【映画】「ゴジラ-1.0」感想・レビュー・解説
これはなかなか良かったなぁ。正直、観る予定じゃなかったんだけど、ちょうど「観る予定の映画」が無くなって、『ゴジラ-1.0』『首』『ナポレオン』のどれにするか考えてゴジラを観た。ストーリー的には「まあそうなるよね」って感じだったし、ベタっちゃあベタな物語なんだけど、ベタだからこそ分かりやすく感動できる物語だし、全体的にはとても良かった。
物語は、1945年の大戸島から始まる。特攻機が故障した際の不時着地になっていたこの島に、敷島浩一が降り立つ。整備士の橘からは「故障箇所が見当たらない」と指摘されるが、別の整備士からは、「負けるのは確定なんだし、わざわざ死ぬことはない」と声を掛けてもらえたりした。
その大戸島に、謎の巨大怪獣が現れた。現地住民から「ゴジラ」と呼ばれているそうで、深海魚が海面に浮かぶ日に決まって現れるのだそうだ。為す術もなく隠れる敷島と整備士たち。その時、島にあった零戦の機銃の先にゴジラがやってくるのを見た橘は、敷島に「あれを撃ってゴジラを倒せ」と頼まれる。しかし敷島は結局撃てず、大戸島にいた者は敷島と橘を除いて全員亡くなった。
戦争が終わり、家に戻った敷島は、両親の死を知る。そんなある日、前から男たちに追われた女性が走ってきた。たまたま彼女の通り道にいた敷島は、女性から何かを預かってしまったのだが、なんとそれは赤ん坊だった。そんな縁で、敷島は典子と名乗った女性と共に、戦後の厳しい時代を一緒に生き抜くことになった。
どうしても金が要ると、敷島が見つけてきたのは、復員省お墨付きの仕事。手付金だけでも破格の値段なのだが、相応の理由がある。戦時中に、海中に投下された機雷を処理する仕事なのだ。危険な仕事だと知り敷島を止める典子だったが、「絶対に死ぬわけではない」とその仕事を引き受けるつもりであることを伝える。
「完璧な装備のある船」と聞いていたのだが、目の前にあるのはボロい木造船。しかしそこには理由がある。海には磁気式の機雷も多くあり、金属製の船がその上を通るだけで爆発するのだ。機雷の処理に、木造船はうってつけというわけだ。
戦時中兵器の開発に携わっていた野田、船長の秋津、見習いとして乗っている水島の4人で機雷処理を行っているのだが、そんなある日彼らは、ある特殊任務に駆り出されることになり……。
というような話です。
まず上手いなと思ったのは、物語のかなり早い段階で「ゴジラ」を登場させたこと。本作の場合、「戦後日本で生きる人々の苦労」みたいなものもちゃんと描いているため、もし大戸島でゴジラを登場させなかった場合、ゴジラの初登場が、映画の中盤辺りになることになる。まあそれでも良かったかもしれないが、特にゴジラの場合は「往年のファン」も多いだろうから、「ゴジラ映画なのにゴジラが全然出てこないじゃないか」みたいに感じる人もいたかもしれない。まず大戸島で、ゴジラをきちんと登場させたというのが、物語の構成上、とても良かったなと思う。
あと個人的に感心したのが「わだつみ作戦」だ。つまり「ゴジラを倒すための作戦」である。
映画を観ていて途中から、「これ、どうやって終わらせるんだろうなぁ」と思っていた。舞台は戦後の日本だ。高度な科学技術が無いばかりか、終戦直後であらゆる物資が足りない。そういう中で、出来ることはかなり限られていると言っていいだろう。だから、「ゴジラをどうにかしないと物語が終わらないはずだけど、でもこれ、どうにかする方法あるか?」と感じていたのだ。
物語の中盤以降で、野田が立案した「わだつみ作戦」が説明されるのだけど、これはホント見事だったなと思う。誰が考えたんだろう。オーバーテクノロジーなわけでもなく、ギリギリ「終戦直後の日本」でも可能な作戦に感じられた。恐らく「終戦直後を舞台にゴジラを描く」上での最大の障壁が、「どうやってゴジラを倒すのか」だと思うので、この「わだつみ作戦」がとても重要だったんじゃないかと思う。
しかもその「わだつみ作戦」があった上での最後のあの展開は、それまでの物語の要素をまるっと全部ひっくるめて回収するみたいなところがあって、それも上手かったと思う。いやホント、もちろんVFXが凄い作品なんだと思うけど、ストーリーがちゃんと良かった。もちろん、「単にゴジラが出てきてみんながワイワイするだけの物語」だなんて思ってたわけじゃないけど、思ってた以上に「人間ドラマ」を作り込んでいて、それを「ゴジラ」を軸にちゃんとまとめているのが上手いなと思う。
なかなか良い映画を観れたなという感じだった。
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