【映画】「モルグ 屍体消失 デジタルリマスター」感想・レビュー・解説

メチャクチャ面白かったというわけではないのだが、なかなか惹きつける作品ではあったかなと思う。ただ、ズバッとは来なかったかなぁ。

法学部に通うマーティンは、少し変わったアルバイトを始めることに決めた。死体安置所の夜間警備員である。親友のイェンスと、お互いの恋人の4人でマーティンの誕生日を祝った際、イェンスの恋人から「どうして引き受けたの?」と聞かれ、マーティンは「ただ座っているだけでいいから」と答えていた。

出勤してみると、「死体がそこら中にある」ことを除けば、実に楽な仕事のようだ。定期的に巡回が必要なようで、「巡回したこと」を示すために、あちこちに置かれた鍵を使って、肩にかけているバッグみたいな荷物にある錠を回すことになっている。そして、その内の1本の鍵が、まさに死体が安置されている場所(モルグ)の奥にあるのだ。マーティンと入れ替わりで仕事を辞める老人は、「鍵だけ見て真っ直ぐ進めばいい」「ここで働くと口が臭くなるぞ」「ラジオだけは買え」とアドバイスをしていた。さらに、モルグ内には紐が吊るされている。その紐を引くと、夜間警備員の詰め所の警報装置が鳴ることになっている。「鳴ったら夜勤の医者を呼べばいい」と前任者は言うが、「これまで鳴ったことはない」とも言っていた。まあそれはそうだ。死体が起きるはずもない。

さて一方で、マーティンはイェンスから謎の提案をされる。「これから2週間、お互いに何でも命令出来ることにしよう。そして、その命令を実現できなかった方が負けだ」という賭けをすることになった。それからお互いに、結構ムチャな命令をするようになっていく。

それはそれとして、今世間では、娼婦が何者かに殺されるという連続殺人事件が発生している。マーティンは、かつて同じ仕事をしていたというウォーマー警部と度々やり取りを交わす。ウォーマー警部は、この連続殺人に関してテレビ出演をしているほどで、捜査に執念を燃やしている。

仕事を始めたマーティンは、しばらくして奇妙な状況に直面することになり……。

死体安置所で変なことが起こる、みたいな部分はなかなか面白かった。ただ、僕がどうしても好きになれなかったのが、「マーティンとイェンスがやっている命令ゲーム」である。そもそも意味不明だし、しかも、お互いが結構ムチャな命令をする。良く取れば、「そういう命令をし合えるだけの親しい関係である」と思えはするが、しかしやっていることがアホすぎて全然好きになれない。ってか、メチャクチャ嫌いだった。

しかも致命的なことに、この「命令ゲーム」が無いと、この物語は成立しない。だから必然的な要素ではあるのだけど、だからこそ「こんな要素を必然にしなければ成立しないのか」という感じが強くなってしまった。どうもその点がなぁ、一番しっくり来ないポイントだった。

ただ、ラストシーンはこの「命令ゲーム」のお陰で面白くなっているので、そこは良かった。普通にはまず成立し得ない状況が「命令ゲーム」のお陰で成り立っているので、そこだけは良かったかな。

という感じだった。ここ最近、ちょっとどうにも、個人的な「当たり」が少ないなぁ。

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