【映画】「ハイパーボリア人」感想・レビュー・解説
さて、ダメかもなぁと思いながら観に行ったのでそう驚きはないのだが、やはり今回もかなり睡魔に襲われてしまった。全体の半分ぐらいはウトウトしていて、記憶があまりない。
しかし本当に不思議なのだが、僕は「受け付けない映画」を観ると、突然抗いがたい睡魔に襲われる。それまで全然眠くなんてなかったのにだ。前作『オオカミの家』でも盛大に寝てしまったが、本作『ハイパーボリア人』でもやはり眠気に勝てなかった。「受け付けないものから脳を守ろうとする防衛本能」みたいなものなんだろうか?よく分からないが、とにかく眠くて仕方なかった。
そうなるだろうなと思いつつ観に行ったのは、やはり『オオカミの家』のコンビだからだ。基本的に「奇妙なもの」「イカれたもの」に惹かれるし興味があるので、一応触れておくべきだろうと思ったのだ。
僕の無意識が「こいつを眠らせるぞ」と判断してしまうので、なんとも残念ではあるのだが、なんとなくその奇妙さは体感できたので良かった。
さて、映画の冒頭はまだ説明できる程度には分かりやすいので、その辺りにだけ触れておこう。
女優であり臨床心理学者でもあるアントーニア・ギーセン(女優が本名で出演している。つまり、実際に臨床心理学者でもあるのだろう)は、ある時奇妙な患者を担当することになった。謎の幻聴が聴こえるというその患者の言葉が脚本みたいだと思った彼女は、友人の映画監督のレオンとコシーニャ(本作『ハイパーボリア人』の監督の名前である)にその話をしてみたところ、2人はその言葉からミゲル・セラーノの影響を読み取った。
映画を観ている時にはミゲル・セラーノが誰なのか分からなかったのだが(これは僕が寝ていたせいかもしれない)、彼はチリの外交官にして詩人であり、さらにヒトラーの信奉者でもったそうだ。もちろん既に亡くなっている。そして、専門家に意見を聞いたところ、その患者の言葉は「ミゲル・セラーノに影響を受けている」のではなく、「ミゲル・セラーノ本人の言葉」だと判断されたのだ。2人の監督は、「ミゲルが過去からその患者に指令を出しているんだ」と解釈する。
そんなきっかけから2人は、ミゲル・セラーノの人生を振り返る映画の制作を決め、アントーニアに主演を任せて撮影を始めたのだが……。
さて、こんな風に書くと、別に普通の映画のように感じられるかもしれないが、全然そうではない。本作は、アントーニア以外の登場人物は全員人形だし、背景や装飾のほとんどは絵だし、それらを集めた狭いスタジオ内で、「舞台裏」みたいなところも見せつつ撮っている。みたいに書いても、全然イメージできないだろう。予告編を観てもらえれば、僕が何を言っているのかなんとなく分かると思う。
映画『オオカミの家』を観ているので、このカオスは特に驚きではないのだが、『オオカミの家』を経ずに本作を観ていたら「え?え?え?」みたいになるだろう。「イカれた映画」という意味では、これほどの作品はなかなか出てこないだろう。
そんなわけで、どうにも睡魔に襲われてしまうので僕にはちょっと合わなかったと言うしかないのだが、本作の公開に合わせて『オオカミの家』の再上映もしているみたいだし、「怖いもの見たさ」でどちらか観てみるのもいいだろう。万人にはウケないが、好きな人はメチャクチャ好きな映画だと思う。
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