【映画】「バグダッド・メッシ 片足のサッカー少年」感想・レビュー・解説
本日2本目の映画。
さて、僕は基本的に「映画は事前情報をほぼ知らない状態で観る」ようにしているし、その方がいいと思っているのだけど、本作に関して言えば、事前情報込みで観た方がより良かったかもしれないなぁ、と思う。というのも、本作の主人公ハムディを演じたアフマド・モハメド・アブドラ自身が、まさにハムディと同じような境遇を持つ人物なのである。
公式HPにはこう書かれていた。
【本作に比類なき説得力を与えているのは、主演のアフマド自身が歩んできた過酷な「現実」だ。彼はわずか5歳の時、テロによって片足と最愛の父を失った経験を持つ。そんな彼が、ハムディと同じく、史上最高と称されるサッカー選手リオネル・メッシへの憧れを胸に、不屈の精神で立ち上がる姿は、単なる演技を超えた痛切なリアリズムを体現している。】
本作を観る上では、この事実は知っておいた方がいいんじゃないかな、と思う。本作の物語は決して事実そのものではないようだが、実際に起こり得ることではあるのだろうし(予告では「イラクでの様々な実話を背景にした」みたいな表記がなされていた気がする)、そしてその上で、主演の少年が主人公と境遇が重なるという状況を込みで考えると、かなりドキュメンタリーに近いような印象になるんじゃないかなと思う。僕はいつものように何も知らずに本作を観たので、正直「凄く良かったな」という感じにはならなかったのだが、「主人公=主演」という捉え方をするとまた印象が変わるなと思う。
それで本作は、ちょっと悪い言い方をすると、「とある事情で片脚を失ってしまったサッカー少年の奮闘を描く物語」と聞いてなんとなく想像がつくような展開の物語だと思う。そういう意味で、物語的にそこまで「うぉ!」となることはない。
ただ、ちょっと普通じゃない設定が2つある。
1つ目は、「ハムディの父親が、アメリカの軍事会社に勤務している傭兵だ」という点である。「アメリカに加担している」という意味で、父親やその家族は「アメリカの犬」「裏切り者」みたいな烙印を押されている。この事実が、本作をちょっと特異的な雰囲気にしていると言っていいだろう。
そしてもう1つが、これは予告でもちょっと使われていたので書いてもいいと思うが、「ハムディが地雷と関わる」という展開が存在することだ。その理由については是非観てほしいが、「いやいや、そんな理由で?」と感じてしまうようなものではある。ただ、ハムディにとってはとても重要なことなのだろうし(にしても無茶しすぎだろと思うが)、だからこそ辛いなぁ、という感じではある。
というわけで、ストーリー的にはそこまでズバッと来なかったこともあって、個人的には「まあまあ」ぐらいの評価なのだが、「こういう現実が実際に存在するのだろう」という点にはやはり圧倒させられるし、また繰り返しになるが「主人公=主演」みたいに重ねて観ることによってまた違った受け取り方になるだろう。
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