【映画】「シンシン/SING SING」感想・レビュー・解説

うーん、どうしてなんだろうなぁ。どうして面白くなかったのかが不思議。実話を元にした作品は好きだし、面白そうな物語だったのに、なんだかなぁ。

ラストの1/3はちょっと面白くなった感じはするのだけど、そこまでの2/3はちょっとつまらなかった感じで、眠ささえ感じてしまった。うーむ。ホントに不思議である。

映画を観る前の時点で「シンシン刑務所で演劇を行っていた元受刑者が本作にも出演している」という事実は知ってて、それも興味深いなと思っていたのだけど、ただ観ている上ではその面白さはなかなか伝わらない。とはいえ、公式HPを観て驚いたのだけど、本作において主演の1人と言っていいだろうディヴァイン・アイが元受刑者だったことだ。彼は「本人役」ではなく、一般的な(という言い方はどうかと思うが、良い表現が見当たらなかった)俳優だと思っていた。この点はちょっとビックリだなぁ。

「刑務所で演劇を行う」という物語で言えば、以前僕は、同じように実話を元にした『アプローズ!アプローズ!』という作品を観たことがあって、そちらの方が面白かったなと思う。『アプローズ!アプローズ!』では、「受刑者であるが故の困難さ」みたいなものも描かれているのだけど、本作『シンシン』では、「演劇をやっている」という描写がかなり多く、「受刑者であることの葛藤」はかなり少なかった印象である。もちろん、まったくないわけではないが、「刑務所で演劇をしている」という部分が物語的に活かされている感じがしなかった。

ただ恐らくだが、本作の成立過程を理解する必要があるような気もする。たぶんアメリカ(NY)では、この「シンシン発の演劇」がかなり盛り上がっているんじゃないか、と思う。そして、「そんな盛り上がっている演劇の舞台裏を描こうじゃないか」というわけで本作が作られた、んじゃないかと思う。

そうだとすれば、本作のような構成でいいと思う。観客は「シンシン発の演劇」に対する関心を既に抱いているわけで、あとはその内実を丁寧に描いていけばいい。

ただ、「シンシン発の演劇」のことを知らない人間には、この構成は「なんとも言えないなぁ」という感じになると思う。前提の情報がないので、描かれているものだけからは物語を十分受け取れきれないような気がする。

まあそんなわけで、結構期待していたのだけど、これは僕には合わなかったなぁ。とても残念。

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