【映画】「ドミノ」感想・レビュー・解説

とても面白かった。ただ、言いたいことが伝わるか分からないが、「面白いだけだった」という感じもする。これへ僕の問題だが、「思考が刺激されない作品」は、どれだけストーリーが面白くても、「面白かったよね」で終わってしまう。本作も、映画が終わった瞬間、「うん、だから?」と感じてしまった。ストーリーはちゃんと理解できているつもりだ。その上で、「うん、だから?」なのである。

いや、ホント、ストーリーはとても面白かったのだけど。

物語は、警察の作業療法部門の一室で始まる。カウンセラーから声を掛けられてまどろみから覚めた主人公の刑事ダニーは、公園で一瞬目を離した隙に、一緒に遊んでいた娘のミニーの姿を見失ってしまった。事件は広く報じられ、娘の誘拐に関与したと思われる男も逮捕されたが、娘の行方は分からないままだ。逮捕された男は「誘拐の時の記憶がない」と語り、一方、娘の遺体が見つかったわけでもない。ダニーはその件で、カウンセラーと話をしていたのだ。

「復帰しないと正気を保てない」と職務に戻ることにする。すぐに相棒のニックスから、銀行強盗のタレコミの電話の件を聞く。特定の貸金庫だけを狙った銀行強盗が頻発しているそうなのだ。ダニーは監視カメラの映像で怪しい男を見つけると、首尾よくその男よりも先回りして貸金庫の中身を奪い取る。

銀行の外では奇妙なことが起こっていた。ダニーが怪しいと睨んだ男をマークしていると、その男と喋った者たちが一様に奇妙な行動を取るようになるのだ。ダニーはその男を屋上で追い詰めるのだが、彼を逮捕しようとした警官に「人違いだ」と呟くと、警官は何故か振り向き、銃をダニーに向けた。その後、謎の男は屋上から飛び降りるのだが、地面に男の姿はない。

何が起こっているというのか。

ダニーはその後、ニックスからある連絡をもらう。銀行強盗のタレコミをした者の住所が特定されたというのだ。ダニーはそのまま、占い師として店を開いている女の元へ向かう。ダイアナというその女を問い詰め、謎の男の正体を聞き出すことが出来た。

彼は、ヒプノティックという、催眠術のような手法で相手を操る能力者なのだという。ダイアナは以前、「機関」と呼ばれていた組織に彼と属していたことがあるのだが、今は組織から抜けたのだという。

実は、先回りして手に入れた貸金庫の中身は、なんと娘ミニーの写真だった。どうしてこれを、ヒプノティック使いの男が狙ったのか。一体何が起こっているのだろうか。

やがてある事情から、ダニーとダイアナは警察から追われる身となる。彼らは、謎の男の追跡を掻い潜りつつ、状況の把握と打開策の模索のために奮闘するが……。

というような話です。

繰り返すが、物語としては面白かった。「ヒプノティック」という壮大な嘘以外は現実世界の範囲内で物語を描いていて、あとはだから「ヒプノティック」の使い方が許容できるか、面白がれるか、という話になるだろう。

中盤以降、ストーリーが複雑になる(というか、「今これどういう状況なんだ?」と考える時間が増える)ので、アクションとか観て「あー面白かった!!」みたいに感じたい人にはちょっと向かないかもしれないけど、「ストーリーが面白い映画」としては、悪くはないと思う。

しかしとにかく、冒頭20分ぐらいの「訳分からなさ」は結構ワクワクしたなぁ。「ヒプノティック」なんて話を持ち出さずに、これに合理的な説明をつけられたら、メチャクチャ面白い物語になるだろうな。それぐらい、冒頭はとにかく「何が起こるんだろう感」が強い。

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