【映画】「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」感想・レビュー・解説

さて、「攻殻機動隊の設定を知らないから分からないんだろうなぁ」とか思ってたんだけど、Wikipediaによると、本作は「漫画の1巻を原作とする」って書いてあって、「マジか」ってなった。にしては、説明なさすぎじゃないか? 結局僕は「ゴーストって何なん?」って思ったまま映画を観終えたんだけど。「知らないからしょうがないか」と思ってたけど、そうじゃないとしたら、余計難しい作品だな。これは大変だ。

というわけで、あんまりちゃんとは理解できていない。

まずはざっくりとした紹介から始めよう。

舞台は、「企業のネットが星を覆っているが、それでも、国家や民族が消えて無くなるほどには情報化が進んでいない未来」だそうだ。そしてそんな世界では、公安警察の一部は自身の身体をサイボーグ化している。主人公の草薙素子もその1人で、恐らく彼女は、脳以外の身体はすべてサイボーグ化しているのだと思う。作中、「水の中は怖くないのか?フロートシステムが作動しなかったら死ぬぞ」というセリフがあるのだが、これは身体全体がすべて機械化されていて浮力が働かないという話なんだろうなと思う。

草薙(少佐と呼ばれている)は、認定プログラマーを亡命に見せかけて連れ去ろうとした外交官を殺害するなど、表沙汰に出来ない任務を遂行している。バトーやトグサといった公安9課の面々と日々任務に当たっている。

そんなある日、外務大臣の通訳が電脳をハッキングされる事件が起こった。ここ最近、他人の電脳をゴーストハックすることでその人物を人形のように自在に操るという事件が頻発しており、その背後に凄腕のハッカーの存在が噂されていた。素性はまったくの不明で「人形使い」というコードネームで呼ばれている。人形使いの仕業と思われる事件は様々に起こるが、実行犯は皆ゴーストハックされていただけで何も覚えておらず、手がかりが掴めない。

そんなある日、謎の義体が公安9課に運び込まれたのだが……。

というような話です。

まず、普段こんなことあまり思わないのだが、音楽(劇伴)が良かった。なんて言ったらいいのかよく分からないが、民族音楽?みたいな音楽が随所で流れる。本作は明確に「近未来SF作品」であり、普通に考えればミスマッチな感じがするんじゃないかと思うが、絶妙な違和感というか、SF的な大都会の背景描写に妙に合うというか、なんか不思議な感じだった。普段全然音楽には意識が向かないのだけど、これはかなり良い挑戦だったような気がする。

ストーリー的には、全体的に「自分の存在を規定するものって何?」みたいな哲学的な思考がベースにあったように思う。サイボーグ化していることで「脳以外の肉体はすべてオリジナルではない」という状態にある草薙素子は、しかし自身もそして周囲からも「草薙素子」と認識されていると思う。

一方で、これはラストの方の展開になるので詳しくは触れないが(まあ、触れられるほど理解も出来ていないのだが)、「そもそも生命の定義って何?」みたいなところから展開される話がある。生命はDNAという情報の集まりであり、だからAI的な存在を「情報の集まりだから生命ではない」と切り捨てるのはなかなか上手くない。まあ作中では、ある方向からの答えらしきものが提示され、それを踏まえて「最後の展開」が繰り広げられるわけだが、この展開もまた「自分の存在はどのように規定されるのか?」という問いかけになっていると言えるだろう。

ちなみに、ある場面でトグサが草薙に「どうして俺を本庁から呼び戻したんだ?」みたいに聞く場面があるのだが、これに対して草薙が「トグサはほとんど生身の人間だから」と返していた。トグサはほぼサイボーグ化していないらしい。サイボーグ化している場合、基本的にある企業の規格に沿った製品を皆が使うことになるわけで、だから、その製品をダメにするウイルスなんかが出てきたら皆一発でやられてしまう。そういう時に、ほぼ生身の人間であるトグサのような人間がいるとリスクヘッジになるというわけだ。ストーリー的には対して意味のあるシーンではなかったが、彼女のこのような感覚はなかなか面白いなと感じさせられた。

1995年の映画で、今から30年前だけど、映像的には現代と遜色ない感じがする。もちろん今のアニメ映画の方がより高度だろうが、30年前にこれを作ったということを考えると相当凄いことなんじゃないかなと思う。アニメのことは詳しくないので分からないが。

するっと理解できる話ではなく、しかも「to be continued」みたいな感じで終わるので(もちろん漫画の1巻を原作にしているならそうなる)、「ここからどうなるんだ」みたいなモヤモヤはあるが、一応話としてはまとまっているかという感じ。なかなか難しかったけど、それなりには楽しめたかな。


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