「未回復」のその後
「転帰」とは、ある有害事象の結末。その事象が最終観察時点で至った結果を示したものです。報告書に「未回復」と書かれていたら、その後どうなったのか気になります。その人の生活が、大きく変わってしまうことはないのでしょうか。
予測の範囲内とその先のリスク
厚労省が公開している、新型コロナワクチン接種による副反応疑いの報告には、転帰として、回復、軽快、後遺症あり、未回復、死亡、不明と書かれています。不明の場合、なぜ不明なのか気になりますが、自発的な報告なので、それ以上の情報を提供してもらえなかったのかもしれません。もう1つ気になるのが、未回復です。例えば、顔面麻痺。
まず、「コミナティ筋注 特例承認に係る報告書」には、臨床試験で顔面麻痺の症例がありました。
ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 厚生科学審議会 (予防接種・ワクチン分科会)>第19回 2021年2月15日 資料

「添付文書で注意喚起を行う」とあるので、添付文書を見ました。添付文書は、厚労省サイトの「特例承認に係る報告書」と同じページにあります。


確かに、書かれています。
次に、最新の副反応疑いの報告を見ました。
厚労省サイト ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会) > 第61回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第9回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催) 資料(6月9日)
資料1-2-1より。
令和3年2月17日から令和3年5月30日報告分まで、13,059,159人が接種。

報告数は、それほど多いとはいえません。いくつかの事例は、詳細がありました。
事例2601 71歳男性 コミナティ筋注1回接種
02May2021(ワクチン接種 19 日後) 21:00、患者が口をゆすぐと左側から水がこぼれた。
03May2021(ワクチン接種 20 日後)朝、起床時に左顔面が腫れぼったいことに気がついた。左目に異物が入っているような感じでしょぼしょぼした。水がこぼれることは続いた。昨晩以降、症状が若干進んでいる印象であった。顔面の感覚は通常どおりであり、味覚障害はなかった。意識レベルは清明であった。顔面左側に若干の皺があった。左目はぎりぎり閉眼できる程度であった。左顔面神経麻痺と診断された。重篤度は軽度であった。患者は経口薬(プレドニゾロン等)の服用を開始した。
報告者は、事象は診療所/クリニックへの訪問に帰結したと述べた。
事象の転帰は、未回復であった。
再調査は不能である。追加情報は期待できない。
事例2870 47歳男性 コミナティ筋注2回接種
30Apr2021 15:00 頃(ワクチン接種当日)より、左顔面の動きが悪くなり、口を水で濯いだり、口笛を吹くことができなくなった。
02May2021(ワクチン接種 2 日後)、接種施設の担当医師に連絡をとり、左顔面神経麻痺と診断された。
06May2021(ワクチン接種 6 日後)、ステロイドの服用を開始した。
06May2021(ワクチン接種 6 日後)の時点で、事象の転帰は未回復であった。
報告医師は、事象を重篤(障害につながるおそれ)に分類し、事象と BNT162B2 との間の因果関係は評価不能と評価した。他要因(他の疾患等)の可能性はなし、とされた。 報告医の意見は、以下のとおりであった: ワクチン接種との因果関係は、今のところはっきりしない。
事例2977 56歳女性 コミナティ筋注1回接種
01May2021 10:00(ワクチン接種の 4 日後)、顔面麻痺が発現した。
日付不明(ワクチン接種からの時間差不明)、事象の転帰は未回復であった。
報告医師は事象を非重篤と分類し、事象と BNT162b2 の因果関係を評価不能とした。他疾患など他要因の可能性の有無は報告されなかった。
上記の3例は報告時点では「未回復」となっているので、その後どうなったのか気になります。


「コミナティ筋注 特例承認に係る報告書」(47~48ページ)には、海外における使用許可後又は製造販売後の安全性情報について書かれています。そこでも顔面麻痺は21件報告があり、重篤な事例が14件。回復又は軽快が4件、残りは未回復、後遺症あり、不明となっています。内訳が書かれていませんが、重篤な事例でも未回復や後遺症ありのケースがあるということです。顔面麻痺が続いたり、後遺症が残ったら、日常生活にも支障がでると思いますが、「当該報告対象期間における本剤のベネフィット・リスクプロファイルは良好と判断している」と書かれています。
顔面麻痺は、早期(できれば3日以内)に治療を開始したほうが治癒率が上がるようです。それならば、早めに対処できるように、もっと注意喚起することが必要ではないでしょうか。
早期に治療を開始すれば治るなら、リスクは少ないと考えるかもしれませんが、Vol.4の突発性難聴で触れたようにその先のリスクもあります。
もし、ステロイドパルス療法(短期間に大量のステロイド薬を投与する治療)を行うことになれば、指定難病である「特発性大腿骨頭壊死症」の危険因子となります。ワクチン接種による副反応によって、その先のリスクも高まってしまうのです。
気になる事例
顔面麻痺は、今のところ「予測の範囲内」かもしれませんが、他にも気になる事例があります。
事例2997 32歳女性 コミナティ筋注1回接種
21Apr2021 09:43(予防接種日)、コミナティ筋注のワクチン接種を実施した。
21Apr2021(予防接種日)午後および同日夜に、性器出血を発現した。 01May2021(予防接種の 11 日後)現在、継続的に出血(茶褐色)を認める。症状が軽快しなければ、婦人科を受診するように勧めた。
02May2021(予防接種の 12 日後)、症状は消失した。
07May2021(予防接種の 17 日後)、事象の転帰は、軽快および不明であった(報告通り)。
事象名は、性器出血と報告された。 報告者は重篤性評価を行わず、事象とワクチンとの因果関係を評価不能と評価した。他の疾患などその他の可能性のある原因は、生理不順および他婦人科疾患であった。
事例1015 47歳女性 コミナティ筋注1回接種
病歴:子宮腺筋症(開始日不明、継続中)
27Apr2021、ワクチン接種。
02May2021 早朝、患者は苦しみ出して、トイレで心肺停止した。そして彼女は病院に救急搬送された。 アドレナリン(製造元不明)の投与で心拍が再開した。 患者は繰り返し心停止を起こした。
同日 09:18(報告された通り)、患者が病院で死亡した事が確認された。 死亡の 2~3 日前に、患者は性器出血と体調不良を発症したと報告された。 02May2021、頭部~胸部コンピュータ断層撮影(CT)にて頭蓋内に死因となる所見は示されなかった。大動脈解離の所見も認められなかった。
02May2021、心エコー検査は右心負荷の所見を示しており、臨床経過から患者は肺塞栓症が疑われた。 子宮出血、性器出血と体調不良の転帰は不明で、心肺停止と肺塞栓症の転帰は死亡であった。
死因は突然死として報告され、心肺停止と肺塞栓症によると評価された。 剖検が行われたかどうかは報告されなかった。 報告者は事象が BNT162B2 と関連している可能性大と評価した。 他要因(他の疾患等)の可能性はなかった。
報告者は以下のように報告した:重篤な持病のない 47 歳の健康な女性がワクチン接種 5 日後に死亡した。したがって副反応の可能性が高いと考えられ、この症例が報告された。
SNSでは、ワクチン接種後の女性から不正出血の報告が増えています。厚労省が公開している報告でも出始めているということは、軽視できないのではないでしょうか。
