【映画】「デンジャラス・アニマルズ 絶望海域」感想・レビュー・解説

これはマジで面白かったなぁ! サメ映画なんだけど、サメ映画じゃなくて、でもサメ映画だった!(意味分からないだろうけど、観たら分かるはず)なんにせよ、「デンジャラス・アニマルズ」っていうタイトルが完璧すぎるな。

物語はシンプルなんだけど、どこまで書こうか悩む。悩みつつ、ちょっと内容の紹介を始めていこう。

本作は冒頭から、ヤバさは結構フルスロットルである。ある男女(カップルではないらしい)が「タッカーの体験ツアー」にやってきた。なんの体験かと言えば「サメ」である。ケージの中に入って、海を泳ぐサメに囲まれながらスリルを味わうというものだ。ヘザーは、体験前は「何でこんなところに来ちゃったんだろう」と不安げだったが、グレッグに励まされていざケージの中に入って体験してみると、その素晴らしさに感動していた。

のだが、2人がケージから上がると、船長のタッカーがナイフでグレッグの腹を刺し、そのまま海に突き落としてしまった。

え???

ここで場面は切り替わる。主人公はゼファー。キャンピングカーを拠点にサーフィンをする女性だ。過去の辛い経験を振り落とそうと、アメリカからここオーストラリアやとやってきた。

ちょっとしたきっかけで出会った、地元の不動産業者でありサーファーでもあるモーゼズと意気投合し、2人は一夜を過ごす。ただ、ゼファーは「陸には私の居場所はないの」と言って、寄せ付けない雰囲気を醸し出す。そして実際、朝食を作ったモーゼズがキャンピングカーまで届けようと思った時には、もうゼファーの姿はなかった。

ゼファーは早朝の海にやってきていた。モーゼズには「早朝は良い波が来るの」と連絡したのだが、実際はモーゼズの元から離れたかっただけだろう。彼女はまだ暗い中、サーフィンの準備を始める。しかし昨夜モーゼズのところにフィンキーを落としてしまっていた。彼女は近くに停まっていたトラックの荷台から「フィンキーを借りたいだけなんです」と近くにいるかもしれない持ち主に聞こえるように声を出しながらフィンキーを探していた。

すると、トラックの持ち主が姿を現した。そして、「たくさんあるからあげるよ」とフィンキーをくれたのだ。良い人。こうして彼女は、サーフィンをする準備を整えたのだが……。

というような話です。

まず、冒頭でグレッグがナイフで刺された時は、マジで「えっ?」って声が出たなぁ。「どゆこと?」って感じだった。そしていきなりの場面転換。この時点では正直、「ダメな映画引いたかなぁ」という感じだった。

のだけど、そこからまあムチャクチャな展開というか、「いやいや、それは無理ゲーやろ」みたいな状況が始まって、個人的にはそこから一気に面白くなっていった。

正直、本作を「サメ映画」として観ると肩透かしを食らうんじゃないかなと思う。サメ映画であることは確かだが、サメ要素は正直薄い。サメは重要な存在として登場するのだが、「サメよりヤバい奴がいる」という状況の前では、やはりサメは霞んじゃうよね。

そう、本作では、船長のタッカーがとにかくイカれているのだ。サイコパスのシリアルキラーである。船長はサメについてあれこれ講釈を垂れていたが、結局のところ彼にとってサメというのは「人を殺すための手段」にすぎない。

そんなヤベェ奴に捕まってしまった者たちの運命を描く物語である。

さて、物語のセオリーとして明らかに理解できることだと思うのでこれは書いてもいいと思うのだが、最終的には「ハッピーエンド」と言っていいだろうラストになる。のだけど、「どう考えても無理じゃない?」という状況であり、だから観客としては「この不可能状況をどう打破するのか?」みたいな点に注目して物語を追っていくことになるだろう。

で、まあこれは致し方ないとは思うのだが、本作では「逃げては捕まり、逃げては捕まる」みたいな展開が繰り返される。まあ、物語の設定上避けがたい展開だと思うし、そういう制約の中ではかなり頑張って物語を展開させてると僕は感じたが、このような展開を「退屈だ」と感じる人もいるだろう。そこは好みが分かれるところかなと思う。

しかし、ゼファーはホントに頑張ったなという感じだ。とにかく、諦めない。ゼファーが囚われた時、同じ部屋にヘザーもいたのだが、ヘザーは結構諦めてしまっていた。まあ無理もないだろう。船は沖合からかなり離れたところにあるし、しかもその船内の地下の防水室みたいなところに閉じ込められているのだ。仮に手錠の拘束が解けたところで、その後どうにもならない。海にはサメがうようよいるのだ。泳いで逃げるってわけにもいかないだろう。僕も同じ状況なら、諦めちゃうだろうなぁ。

そんな不可能状況にゼファーがどう対処するのか。船長の本性が明らかになってからはずっとそういう闘いを描き出している物語で、最後までノンストップに展開されるので面白い。

さて、本作ではナイフで刺されたりサメに食われたりと「痛いシーン」が色々出てくるのだが、そういう中で僕が一番「痛い!」と感じて目を細めてしまったシーンがある。「自分の◯◯を自分で◯◯するシーン」だ。これは痛い。久々にこんな「うわー!!」となるような痛いシーンを観たなぁ。メチャクチャインパクトのあるシーンだった。

まあ正直色々粗はあるだろうし、マンネリな展開に飽きる人もいるだろうし、「サメ映画じゃねぇじゃねぇか!」みたいな人もいるとは思うが、個人的にはメチャクチャ楽しめた。難しいことを考えずにエンタメを楽しみたいみたいな時には結構いいんじゃないかな。


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