。
不思議なものです。
人生というのは、
最後まで宿題を出し続けてくるらしい。
そんなことをぼんやり考えながら、
今日もまた、朝の通勤電車に揺られています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この「アラ還FP 仕事と暮らし」では、
・老後のお金
・住まい
・働き方
そして人生後半のリアルな悩みについて、
58歳の現役サラリーマンFPとして綴っていきます。
また、『アラ還のぼやき』というエッセイも細々と続けています。
お時間のある時に、ふらりと立ち寄っていただければ嬉しいです。
【アラ還FP】
(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)
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