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デマと厚労省と大臣

評判がよいコスメでも、使ってみたら痒みや肌荒れを起こすことがあります。自分に合わない成分(添加物)が入っていたのだと考えて、次回からはその成分が入っていないものを選ぶでしょう。では、使用前例がない添加物が含まれていたら、どうでしょうか。使っても大丈夫か、不安に思うのは当然です。コスメですら、慎重に考える人はいます。体の中に注入されるものに対してなら、なおさら慎重になるでしょう。その不安は、「デマ」として否定されるようなものなのでしょうか。


「省略されることなく実施」

テレビのニュース番組で否定するだけでなく、河野大臣は自身のブログでも「ワクチンデマについて」という記事を公開しました。

デマとして否定しているものの中には、厚労省、ファイザー社やモデルナ社、FDAなどの資料と異なる見解があります。

「治験が終わっていないので安全性が確認されていない」
mRNAワクチンは、基礎研究、動物実験、治験が省略されることなく実施され、リスクを上回る臨床的に意味のある有効性が確認されています。
その上で、いつまで効果が持続するかという長期の有効性を確認するための治験が継続して行われています。

と、大臣のブログに書かれています。
一方、FDAのファクトシートには、下記のように書かれています。

The Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine has not undergone the same type of review as an FDA-approved or cleared product.
Pfizer-BioNTech COVID-19ワクチンは、FDAが正式に承認または認可する製薬と同様な審査を受けていません

These may not be all the possible side effects ofthe Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine. Serious and unexpected side effects may occur. Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccineis still being studiedin clinical trials.
Pfizer-BioNTech  COVID-19ワクチンの考えられる副作用は、これ以外にもある可能性があります。予期しない深刻な副作用が発生する可能性があります。Pfizer-BioNTech COVID-19ワクチンは、まだ臨床試験で調査中です。

ファクトシートについては、Vol.14で取り上げています。

続いて、厚労省のサイトで公開されている「コミナティ筋注 特例承認に係る報告書」を見てみましょう。

厚生労働省サイト ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 厚生科学審議会 (予防接種・ワクチン分科会)> 第19回 2021年2月15日 資料> 11【参考資料2】新型コロナワクチン「コロナウイルス修飾ウリジンRNA ワクチン(SARS-CoV-2)(コミナティ筋注)」(ファイザー社)審査報告書(特例承認に係る報告書).pdf

「特例承認に係る報告書」については、Vol.1で詳しく取り上げています。

特例承認に係る報告(1) 12ページ

12ページに、「安全性薬理試験を実施していない」と書かれています。
安全性薬理試験は、動物を用いた毒性試験とは別に、臨床試験前に実施しておくべき重要な試験です。

「コミナティ筋注 特例承認に係る報告書」の19ページには、ラットを使った毒性試験で、肝臓に影響があったと書かれています。

19ページ

これについてはVol.2で取り上げましたが、「推察」で片づけています。

これらを読むと、省略していないとは思えません。しかも開発開始から臨床試験開始までが、あまりにも短い。

特例承認に係る報告(1) 3ページ

開発を開始した月が黒塗りになっていますが、WHOが武漢市で発生した肺炎が新型コロナウイルスによるものだと発表したのが、1月12日なので当然それ以降でしょう。1月だとしても、4月にヒトに接種し始めるのは早すぎます。


「特段の不安はない」

さらに、大臣はブログで下記も否定しています。

「長期的な安全性がわからない」
mRNAは半日から数日で分解され、ワクチンにより作られるスパイク蛋白も約2週間以内でほとんどがなくなります。
mRNAワクチンが遺伝子に組み込まれることはありません。
mRNAワクチンでもアナフィラキシーが起きることがありますが、症状が出るのは接種してから2日以内に限られます。
これまでのワクチンでも、ほとんどの副反応が6-8週間以内に起きることが知られています。
以上のことから、コロナワクチンの長期的な安全性について特段の不安があるということはありません。

長期的な安全性がわからない」と思うことが、なぜデマなのでしょうか。

長期的な安全性とは、アナフィラキシーや添付文書に副反応として書かれているものについてだけではないはずです。そしてこのワクチンは、「これまでのワクチン」とは違います。

接種券と一緒に送られてくる「新型コロナワクチン予防接種についての説明書」には、下記のように書かれています。

ワクチン参考資料目次 - 000757261 pdf

「本ワクチンは、新しい種類のワクチンのため、これまでに明らかになっていない症状が出る可能性があります」と書いてあります。

明らかになっていない症状が出る可能性があるのに、なぜ「特段の不安がない」と言えるのでしょうか。

特例承認に係る報告(1) 9ページ

「コミナティ筋注 特例承認に係る報告書」9ページには、使用前例がない添加剤が含まれていると書かれています。黒塗りにされているものまで含まれているのに、不安に思ってはいけないのでしょうか?

同じく「コミナティ筋注 特例承認に係る報告書」の37ページには、「現時点で本剤の接種後長期の十分な安全性データは得られていない」と書かれています。

特例承認に係る報告(1) 37ページ

45ページ、53ページにも下記のように書かれています。

特例承認に係る報告(1) 45ページ 
特例承認に係る報告(1) 53ページ
特例承認に係る報告(1) 53ページ2
特例承認に係る報告(1) 53ページ3

長期的な安全性はわからないから、調査を続けると書かれています。厚労省の資料と大臣の考えは、明らかに違っていると思います。

「可能性は考えにくい」

厚労省の資料では「疾患増強」と書かれている、「ADE」の可能性についても、大臣はデマとして扱っています。

「ADE(抗体依存性増強現象)が起きる」
ワクチンや過去の感染により作られる抗体が、ウイルスの感染を増強してしまうことをADEといいます。
デング熱ワクチンやSARSワクチンでこのようなことが起きたことがあります。
しかし、ファイザー社とモデルナ社のmRNAワクチンでは、高い中和作用がある抗体とバランスのよいリンパ球の動きが確認され、動物実験でもADEは観察されず、大規模な治験においてもADEの報告はないことから、新型コロナワクチンに関して、ADEの可能性は考えにくいとされています。

これについては、「コミナティ筋注 特例承認に係る報告書」15ページ、53ページに書かれています。

特例承認に係る報告(1) 15ページ

動物実験をしたのは、類似するSARS-CoVであり、SARS-CoV2では実施していないのではないでしょうか。

特例承認に係る報告(1) 53ページ

厚労省の資料では、「可能性はある」としています。現時点ではわからないことを、なぜデマだと言い切るのでしょうか。ご自身の文章でも、「ADEの可能性は考えにくいとされています」と言っており、「可能性はありません」とは言っていません。完全に否定できないことなのに、なぜこれを「デマ」として扱うのでしょうか。

追記:
その後、ファイザー社のリスク管理計画書にも「ADEによって重症化する可能性があると考えられる」と書かれました。


モデルナ社のリリース

モデルナ社が、12歳から17歳への有効性が100%だったとする治験結果を発表したリリースの最後には、下記のように書かれています。

The forward-looking statements in this press release are neither promises nor guarantees, and you should not place undue reliance on these forward-looking statements because they involve known and unknown risks, uncertainties, and other factors, many of which are beyond Moderna’s control and which could cause actual results to differ materially from those expressed or implied by these forward-looking statements.

将来の見通しに関してこのリリースに書かれていることは、約束でも保証でもありません。これらの将来の見通しに関する記述は、既知および未知のリスク、不確実性、およびその他の要因を伴うため、過度に信頼するべきではありません。その多くはModernaの制御の及ばないものであり、実際の結果が、これらの将来の見通しに関する記述によって表明または暗示されているものと大きく異なる可能性があります

ファイザー社のリリースにも、同じようなことが書かれています。ファイザー社やモデルナ社でさえ、長期的な安全性について断言していないのに、なぜ大臣がデマだと言い切るのでしょうか。

そして、厚労省が医師に対して「積極的に報告してほしい」といっている、これらの症状は、何を意味しているのでしょうか。

ワクチン接種との因果関係が示されていない症状も含め、幅広く評価を行うため、当面の間、以下の症状について、報告を積極的にご検討ください。 
けいれん、ギラン・バレ症候群、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、血小板減少性紫斑病、血管炎、無菌性髄膜炎、脳炎・脳症、関節炎、脊髄炎、心筋炎、顔面神経麻痺、血管迷走神経反射(失神を伴うもの)

上記については、Vol.23で取り上げています。