「レールから外れた人生」で良かったと思っている
自分の人生を振り返るようなことはあまりないが、自分が辿ってきた道を客観的に見てみると「よく生き延びて来られたものだな」と思う。大学を中退し、就職活動を拒否してフリーターになり、色々あって職を点々としてきたが40代になるまで自分の意志で仕事を探したことはなく、それでも一応働く期間が途切れず、お金的にもどうにかなっている。よくなんとかなったものだ。マジで運が良かったと思う。
昔は、「レールに乗った人生」が恐ろしく感じられていた。「どこかで絶対に脱線する」と分かっていたからだ。「いつ脱線するんだろう」という恐怖を抱えながら生きていくのが怖かったんだと思う。「だったら、さっさとレールを下りた方が心が健康でいられるんじゃないか」と考えたわけだし、今でもその判断は間違ってなかった気がしている。
まあそれは、「結果的に運良くそう悪くない人生を歩めてきた」からそう思えているだけだろう。ホント、幸運だっただけだ。再現性はない。
ただ、他人の人生に対して少しだけ感じるのは、「『いつでもレールから外れられる』みたいな身軽さは持っててもいいんじゃないか?」ということだ。実際にレールから外れるかどうかはともかく、「外れられるぞ」みたいな感覚をちょっとは抱えていても良い気がしている。
以前読んだ『自分探しと楽しさについて』(森博嗣)の中に、こんな文章があった。
道ばかり歩いていると、ついつい、道しか歩けないと思い込んでしまう。道以外も歩けることを、すっかり忘れてしまうのだ。
確かにそうだな、と思う。レールの上をずっと歩いていると、「レールから外れること」が間違いみたいに思えてくるだろう。
僕は、レールから外れまくったお陰で出会えた人、見られたこと、感じられたこと、考えられたことがたくさんあると思っているし、「レールの上を進んでいたら、これらはきっと無かったんだろうな」と思うと恐ろしくなる。もちろん、「レールの上を進むからことの視野」もあるだろうし、両方を同時に経験出来ない以上、どっちが良いかという話は出来ないわけだが。
「レールから外れること」の最大のデメリットは「レールに戻れなくなること」であり、この不可逆性は結構の恐怖をもたらすだろう。とはいえ、「それ以外のデメリットは正直特にない」とも言えるし、選択肢として一顧だにしないというのも、少しもったいない気もしている。いや、「レールから外れないことに越したことはない」のは間違いないのだけど。
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