【映画】「ぼくらのふしだら」感想・レビュー・解説
思ってたより面白かった。
この映画をどうして観ようと思ったのか、ちゃんとは覚えていないが、予告を観た時に、あまりにも無茶苦茶な設定で、ちょっと面白そうだなと思ったのだと思う。あと、メガネを掛けた主演の女の子のビジュアルが結構良かったこと。あとは、普段なら20:40から始まる映画は観ないけど、たまたま時期的にタイミングが良かったこと。まあそういうことが色々あって観てみることにした。ちなみに、今日2本目の映画。
物語は、主人公の結城美菜実が喘ぎながらオナニーか何かしているところから始まる。そこにやってくる、悪魔だか天使だか分からない謎の存在・ササヤキ。ササヤキは、「欲しくない?時間」と結城に話しかけ、そうして結城に「時間停止能力」を与えた。彼女は、好きな時に好きなだけ時間を止めることが出来るようになった。
しかし代償もある。その能力を手に入れたことで結城は、「時間を止める度に性欲が高まる」という身体になってしまった。ササヤキは、「最も望むものと、最も不要なものを同時に与える存在」なのだそうだ。
母を亡くし、禄に働いていないように見える父親と2人暮らし。高校では副会長に選ばれるもの、生徒会長に選ばれた幼馴染・安斎ちかに嫌味を言われたり、学校での成績も芳しくなかったりと、彼女は様々な劣等感を抱えて生きている。しかし、時間停止能力を手に入れたことで、結城は様々な場面で”無双”出来るようになり、劣等感も少しずつ解れていっているように見えた。
しかし、やはり「代償」が大変だった。彼女の太ももには、恐らく彼女にしか見えない「カウンター」の数字が表示されており、その数値が彼女の「性欲の高まり」を示している。数字が高くなればなるほど性的欲求を抑えられなくなり、頭がおかしくなりそうになるのだ。
それで結城は、近くに住む幼馴染で、不登校の鏑木信一を頼ることにした。信一が結城のことを好きなことを利用して、「性欲処理」のために便利に使っているのである。ただ信一は何故か、「SEXは出来ない」と言う。それでも結城は、もはや一人では処理しきれなくなった性欲を、信一との触れ合いの中で解消していくのだが……。
予告を観た時から思っていたのだが、「この設定で、どうやって物語を閉じるんだろう?」と、やはり映画を観ながらずっと思っていた。結城がササヤキから得た能力は決して不変のものではなく、ササヤキは「要らないなら返してもらっていいぞ」みたいに言う。ササヤキは別に、能力の返却の代償として何かを要求するとかでもないようだ。ササヤキの動機は謎だが、とにかく結城は「自ら望めば、時間停止能力を手放すことが出来る」という状況にある。
ただ彼女は、能力を返さないことに決める。まあそれは、物語の進行上当然の判断だと思うが、しかしじゃあここから物語をどう展開させるんだろう? と思っていた。着地させようがないように思えていたからだ。
でも、その辺りの着地のさせ方は、個人的には結構「なるほどな」という感じに思えた。メチャクチャ上手いとは思わないが、与えられた条件の中で結構ちゃんと着地させていると思う。
そして、そのラストの展開によって、「どう考えてもエロ的な要素を追加するためでしかないだろ」と思っていた「性欲の高まり」という設定が、あながちムチャクチャでもないというか、最後そういう展開になるなら確かに必然性がなくもないな、という感じがして、そういう意味でも全体のまとまりが悪くなかったなと思う。
あと、映画を観ながら面白いなと感じていたのが「時間を止める能力の使い方」である。いや、そんなに奇想天外な使い方でもないのだけど、僕は観ながら「なるほど、そう使うのか」と感じたし、それによって後半、ちょっとホラーチックな展開になっていくのもなかなか面白い。
あと、原作マンガではどんな描写になっているのか分からないけど、映画ではササヤキが「普通の人間の姿」をしていて(ササヤキを演じているのは、「かれしちゃん」という名前のコスプレイヤーだそうだ)、それも全体を良い感じにまとめていた気がする。ササヤキが異形的な存在として出てくると、あまりにもリアリティに欠ける物語がさらにリアルさを失ってしまう感じがするのだけど、ササヤキが「謎ながら、それでもまだリアルっぽい存在」として描かれていたから、設定だけ聞くとムチャクチャ過ぎる物語がなんとか成立していた気がする。「かれしちゃん」の雰囲気も「人ならざるもの」っていう感じで良かった。
まあ正直、そんなに期待して観に行く映画ではないと思うけど、そこまで期待せずに観れば結構面白く受け取れるんじゃないかと思う。あと、とにかく公開館が凄まじく少ないので、気になっている人で観れる環境にある人はお早めに。
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