【映画】「勝手にふるえてろ」感想・レビュー・解説
うぉーーーー!!!
超良かった!
メチャクチャ良かった!
松岡茉優も良かったし、江藤良香も良かった!
メッチャ良かった!
テンション上がる~~
(注 僕は、この映画を見る前から松岡茉優が好きだし、本書の主人公である江藤良香みたいなこじらせ系の女性が好きなので、正直、この映画を客観的に捉えられているとは思いません)
『私ごときが求め過ぎちゃダメなんですよね。手の届かないものばっかり欲しがって。本能のままに生きるなんて野蛮』
こういうことを書くと、うわぁって思われるような気もするんだけど、僕は、普通っぽく見えるのに、っていうかむしろ平均的な女性よりもスペック(この単語は好きじゃないけど、他に適切な単語が見当たらない)が高そうなのに、何故か自己評価が低い女性に興味がある。
そういう女性は、普通の仮面もちゃんと被って生きていられるので、その仮面に気づかない相手に対してはごくごく一般的な接し方が出来る。明るいし、楽しく話すし、友だちたくさんいるリア充です、みたいな雰囲気さえ出すことが出来る。だから、一般の人たちは、自分の周囲にそういう女性がいることに気づかないままであることが多い。
僕は、比較的にそういう女性が仮面を脱いで接してくれる関係になることが出来た(と思っている)。僕は普段から、どんな話をされても何でも受け入れますよ感を周囲に出している(つもり)なので、仮面を脱いだ姿を出しやすいという部分はあるかもしれない。もちろん僕自身も、そういうタイプの女性に関心があるということを、会話の流れの中で発言したりもするので、そういうこともあって、一般的な人にはきっと見せないのだろう、仮面を脱いだ姿で接することが出来る女性が時々現れる。
そういう人の話を聞くのは、本当に楽しい。
『そう初めてあの時自分から話しかけちゃったんですよ。あぁ本能側の人間に成り下がっちゃったって』
自分に自信を持つことが出来ない理由を、少なくとも僕は外形からは捉えられない。そういう人は、容姿も整っていたり、誰とでも喋れるコミュ力があったり、友だちも多そうなんだけど、何故だか自信が持てないでいる。相手の反応をことごとく悪い風に捉えるし、自分なんかが…という発想を捨てきれないでいる。僕は、どうしてそういう感覚に陥ってしまうのかを、その人の会話からなんとなく想像してみたいと思うんだけど、ちゃんとは捉えきれない。僕自身も、どちらかと言えば自信がない側だから、もちろん共感できる部分もたくさんあるんだけど、でも、そこまで自分のことを悪く考える必要はないんじゃないの?と感じてしまう部分もあって、とても不思議な感じがするし、こういう言い方は良くないのかもだけど、興味は尽きない。
彼女たちも、自分が普段隠しているそういう部分を表に出すことが良い結果を生まない、ということはちゃんと理解している。だから、仮面で隠しているのだ。平均よりもスペックが高い(と少なくとも僕は思っている)から、自分のマイナス面を出すと、「持っている者の贅沢な悩み」みたいな受け取られ方をされてしまうんだろうと思う。そういう経験を経てきているから、皆仮面で覆って見えないように頑張っているのだ。
ある女性は、僕とよく「死にたい」というような話をしていた。お互いに遺書を書いたことがあるという話で盛り上がったりしていたのだけど、ある時その女性は、「他の人にはこんな話が出来ない」と漏らしていた。「死にたい」みたいな話をすると、「えっ、何があったの?」「大丈夫、相談に乗るよ」「ダメだよ、死んじゃ!」みたいな反応が返ってきてしまう。別にそういう反応を求めていない(と僕はわかっているので、そういう反応を返さないのだけど)のに、なんか大事になっちゃうからそういう話は出来ない、というようなことを言っていた。そうだよなぁ、そういう難しさもあるよなぁ、と思った記憶がある。
また、今でも強烈なインパクトを憶えている、こんな印象的なことを言っていた女性もいた。その女性も自己評価が低かった(とはいえ、口調や言い方なんかだけ見ると、強そうな女性っぽいのだけど)。何かの時に、告白されたことがあるか?みたいな会話になったのだけど、その時にその女性は、「私は自分のことが好きじゃない。クソみたいな人間だ。で、そんなクソみたいな人間を好きだと言っている人間は頭がおかしいんだから、そんな人間の好きになれるはずがない」と言っていた。先日、あることで長年悩んでいるという女性にこのエピソードを話したら、「それは私が7年掛けてたどり着いた結論だ!」と非常に強く共感された。
そんなわけで僕は、これまでに、良香みたいな女性には、結構会ってきたと思っている。だから、良香のような女性を、非常にリアルなものとして捉えることが出来るのだ。
この映画を見る上で、良香のような女性の実在を大前提として受け入れることが出来るのかという点は、非常に大きなポイントだろうと思う。
この映画の原作で、主人公の江藤良香がどんな設定として描かれているのか分からないが、少なくともこの映画では、松岡茉優を起用している時点で江藤良香は「地味ではあるが容姿は良い女性」と受け取られるだろう。で、良香のような女性の実在を受け入れられない人(特に男に多いのではないか、と想像しているのだけど)は、「なんであんなにキレイなのに、あんなに捻くれてるんだ?あんなヤツいるわけない」と感じてしまうのではないか、と勝手に思っている。そうなってしまうと、この映画そのものを受け入れにくくなってしまうだろう。
僕の感覚で言えば、良香のような女性はどこにでもいる。普段はそうは見えないから、見破るのは難しいし、僕も近くにいるすべての女性の仮面の奥を覗けるわけではないから、そう考えると、僕が今まで出会ってきた以上にそういう女性が周りにいるということになる。10年間も脳内彼氏がいる、という設定にどこまで共感できるのかは分からないが(しかし、二次元キャラにリアルに恋をする女性も多いし、受け入れられやすい時代だろうとは思う)、少なくとも良香の性格的な部分に強く共感してしまう女性は、結構多いんじゃないかなぁ、と思っている。
内容に入ろうと思います。
経理として働く24歳のOLであるヨシカは、中学の頃から好きな「イチ」という「脳内彼氏」がいる。24年間、実際に彼氏がいたことはないが、中学の頃の「イチ」を何度も何度も脳内に召喚しては、その妄想に耽っている。とはいえ、中学時代も、「イチ」と深く関わっていたわけではない。ヨシカが編み出した「視野見」という、目の端で「イチ」を捉えることで「イチ」に見ていることに気づかれないようにする、というやり方で、ほとんど接触がないままだった。しかし、ごく僅かに存在する印象的だった出来事は、何度も何度も思い出してはキュンキュンしている。
ヨシカはインドア派で、絶滅した動物が好き。好きが高じて博物館払い下げのアンモナイトの化石を買ってしまうぐらいだ。職場と家の往復で、特に何があるわけでもない。
会社では、机を並べて仕事をしているクルミと仲が良く、日々くだらない話をしながら、お互いに相談事をしたりもしている。ある日、営業との飲み会があるとクルミに誘われたが、全然乗り気になれないヨシカはパスしようとするが、クルミに押し切られて行くことに。とはいえ、飲み会で発生する浮ついたノリに、予想通り嫌悪感を抱く。その飲み会で、普段仕事でちょくちょく関わっている、「ニ」という渾名で呼んでいる男と連絡先を交換することになった。「ニ」はヨシカと積極的に関わろうとするが、脳内彼氏である「イチ」がいるヨシカにすれば、「ニ」のことなど関心はない。
しかし、そんな「ニ」からある日突然告白され、ヨシカは脳内彼氏である「イチ」と、現実の「ニ」のどちらかを選ばなければならなくなり…。
というような話です。
いやー、面白かったなぁ。冒頭でも書いたけど、僕はそもそも松岡茉優が好きだし、江藤良香のような女性も好きなので、とにかくサイコーの映画でした。何よりも、江藤良香を演じる松岡茉優のハマりっぷりと言ったら、見事!って感じでした。これは、僕が元々、「松岡茉優は明るくてリア充側の人に見えるのに、実は結構ヤバイくらいの陰がある」ということを知っているからこそ感じるのかもしれません。松岡茉優も学生時代全然友だちがいなかったようで、あまりに話し相手がいないので、ヘッドセットを付けてパソコンに向かって話しかけていたそうです。そう、松岡茉優自身も、結構そっち側の人なわけです。だからだろうなぁ、松岡茉優(ってか江藤良香)の言動が、全然演技に見えないっていうか、松岡茉優と江藤良香の境界線が分からなくなるっていうか、ってかもはや同一人物なんじゃないかみたいな、そんな風に思いながら映画を見ていました。
もう、とにかく「妄想」で出来上がっている映画だと言っていいでしょう。詳しいことは書かないけど、ラストの方で(いや、見ながら、もしかしたらなーとは思っていたけど)ある事実が明らかになる構成は、いやー見事だなーと思いました。こういう構成にすることで、前後半での落差もより大きく打ち出すことが出来るし、映画自体も凄く楽しいものに仕上がっているので、上手いなぁーと思いました(原作がどうなってるのかは分からないんですけど)。
「ニ」がある場面でヨシカに向かって、「思考回路が悪魔的」って言うんですけど、後半、まさにそんな感じの状況になっていきます。こじらせているにもほどがあるだろ!っていう、ちょっとヤバさすら感じる展開には、度肝を抜かれますね。前半は、ふわっと笑わせるような小ネタが随所にあったりしてなんか楽しい感じなのに、後半では一転、狂気すら感じるような場面がぞくぞくと出てきます。ダンボール箱にモノを詰めているシーンでのヨシカの言動は、マジでヤバすぎますからね。常軌を逸している。そしてそれを、松岡茉優がまた実に良い感じに演じるんだよなぁ。この場面は、台詞が強いから、たぶんうまくやらないと「恐い」みたいな雰囲気に仕上がっちゃうと思うんだけど、それを松岡茉優はちゃんと「狂気」を打ち出せる演技でシーンを作っているので素晴らしいなって思いました。
個人的にはヨシカの言動で一つだけうまく納得出来ない部分がありました。これも詳しくは書きませんが、ベランダで急に態度が変わってしまう場面です。いや、分かる、分かるよ、ヨシカが感じたショックは。でも、それはさー、お互いの感情が非対称だからしょうがないっていうか、そこ求めるのはちょっとしんどいっていうか、っていうかそこさえ気にしなければ全然超うまく行ってたじゃん、みたいな感じがしちゃって、あそこだけ僕的には受け入れがたかったかなぁ。っていうか、アレでダメになっちゃうって、男的にもキツすぎっしょ、って感じがするんですけど、あの場面、女性の皆さんとしては共感できるものなんでしょうか?
いやーしかし、松岡茉優と江藤良香の両方を堪能出来る、超俺得な映画で、しかもストーリーも素晴らしいし、クスッと笑えるし、良いことづくめの映画でした。素晴らしかったー!
いいなと思ったら応援しよう!
サポートいただけると励みになります!