【映画】「マスカレード・ホテル」感想・レビュー・解説

やっぱり東野圭吾は面白い話考えるよなぁ!お見事!って感じのストーリーテリングでした。

舞台は、ホテルコルテシア東京。ここに、刑事が集められた。何故か。理由は、このホテルで殺人事件が起こることが判明したからだ。
実は少し前から、東京で連続殺人と思われる事件が発生していた。被害者同士の繋がりはまったくなかったが、現場に同じような暗号が残されていた。その暗号を解読すると、次の犯行現場はこのホテルコルテシア東京であることが分かったのだ。
刑事は、ホテルに潜入捜査をすることにした。刑事をホテルマンに扮して配置するのだ。刑事である新田は、フロントに配属されることになった。帰国子女であり、唯一、英語が出来るからだ。しかし新田はフロントマンにはまったく向かない男だった。ガサツだし、横柄だし、それに刑事であるが故に当然、疑り深い。新田の教育担当になった山岸は、「人を疑うのが刑事の仕事なら、ホテルマンのしごとはお客様を信じることです」と言い、ホテルマンらしからぬ行動を取る新田と始終ぶつかり合うこととなった。
ホテルには様々な客がやってくる。とんでもないクレームもあるし、謎めいたお客さんもいる。盲目を装って実は目が見えているとしか思えない老女、ストーカーの影におびえる女性、新田だけに無理難題をふっかける中年男性…。新田は、ホテルマンとして様々な問題に対処しながら、同時に、怪しい客をチェックしていく。殺人事件の捜査は遅々として進まないが、新田のかつての相棒だった所轄刑事の能勢の協力を得ながら、不可解な事件の驚くべき謎を解き明かしていく…。
というような話です。

いやー、よく出来てますね。原作は読んでませんけど、これは原作がちゃんと面白いんだろうなぁ、と感じさせる映画でした。

まず、ミステリの核となる謎の部分が面白い。この部分については詳しいことは書けないけど、色んな要素が絡まり合って、なるほどそう展開するのか、なるほどそれが伏線だったか、みたいなことが非常によく出来ていると思います。まあいくつか、それは警察が調べれば早い段階で分かるんじゃないかな???とか、それはさすがに警察が捜査しても難しいんじゃないかな???と感じる部分はあったけど、そんなに気になるような部分ではないと思います。

あと、ホテルを舞台にするという設定と、そのきっかけがうまいと思いました。普通、事件がここで起こるなんてことは先に分かることはないわけですけど、今回は、なかなかうまい設定を使って、それが実現しています(しかもそれは、決して、ホテルを舞台にするためだけの仕掛けではなくて、事件全体にもちゃんと意味を持つものなんだけど)。そして、「ホテルに刑事が潜入する」という設定が、物語全体を面白くしていると感じました。「人を疑う刑事」と「お客様を信じるホテルマン」という、まったく異質な存在が協力しなければならない、という状況の中で、お互いの存在がうまくプラスの相乗効果を生むような場面も結構描かれていて、ホテルを舞台にすることによって面白さが引き出されているなぁ、という感じがしました。

そして、刑事がホテルマンに扮するという、普通あり得ない設定が、ある種の成長物語にもなっている、という部分も面白いと思います。新田(木村拓哉)は、最初はホテルマンとしてまったくやる気を見いだせなかったけど、山岸(長澤まさみ)と一緒に働くことで、少しずつ考え方が変わっていきます。最初は、「客の言っていることに全部応えるのなんか間違ってる」と思っているのだけど、次第にその気持ちが融解していくことになります。お客様にも色んな事情があり、表面からだけでは分からない様々なものがあるのだと呑み込めるようになっていきます。あくまでも新田は、最後まで刑事なわけですけど、ホテルマンとしてどうあるべきか、という視点を自然と持てるようになるという物語の流れが、成長物語としてとても良くできていると感じました。

しかし映画を見ながら、僕にはホテルマンは無理だな、と思いました(笑)。たぶん働いている間、ずーっとイライラしていると思います。今も接客業ではあるんですけど、全然お客さんのために、という感覚を持てないでいるので、ホテルマンの人は凄いな、と思いました。

あと、エンドロールに「明石家さんま(友情出演)」って書いてあったんですけど、まったく分かりませんでした(笑)。ネットで調べると、気づく人は気づくかもしれないけど、みたいなレベルでどっかに映ってるみたいです。これから見る方は気にしてみるのも面白いかもしれません。

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