【映画】「PROJECT Y」感想・レビュー・解説
凄く面白かったわけではないけど、ここ最近観た映画では割と良かったかなぁ。単に「ヤバい奴から金を盗む」だけの話だったらそう面白くはなかっただろうが、「キチガイじみた中年女」が登場してからちょっと物語の様相が変わり、展開の変化が訪れた感じがした。サスペンス的な展開をいい感じに用意しながら、テンポよく面白く物語を展開させていたなと思う。
主人公はミソンとドギョンの姉妹。妹のミソンはクラブ、姉のドギョンは白タクとして夜の仕事をしながら、そんな生活から抜け出すことを夢見ていた。希望は、ミソンが昼間働いているフラワーショップ。お金があればその事業を引き継げそうで、そしてあと少しというところまできた。
のだが、実は彼女たちはある人物から騙されていたことが判明する。さらにその後、ある理由からなけなしの金もすべて失ってしまう。文字通り、無一文になったのだ。
最悪だ。また少しずつ金を貯めるなんて、やってられない。が、打つ手はない。と思っていたのだが、ドギョンがある情報を仕入れてきた。
ミソンが働くクラブの社長が、どこかに大金を隠しているというのだ。
きっかけは、ホストにはまっている社長の妻からの情報だった。税務署対策で、金をどこかに逃がしたというのだ。その話が巡り巡って、ドギョンの仕事仲間(とはいえ別に良い関係ではないが)の耳に入り、それでドギョンも知るところとなったのだ。
それから、ミソンが社長に近づき大体の金の在り処をスマホから抜いた。こうして彼女たちは、一攫千金を目指して危ない橋を渡ることにしたのだが……。
さて、本作では、割と比較的早く、ミソンとドギョンは大金を手に入れる。しかし、物語はここからだ。なにせ、金を盗んだ相手は、ソウル一帯で影響力を持つ人物だ。彼女たちが金を盗んだと悟られる前に逃げなければならない。のだが、彼女たちにはその手段がない。夜の世界で働いていると言っても、少し齧ってるぐらいなもので、裏社会に通じているわけではないのだ。
そこで彼女たちは「ママ」に頼ることにする。そしてこのママが、なんとも言えない狂気的な女だったのだ。
彼女が出てきてから、何となくだが物語の雰囲気が少し変わった感じがあった。そしてそこから実際に、ミソンとドギョンのスタンスが色々と捻れていくことになる。そして最終的に、当初の目的とはかけ離れたような状況に行き着いてしまうというわけだ。そういう後半の展開は、結構面白かったかな。
とはいえ、僕はベースとして、バイオレンスとかアクションみたいな作品にそこまで親和性がないので(じゃあ何で本作を観たんだよって話だと思うけど)、そこまではハマれなかったかな。「悪い奴らが悪いことをしている」みたいな物語には、どうも入り込みにくい。どうしても「うん、勝手にやっててくれ」みたいな気分になってしまうからだ。
ただ本作は、ミソンとドギョンの容姿や関係性がなかなか魅力的で、そういう部分で最後まで惹きつけられた感じがある。っていうか、観ている間まったく気づかなかったが、ドギョンを演じたのが、『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』で主演を務めた人なんだそうだ。マジか。『モナ・リザ』メチャクチャ面白かったし、主演女優のインパクト、凄かったもんなぁ。そうか、あの人か。いやー、これはびっくりだわ。
「女性2人じゃどうにもならんやろ」みたいな場面は色々あるのだけど、それを割と無理なく展開させているところは上手いなと思うし、ラストの展開も「なるほど、それならあり得るか」みたいな感じになってたのは良かった。個人的なハマり度としては今一つという感じではあるけど、悪くはなかったかな。
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