「因果関係」の壁
本来の業務ではないことは、できればやりたくないでしょう。まして、それが自分にとってプラスにならない、むしろマイナスになることなら、わざわざ時間を割いてやろうとはしないでしょう。けれども、そのような仕事でも、時間を費やして丁寧に行っている人がいます。それは、埋もれさせてはいけない、重要な報告なのです。
接種後死亡に関する重要な報告
7月21日に、 「薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について(コミナティ筋注・基礎疾患等及び症例経過)」が更新されました。
厚労省サイト ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会)> 第64回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第13回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)資料1-2-3-1
7月7日分についてもまだ書けていませんが、7月21日分でどうしても先に書いておきたい事例がありました。なぜなら、厚労省の報告書はいつのまにか書き換えられていることがあるからです。以前取り上げた事例が、何の説明もなく書き換えられていたことがわかりました。
Vol.10で取り上げた事例46は、現在概要しか書かれていません。
ですから、今回の事例も書き換えられる可能性があるので、その前にぜひ多くの方に知ってもらいたいと思い、記事を書きました。
この事例は詳細に報告されていて、かなり長いので部分的に編集しています。重要な部分は長いですが、そのまま引用しました。
冒頭に「本症例は医薬品医療機器総合機構(PMDA)を介し、連絡可能な医師から入手した自発報告である」と書かれています。現場の医師は、副反応疑いの報告書を書きたがらないと言われる中、この医師はとても丁寧に報告しています。それだけ、この事例は報告すべき内容だと考えたからでしょう。
事例7431 88歳女性 5月27日コミナティ筋注接種 ロット番号:FA5829
病歴:アレルギー性鼻炎
患者は一人暮らしで、食事は三食長女が相伴していた。 ワクチン接種前までに血を吐いたことはなく、大人一般人の食事量を摂取することができた。会話も当然問題なく日常生活を送っていた。
2021/05、直近撮った X 線による主治医の話では、「肺の状態は昨年と比較しても変化はなく、酸素もしっかりと取り込めている」とのことであった。
しかし、2021/05/27 のワクチン接種後、状態が急変し、死亡した。
2021/05/28 明け方 03:00 頃(ワクチン接種 1 日後)、喀血があった。2021/05/30 明け方 03:00 頃(ワクチン接種 3 日後)、喀血があった。2021/05/31 17:00 頃(ワクチン接種 4 日後)、喀血があった。
2021/06/01、病院へ診療予約が行われた(2021/06/02 15:00、検査予定)。
「喀血」とは、咳とともに血液が吐き出されることです。
接種後に喀血があったので、ワクチン接種予約センターへ連絡しますが、このときのやりとりで「たらい回し」がありました。
ワクチン接種予約センターに電話。ワクチン接種による副反応がでたので どうしたらよいかと尋ねると、「医学的判断は出来ないので病院に相談するように言われた。
病院予約センターへ電話して、「ワクチン接種後に血を吐いた」と伝えると、「ワクチン接種による副反応である。ワクチンのコールセンターに連絡するよう」と言われた。 すでに電話し、病院へ連絡するよう言われたことを伝えると、2021/06/02 15:00 の診療予約に至った。
けれども、この方は、診察を受ける前に亡くなってしまったのです。
2021/06/02 06:15 頃、患者の長女は心肺停止で死亡している状態の患者を発見した。 患者はトイレで座り左横に頂いた状態であった。
洗面台横、トイレ横、床に血液、患者の鼻、口元、手に大量の血液(一部凝固)があった。 洗面台の血は、濃い血栓のような血の塊が所々に散在し、大きな塊のスライム状であった。 排水溝の手前で止まり、自然に流れることもなく、片づける際も水では流れず、ブラシの尾で細かく刻んで水に流した。
2021/06/02 0 時頃(ワクチン接種 6 日後、推定と診断書に記載)、患者は喀血により死亡した(喀血による死亡)。
「複数名の救急隊員が到着し、(この状況を)見るなり絶句した」と書かれています。「病院へ搬送して無理に蘇生をしても可能性は厳しい」と言われ、家族は搬送しないことを選択しました。
その後、到着した警察署署員に、家族が状況を説明。警察署署員は、部屋中および所持品の写真を撮影します。「事件性が高い場合は解剖するが、解剖すると身体に傷が付く」と言われたため、家族としては、亡くなった身体にメスを入れることは忍びないので、解剖は望まないと伝えます。
刑事から、「我々は医師ではないので死因は特定出来ない。法医の先生に確認してもらう。法医の先生はすぐ来るか分からないので、その間、葬儀屋で安置してもらうことになる。どこの葬儀屋がいいか」と聞かれたので、名前を知っている葬儀屋に依頼。
「刺し傷が無いか等、確認する」と言われ、部屋を閉ざされた。この間、相当の時間が経過したが、遺体の何を確認していたのかは不明であった。どうやらベッドルームで作業は行われていたようであった。
葬儀屋が到着。刑事は「いったん警察署に運ぶ」とのことで、遺体を搬送するときに、初めて刑事からベッドルームへ入室する許可が出る。初めて顔を見せてもらうと、血痕が拭い取られていたが、鼻の周りやロの際には血痕がまだ分かるほどに残っていた。
その後、12 時頃に刑事より電話があり、「診断の結果、事件性はないとのことで警察の関与はここまでときせていただく」と言われた。孫より、法医の先生は誰かと尋ねると、「葬儀屋に聞くように」と言われ、電話を切られた。その直後、(不明)より電話があり、「検死をしたのは、(不明)病院であった」と言われた。
この報告書を書いているのは、検死をした医師ではないようです。
翌 2021/06/02 (水)、死亡診断書(検死結果)を渡され、初めて検死の内容を見た。 しかし、死亡診断書には、疑念が湧いた。 冒頭に記載のとおり、死亡した患者は、ワクチン接種前までは飲食も正常(むしろ 30 代の孫、60 代の長女よりもたくさん食事を摂れているのではないかと思うほど)で、通常通りの生活をしており、当然喀血など全く無かった。遺族としては、明らかにワクチン接種後の体調異変および喀血であると考えざるを得なかった。最期に遣族が発見した際の大量の喀血は、恐ろしいほどであった。また、警察官が遺体および室内を多数撮影しており、救急隊員および警察官も洗面台を確認している。
警察、病院、救急隊員の対応に関しても、詳細に書かれています。(詳細不明)と書かれた部分など、わかりにくいところがありますが、そのまま引用しています。
1. 警察署/刑事課
遺族より「警察官に対しては明確に解剖を希望する旨の意思表示をしなかったものの、死体検案書に記載された死因に疑問を抱いたので、死因を明確にするため解剖したい」との意思表示があったため、解剖実施について 2021/06/04 の 15:40 頃に、(詳細不明)から遺族に連絡あった。刑事より、「県警本部に掛け合ったが、終結した件であり、これから変更することはできない」との回答であった。遺族は刑事より「事件性がないと判断し、捜査終了のため、手から離れた。今から解剖できない」との説明を受けた。
検死を担当した医師に対し、死亡現場の状況を口頭で伝えている。撮影した写真は見せていない。
警察は、なぜ撮影した写真を見せなかったのでしょうか。それが、次の状況につながっているように思います。
2. 病院 B(詳細不明)
発症から死亡まで喀血の診断をした医師が不在であることから、町から「予防接種後に発生した症状に関する報告書(保護者報告用)」による報告を検討していたところ、県より原則、医師による「予防接種後副反応疑い報告書」の提出との指摘を受けたため、2021/06/08 の14:30 頃、医師(詳細不明)と面会した。
遺族により提供された臨床経過を説明したところ、医師は喀血の事実は知らなかった。(詳細不明)は遺体に血液の付着がなかったのか疑問だったため、検死の場所を尋ねたところ、警察署の遺体安置所であり、血液の付着がなかったようである。医師は「事件性の有無の判断が主要な任務であり、ワクチンとの因果関係は判断できない」として、「予防接種後副反応疑い報告書」の提出はできない。県からの指摘はあったものの、自治体からの報告も可能であることの認識があり、早期の報告が重要であると考え、(報告者)は医師に対し、報告を提出するために強く要請しなかった。
病院Bが検死を担当したと思われますが、喀血の事実を知らずに検死したようです。そして、この医師の任務は「事件性の有無の判断」。だから、ワクチンとの因果関係は判断できないとのこと。
このような場合、どうすればよかったのでしょうか。まさかワクチン接種後に、このようなことが起きるなんて思ってもいないので、どこに連絡したら因果関係を判断してもらえるかわからないのは当然です。
3. 病院 C の院長
接種の際、予診をした医師であるため、2021/06/09 の 18:30 頃、(詳細不明)と(詳細不明)が面会した。ワクチン接種日に異常は見つけられなかった。その後も診察していないため、死亡時の状況は全く把握していない。病院 B の医師に「予防接種後副反応疑い報告書」の提出は困難と考えられ、「予防接種後に発生した症状に関する報告書(保護者報告用)」を提出し、接種した医師として医師名を報告することを伝えた。
ワクチン接種日にも、異常はなかったのです。
4. 消防署の救急隊員
救急隊は遺族以外に死亡現場を見ている者であり、遺族の希望もあり、(詳細不明)が現場での状況を聞いた。(2021/06/15 の 18:00頃)。(救急隊員)より、2021/06/02 の 06:22 に指令センターで緊急通報を受けた。救急隊は 06:30 に現場に到着した。指令センターからの指示に従って、報告者/家族が救急隊到着まで胸骨圧迫を実施していた。到着すると同時に、傷病者はトイレと洗面所の間の床に横になっていた(指令センターの指示に従って、胸骨圧迫を実施するためにトイレから移動させるものと思われる)。洗面所や床、傷病者の衣服にも血痕が認められた。救急隊により、心臓停止及び呼吸停止を確認、顎や足には死体硬直も認められたが、腹部に熱感を感じたため、不搬送とすることについて医師(大学病院の救急センター)の助言を求めた。腹部の熱感は、屋内で暖房便座に座っていたためとみられ、指示も不搬送であった。
07:21、救急隊は現場から離れ、警察に引き続いた。 救急隊は死因を判断する立場はないが、コロナウイルスワクチンを受けた後にあることを家族から聞き、警察にも伝えられた。救急隊は家族に適当な組織に報告すると説明し、それは保健所のことであり、指令センターから報告された。指令センターに副反応が疑われる通報があると、傷病者の指名/性別/住所/ワクチン接種日/ワクチン接種場所ならびに接種回数が保健所に報告される。(詳細不明)から得られた情報である。保健所は情報を集めるために報告を受領したが、他の機関には報告しないとのことであった。
警察にワクチン接種後であることは伝えてあったのに、警察はあの対応。保健所も報告を受領しただけのようです。
直接死因、ワクチンとの関連性について:
町役場職員の死亡後調査によると、死体検案書を記載したと考えられる者は「検死時には喀血の跡は拭われていた。情報提供した警察官から喀血があったという経過は聞いていない」と驚いていた。その真偽およびどの程度群細に検察されたかは不明ではあるが、重要な情報である大量喀血を考慮していない検案およびその死因は、一般的に低質で信憑性がないと考えられる。
本症例は、基礎疾患のない患者が、ワクチン接種後から新たに喀血を発症し、最終的には接種 6 日後に大量喀血で突然死した。事件性については否定されている。その中に肺癌や肺感染症が上位鑑別に挙がる。 しかし、患者は定期検診を受けており、胸部 X 線で明らかな肺癌はなく、発熱や排痰等も無かった。他には肺血栓塞栓症、大動脈解離や大動脈瘤破裂等の血管性病変が考慮される。本症例は鮮血を排出し続ていたため吐血とは異なるが、消化器疾患には区別される。消化器疾患に関して、接種前は吐血や下血をはじめとして消化器症状は無く、進行性の消化器系悪性腫瘍や肝疾患を疑う兆候は無かった。
よって、大量喀血による突然死の経過および死亡時の状況から、本症例の死因は肺血栓塞栓症疑いもしくは大動脈瘤破裂疑いと考える。感染症情報センターの研究官の報告では「これまでファイザー製のワクチンでも非常に少ない数だが、血栓塞栓症の報告はある」と指摘している。 また、ファイザー社のワクチン副反応では、動脈硬化症で死亡した報告がある(N Engl J Med 2020 383: 2603-2615)。基礎疾患のない患者が上記の様な短期間の内に大量喀血で死亡する事は極めて稀である。類似する副反応の報告が既にある。 ワクチン接種後から喀血が生じその大量喀血により死亡したという短期間で連続する時系列から、ワクチン接種と症状/死亡の因果関係は直結しており、関連ありと考える。また、既往歴がないこと等から他要因はないと考える。尚、ワクチン接種関連であることを否定しうる所見も無い。 報告医師は事象を重篤(死亡転帰)に分類し、BNT162b2 に関連ありと評価した。他要因(他の疾患等)の可能性がなかった。
報告医師意見は次の通り:本症例の死因は肺血栓塞栓症疑いもしくは大動脈瘤破裂疑いと考える。BNT162b2 と症状/死亡の因果関係は直結しており、関連あり、他要因はないと考える。
※BNT162b2 は、コミナティ筋注のことです。
報告した医師は、コミナティ筋注の接種と死亡の因果関係は直結しているとしています。ところが、専門家の評価は違うのです。
評価は、「γ」(情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できないもの) となっています。
以下、7月21日更新の「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要(コミナティ筋注)」(資料1-3-1)より。
事例405 88歳女性 接種日2021年5月27日 発生日2021年6月2日
ロット番号:FA5829 因果関係(報告医評価):関連あり
専門家による評価(~7/7時点):症状出現後死亡に至るまでの診察や検査の情報がなく、剖検も実施されていないため、死因の特定やワクチン接種との因果関係評価はできない。
専門家による評価(7/21時点):時間的関係がありその他の要因も見当たらないことから、ワクチン接種が喀血の契機となったことを完全に否定することはできないものの、死亡時画像診断や剖検は実施されておらず、その病態を検討することはできない。ワクチンと死亡の因果関係は不明である。
解剖しても因果関係は不明とされることもあるので、解剖していたら評価されたとは限りません。他に理由がないから、解剖していないことを理由にしているだけのように感じます。これほどの事例でも、因果関係不明となってしまうのです。いろいろな意味で、衝撃的な報告でした。
この報告を書いた医師の思いを無駄にしないためにも、多くの人に知ってもらいたいです。
