【映画】「冬の旅」感想・レビュー・解説

うーむ、この映画、観る人が観たら面白いと感じるのだろうか。僕には、何が面白いのか全然分からなかったなぁ。眠かった。

物語の構成は、とても良かったと思う。映画の冒頭、若い女性の凍死体が発見される。そして、モナというその命を落とした若い女性の、死に至るまでの数週間を、「モナに関わった者たちの視点」で描く。

こういう構成にすることで、モナの動機やその時々の感情が「見えない」ことに説得力が出てくる。カット割りなどは通常の映画のそれだが、冒頭で提示される「モナと関わった者たちの回想である」という設定が、「モナの理解できなさを、理解できないまま受け取ればいいのだ」と理解できるからだ。その構成は上手いと思う。

何しろモナは、寒い中テントで暮らすホームレスなのだ。18歳の美しい少女が、何故ホームレスとして生活しているのか、その辺りの背景はほぼ描かれない。唯一、モナが「楽して生きたい」と繰り返し語るがヒントと言えるだろう。つまり彼女にとって「働かず、その時々で適当に誰かに寄生しながら生活を続けていくこと」が「楽」だと判断されているというわけだ。

このモナのスタンスは、少し前に観た映画『WANDA』の主人公・ワンダのものとかなり近いように感じられる。しかし、『WANDA』はメチャクチャ良く感じられたが、『冬の旅』はかなり微妙だった。あまりにモナの行動原理が理解できなかったからなのか、僕が何らかの理由でもなに魅力を感じられなかったのか、はたまた別の理由なのか。よく分からないが、とにかく『冬の旅』はダメだったなぁ。

ただ、1985年に制作された映画であるという点はきちんと踏まえるべきだろう(日本では公開に時間が掛かり、6年後の1991年に公開された)。つまり、今よりももっと「女性の自由」が制約されていた時代の物語というわけだ。そういう時代背景を踏まえて考えると、モナがどれだけ「苦境」としか言いようがない状況に置かれていても、「今の私たちには感じ取れない『自由』がそこにはある」という感覚になるのかもしれない。

感覚としては、「こういう作品をちゃんと『良い』と感じられる人でありたいなぁ」とも思う。ただ、やっぱり、面白くないものは面白くなかった。

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