【映画】「果てしなきスカーレット」感想・レビュー・解説

いやー、凄かった、空席が。

で、ちょっと異次元に果てしなくつまらなかった。これは酷い。

もちろん酷評なのは知った上で観に行ったから、まったく期待していなかったのだけど、その低い期待さえも下回る感じの作品で、ちょっと凄まじかった。

個人的に、致命的だと感じるポイントは2点。まずはとにかく「セリフが凡庸」だった。これは声を当てた人、大変だっただろうなぁ。あまりにもあまりにもなセリフばっかりで、「マジかよ」ってなった。

なんとなくの予想だけど、映像は一切変えずに、テーマもそのままでもいいや、で、セリフだけ総取っ替えしたら、それなりに観れる作品になるんじゃないかなぁ。とにかく、セリフが聞くに耐えない感じがあった。

で、「セリフが凡庸」という話に関係すると思うのだけど、「テーマを描こうとして、人間を描くことを放棄している」みたいに感じられた。「復讐」というテーマを描きたいのは分かるが、その目的のために、登場人物がなんとも言い難い言動をしている感じがする。それに、登場人物のセリフとして「生きるとは何か?」「復讐に意味などあるのか?」みたいな(正確ではないが)セリフが出てくるので、「いやいや、そういうことを直接的に言わせちゃダメじゃない?」と思った。

で、もう1つの致命的なポイントは、「死者の国での復讐って何?」ってところである。主人公のスカーレットは、早々死ぬ。で、「死者の国」的なところに行くのだけど、そこに「生前には果たせなかった仇がいる」と知って、死者の国で復讐を果たそうとする、という話なのだが、「???」という感じである。「何言ってんの?」という感じじゃないだろうか? 

なんというのか、個人的な意見では、「『復讐』を描くために『死者の国』を舞台にした必然性」みたいなものが全然感じられなかった。まあ、特異な舞台設定にしたことで、「看護師」という、16世紀のデンマークを生きていたスカーレットとは交わるはずのない人物が出てきたりもするわけで、そういうことがやりたかったのかな、とは思うが、それにしたってその設定が物語全体にプラスの寄与を成しているようには思えなかった。

さらに言えば、物語のほとんどが展開される舞台である「死者の国」に関する設定の描写が全然なく、だから「何でもアリ」みたいな世界観の中で物語が展開されることになる。

これがジブリアニメなら「設定の描写がない」とか「何でもアリに思える」みたいなことはマイナスにならない。そういうブランディングをしてきたこともあるし、あるいは、「はっきりとは描かれてはいないが、そういう設定・展開であることには何か意味があるのだろう」と感じさせるような雰囲気があったりもする。

しかし本作では、「死者の国での復讐」という明確なストーリーラインがあるのだから、「そのストーリーラインを分かりやすく見せる」という目的のために設定の説明は必要じゃないか、と思う。本作では色んなことが起こるが、「都合の良い時に都合の良いことが起こるな」みたいな印象にしかならないし、しかも、「結局こいつら死んでるんだろ?」みたいな感じにしかならないので、個人的には面白さが良く分からなかった。

良かった点を上げるなら、まず格闘シーンは結構迫力があった気がする。エンドロールを見ていたら、「アクション監修」みたいな表記で「園村健介」の名前があって「おー!」ってなった。映画『ベイビーわるきゅーれ』のアクション監督の人だ。いやはや、やっぱりこの人凄いな。

あとは、芦田愛菜の演技は良かったなぁ。セリフが酷すぎて、物語におけるスカーレットの印象は別にそんなに良くないのだけど、「芦田愛菜は上手いなぁ」という感じだった。さすが。しかしホント、この才能をもっとちゃんとした作品で発揮してほしかったなと思ってしまった。

そんなところかなぁ。エンドロールを見ていたら、錚々たる役者が声優を務めていたけど、正直その甲斐がまったくなかったというか、繰り返し書くけど、とにかくセリフが酷すぎるから、声が良いとか演技が上手いみたいなところに辿り着けない。
 
あとはとにかく、渋谷(だよな)で踊るシーンは謎すぎて、せめてあの部分はまるっとカットしてほしいな、と思った。意味がわからなすぎる。
 
というわけで、さすがにこれは酷評するしかない作品だなと思う。とはいえ、これほど大金を掛けた駄作を観る機会もなかなかないと思うので、そういう受け取り方をしておくことにしよう。

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