【映画】「逆転のトライアングル」感想・レビュー・解説
設定は抜群に面白いと思った。世界中の富豪が集まる豪華客船が沈没し、乗客の一部が無人島に漂着、そこで、「サバイバル能力抜群の掃除係」が生存者のキャプテンとして振る舞うという、ヒエラルキー大逆転映画だ。とても面白そうだろう。
そして意外なことに、僕としてはこの映画は、「沈没する前」の方が面白かった。沈没し、無人島に漂着してからの物語は、思ったほどではなかった。
漂着する以前の物語は、大きく2つに分けられる。
1つは、カールとヤヤというカップルの物語だ。カールは、モデルとしてオーディションを受けているが、まだまだ売れているとは言えない。一方のヤヤは、インフルエンサーとして絶大な人気を誇っている。そんな2人が「レストランの会計」で揉めるところから物語が始まる。
さてその後、カール・ヤヤのカップルを乗せた豪華客船の話へと移る。その乗客が、まあややこしい。このややこしい面々の物語がなかなか面白い。中でもインパクトがあったのは、大富豪の妻が、お世話してくれていた女性乗務員に、なかなか珍しい「無理難題」を突きつける場面。そのせいで、「キャプテン・ディナー」が30分遅れたほどだ。
さらに、その船長がまた曲者で凄い。っていうか、マジでこの船長は謎すぎた。今振り返ってみると、「共産主義のやり取り」を描くためにあの船長が必要だったのかな、と思う。共産主義に関するやり取りは、まあ面白かったけど、でも長かった気もする。
とにかく、漂着してからの物語よりも、豪華客船上の物語がイカれすぎてて、それはそれで面白かった。
あと、これは物語の構成的にアリなのかよく分からないが、漂着してからキャプテンになるトイレ係のアビゲイルが、漂着するまでほぼ描かれない。若干映るが、ホントにちょっとだけ。後半で突然主人公に躍り出るわけだけど、それでいいのか? と思う。もうちょっと、先にアビゲイルを出しておく方が良かったのではないか、と。
あと、映画のラストは、「えっ、そこで終わるの?」と思った。正直、なんともよく分からない感じがあった。ヤヤが見つけたものはホントにあったのか? ヤヤは元々何を目的としていたのか? 最後のカールの行動は?
思っていたよりは、ちょっと微妙な作品だった。
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