心筋炎が疑われる16歳からの自発報告
厚労省のサイトで公開されている「新型コロナワクチン接種後の副反応疑い報告」には、医師や薬剤師からの報告だけでなく、患者自身からの報告もあります。その報告には、どのような思いが込められているのでしょうか。
患者による自発報告
しばらく症例報告に目を通していなかったのですが、12月3日に公開された報告を見ていたら、患者自身からの報告というのがあることに気づきました。もっと前からあったのかもしれませんが、患者からの自発報告はどのようなルートでできるのでしょうか? 報告にある「医学情報チーム」とは、どこに所属しているのでしょうか。

脚注に「上記に加え、市町村が被接種者又は保護者から健康被害に関して相談を受けた場合には、都道府県を通じて厚生労働省に報告するルートもある」と書かれています。
上記のページを見ると、下記のように書かれていますが、きちんと報告してもらえるのでしょうか?

不安を抱える患者からの報告
患者による自発報告の中から、気になった症例を紹介します。長いものは、重複している部分などを編集しました。
ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会)> 第73回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第23回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催) 資料
資料1-2-3-1より
事例:15635 19歳男性 コミナティ筋注2回接種 ロット番号:FJ7489
本報告は、医学情報チーム経由での連絡可能な消費者(患者)から入
手した自発報告である。
病歴と併用薬は、報告されなかった。
2021/09/09、患者は以前に、COVID-19 免疫のため BNT162B2(コミナ
ティ、ロット番号 FF9944)の初回接種を受けた。
2021/09/26、患者はワクチン接種(2回目)を受けた。
2021/09/29、体調の方が悪い、顔面麻痺を発現し、ちょっと聞こえづ
らさ、左耳が詰まったような感じがあった。
2021/10 に入ったくらいに、左の目の方が閉じなくなったり、口もち
ゃんと閉まらなくて、梨が口から出てきてしまうような感じであっ
た。(報告のとおり)
ワクチン接種が体の左側だったので、患者は左側全般にだるさを発現
した。重さ、足の重さも結構あった。
ワクチン接種後 2 週間たつが、症状は未回復であった。
患者は、足の症状のためにレントゲンを受けたが、異常はなかった。
足の重さもワクチン接種からずっと続いていた。
患者は病院に行ったが、彼が得た回答は「それは、COVID ワクチンの
副反応ですかね」であった。
体の右側は全く問題なかったが、左側のだるさがまだ残っていた。
症状は、彼の日常生活に影響を及ぼし始めた。
事象「初回接種 2021/09/09/2 回目接種 2021/09/26」の転帰は不明、
他の事象は未回復であった。
追加調査は不可能である。これ以上の追加情報の入手は期待できな
い。
この患者さんは、医師から「ワクチン副反応ですかね」と言われただけで、治療をしてもらえなかったということなのでしょうか。日常生活に支障が出るほどの症状が出ているのに、改善されないことへの複雑な思いが感じ取れます。
事例:15452 年齢不明の女性 コミナティ筋注1回接種 ロット番号不明
本報告は、医学情報チームを経由した連絡可能な消費者(患者)から
の自発報告である。
2021/06/11 BNT162b2(コミナティ)の接種を受けた。
病歴と併用薬は、報告されなかった。
反応の詳細は、以下の通り報告された:
もう 4 か月くらい経っているが、副反応がひどかったので 2 回目を見
合わせた。
1 回目の副反応は、足の太ももとふくらはぎだるさと歩きにくさ。所
謂、筋力低下が強かった。家事もままならないほどだった。
2 回目を打って良いか不安だったから、かかりつけ医に相談に行っ
た。血液検査や MRI 検査をしたが、どこも異常はなかった。
しかし、かかりつけ医は、1 回目はファイザーのワクチンでそのよう
な副反応があったのだから、その辛さを見ている限り、2 回目を接種
は見合わせた方がいいでしょうということであった。
事象の転帰は不明であった。
この患者さんも、接種後4ヶ月たっても筋力低下などが回復せず、日常生活に支障が出ています。その後の転帰は不明となっていますが、このような事例があることを知ってほしいと思ったから、自発報告をしたのではないでしょうか。
事例:15294 16歳男性 コミナティ筋注1回接種 ロット番号:FF2018
本報告は、医学情報チームを介して連絡可能な消費者(患者)から入
手した自発報告である。
2021/09/28、 BNT162B2(コミナティ)の 1 回目の接種を受けた。
関連病歴および併用薬は、提供されなかった。
ワクチン接種後、心臓の痛みが出てきたので、2021/10/05 および
2021/10/06 に病院を受診した。血液検査、心電図、レントゲンを受
けて、今のところ異常は見つからないが、心筋炎の定義がすごく難し
くて完全には否定できないけども様子を見てくださいと言われた。心
エコーを検査する程ではないと言われて今様子見状態であった。
今の心臓の痛みは、回数は減ってきているが、完全に治まっているわ
けではなかった。頭痛に関しては、ずっとあった。微熱に関しては、
最初 4 日位はずっとあって、その後は朝はないけど夕方にちょっと微
熱が出るのが何日か続いて、今は熱自体は完全に治まっていた。気持
ち的にもすごく落ち込んでいるのがあって、心筋炎かもっていう気持
ちで気持ちが落ち込んでいた。それか本当に副反応として気持ちの落
ち込みがあるのかなと思った。心筋炎は 1 週間くらいでなおるけど、
若い方で 1 ヵ月くらい続いている方もいた。
事象は、医師の診察を必要とした。重篤性基準は提供されなかった。
微熱は回復した。残りの事象の転帰は不明であったが、心臓の痛みは
軽快した。追加調査は不可能である。これ以上の情報は期待できない。
16歳の報告からは、「心筋炎だったらどうしよう、治らなかったらどうしよう」という不安な気持ちが伝わってきます。自分から報告したということは、よほど不安だったのではないでしょうか。接種前に心筋炎の可能性について、しっかりと説明はあったのでしょうか? 5歳から11歳への接種を開始する前に、接種後にこのような思いをしている10代がいることを、もっと知らせるべきではないでしょうか。
重要なことを伝えない医師
一方で、医師からの自発報告にも、気になる表現がありました。
事例:15851 16~17歳女性 コミナティ1回接種 ロット番号不明
本報告は、医学情報チーム経由で入手した連絡可能な医師からの自発
報告である。
患者の病歴と併用薬は、報告されなかった。
日付不明、BNT162b2(コミナティ)初回接種後に胃腸炎と肝機能障害が発現した。患者は、ワクチン接種 2 日後に胃腸炎を発現して、医師(報告者)を受診した。
患者は、土曜日にワクチン接種し、症状は月曜日に見つかった。
患者は、胃腸炎の検査をしたところ、肝機能の上昇が見つかった。
(GPTが 250 ぐらいまで上がり、GOTも 200 を超えた(両方不明
日))。
報告者が E 型、B 型、C 型について調べたが、そこに異常はなかった。
そして、最初のその 2 日後、GOTとGPTは、そこまで上がらなくて、70 前後であった。
検査は、4、5 日後に再び実行され、GPTがぐうっと上がった 。
もちろんワクチンの可能性があったが、可能性があるとは言いにくい
ところが勿論あった。
報告者は、患者がもともと肝臓障害があるとは考えにくいと思った。
多分これは可能性として 、相当濃厚な疑いであった。
事象の転帰は不明であった。
患者は、今週、明日(2021/10/26)または明後日に、2 回目の接種を
受ける。
これ以上の再調査は不可能である。バッチ/ロット番号に関する情報
は、得ることができない。これ以上の追加情報は期待できない。
この医師は、ワクチンと関係がある可能性が濃厚だと思っているのに、「言いにくい」と言っています。つまり、患者さんには伝えなかったということなのでしょうか? 患者さんは、2回目を接種する予定だと書かれています。もし、さらに肝機能が悪くなったら、どうするつもりなのでしょうか? 肝臓への影響は、臨床試験でも出ています(Vol.2参照)。
事例:15452の医師は、2回目の接種は見合わせた方がいいと助言しました。一方、事例:15851の医師は、「言いにくい」と報告しています。患者さんは10代です。この報告からは、彼女の未来について、真剣に考えているとは思えません。
接種については自信を持って「接種するべきだ」という医師がほとんどなのに、接種後の体調不良に対しては「言いにくい」というのはどう理解すればよいのでしょうか。報告に目を通すと、接種後の症状に対する医師の対応は積極的とは思えない例が多いです。3回目の接種やお子さんへの接種を検討している方は、接種前に意見を聞くだけでなく、接種後の対応についても医師に確認しておいたほうがよいと思います。
