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【能登半島地震】宗教者奔走の1カ月 機能不全の自治体支える

※文化時報2024年2月9日号の掲載記事です。写真は1月15日撮影の石川県能登町の様子。

 能登半島地震では、自治体が機能不全となって支援が行き届かない状況が続いた。災害ボランティアセンターの運用が進む前から、宗教者や教団、宗教関係団体は可能な支援に取り組もうと奔走した。

 いち早く動いたのは、融通念仏宗浄谷寺(大阪府富田林市) の十石慈洋住職。元日中に被災地NGO恊働センターへ米90キロなどの物資を提供した。

 翌2日には、浄土宗法船寺(森岡達圭住職、金沢市)と、社会福祉法人佛子園(理事長、雄谷良成・日蓮宗行善寺住職)が支援物資の受け付けを開始。一般社団法人えんまん(代表、八幡真衣・浄土真宗本願寺派本光寺副住職)は孤立集落に弁当や物資を届け続けた。

 曹洞宗系のシャンティ国際ボランティア会(SVA)は輪島市門前町に拠点を設け、医師や看護師の災害派遣医療チーム「DMAT」などの支援団体と現地ニーズのマッチングを行っている。

 茅野(ちの)俊幸副会長(曹洞宗瑞松寺住職)は「悪路や断水で支援に入るハードルが高いが、今の段階で支援していなければ、被災者と心を通わすのは難しい。リスクを背負って支援に入るべきだ」と呼び掛けている。

北海道、熊本…宗派超え

 被災地にはこの1カ月間、全国各地から宗派を超えて多くの僧侶が支援に入った。

 浄土真宗本願寺派一乗寺(北海道深川市)の僧侶で認定こども園「かぜっこ」の殿平真園長は、僧侶や看護師ら約10人と共に1月21日、石川県穴水町の自主避難所になっている神杉保育園などを訪れた。

 事前に希望を聞き、北海道産の菓子類や無洗米などを持ち込み、石狩鍋の炊き出しや足湯マッサージを行った。

 子どもたちは元気だが、大人が思う以上にストレスがかかっており震災の現実を忘れさせることも重要だという。

 殿平園長は「本当に望んでいるものは現地に行かないと分からない」とした上で「能登は念仏が根付く地域なので強い縁を感じる。需要の変化に応じ、今後もできる限りの支援をさせてもらいたい」と語った。

 2020年の熊本豪雨で被災した曹洞宗神照寺(熊本県球磨村)の岩崎哲秀住職は、1月6~11日、石川県輪島市や能登町などで車中泊を続けながら炊き出しを行った。

 16日には再び石川県に入り、大本山總持寺祖院(輪島市)の近くで支援活動を継続している。

 熊本豪雨では約3カ月間の断水生活を送ったという岩崎住職は「同じような苦労をする人々を見過ごせない。恩返しの気持ちで支援を続けたい」と語り、「自宅が全壊しなかった人はなかなか故郷を離れられない。心のサポートはあらゆる局面で必要かもしれない」と話した。

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