【映画】「天気の子」感想・レビュー・解説

面白かったなぁ。「これ!」という何かを描いているのか、と言われると、別にそんなことはないんだけど、エンタメとしてメッチャ面白いんだよなぁ。

とにかく、そこまで異質な設定の物語ではないんだけど、この先どうなるんだろう、というワクワク感が強い。描かれてるのがどの街のどこなのかはっきり分かるぐらい「日常」を舞台にしているし、出てくる登場人物だって、100%晴れ女はともかく、みんなどこにでも居そう。徹底的にはっきりと地に足のついた僕らに馴染みのある世界を舞台にしているのに、どうしてか、普通じゃないことが起こりそうなワクワク感がある。

それはもちろん、細々とした小道具に拠る部分もあるだろう。例えば、冒頭で拾った拳銃。例えば、冒頭で見かけたバスの中の小学生。例えば、拳銃は、穏やかそうな物語の中で不穏な雰囲気を醸し出すし、バスの小学生が後々物語に絡んでくるみたいな細かい描写があるから、どのシーンも油断出来ないような気にさせられる。

しかしやっぱり、一番大きな理由は、この映画のテーマだろう。「天気」というのが果たして、どんな風に少年少女たちの物語に絡んでくるのか、基本的には予測できない、という部分に、このワクワク感の正体があるように思う。

いつでも晴れに出来る少女が、一体何をして、どうなっていくのか。ここが物語の核で、この核となる部分が、やっぱり凄くいい。核となる部分の設定・展開が凄くシンプルで分かりやすいし、全体のストーリーがそこからブレない。いろんなサイドストーリーはあるんだけど、それらは「サイドストーリーである」ということが明確だし、主軸のストーリーをいろんな形で補強しているのも良いなと思う。

また、全体的に割と重いテーマも扱っている、というのも良かった。なんとなく「キレイなお話」っていうんじゃなくて、生きていく上で避けられないこともある現実が結構盛り込まれてる。ネタバレにならない範囲で伝えるのが容易な部分は、雨ばかり続く世界で災害なんかが起こる、みたいなことだけど、それだけじゃなくて、登場人物それぞれが、個人的な、でも社会や制度と無関係ではいられないような問題を抱えていて、それら全部がうまくいかない、ということの象徴として、永遠に止むことのない大雨、というものが置かれているようにも感じた。

いろんな物語が重なり合って、最終的にみんなで一つの目標に向かって全力を出す!みたいなのは、まあよくある展開なんだろうけど、よくある展開なんだろうからやっぱり単純に良いなって思っちゃうし、ワクワクしたし、ウルウルもしましたね。

まあ僕が言っても言わなくても、見ようと思ってる人は見るだろうし、見ようと思ってない人は見ないだろうけど、面白いと思うんで観てみてください

(しかし、謎の水の塊は、なんだったんだろうなぁ…)

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