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「知見」という言葉のウラ側

知見とは、 実際に見て知ること。また、​見聞して得た知識。「知見は得られていない」ということは、「実際には見ていないから知らない」「見たり聞いたりして得た知識がない」ということになります。つまり、「事実ではない」と否定しているわけではないということです。では、わざわざそれを発表することに、どんな意味があるのでしょうか。

「ご注意ください」の意図

厚労省のサイトに、このようなことが書かれています。

新型コロナワクチンの副反応疑い報告について

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この文章から読み取れることを、1つずつ確認してみましょう。あくまでも、個人的な解釈です。

・国内外で、注意深く調査が行われていますが、ワクチン接種が原因で、何らかの病気による死亡者が増えるという知見は得られていません

「知見は得られていません」と言っているので、「増えていません」と言っているわけではありません。厚労省では、「ワクチン接種が原因で、なんらかの病気による死亡者が増えるとは聞いていない」と解釈できます。

実際、厚労省のサイトで公開されている「接種後の死亡として報告された事例」では、現時点で評価が終わったものすべて「情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係が評価できないもの」となっています。因果関係が評価できないので、当然、「ワクチン接種が原因で死亡者が増えた」とは聞いていないことになるでしょう。

海外の調査によれば、接種を受けた方に、流産は増えていません。

「海外の調査」とは、どの調査なのでしょうか? いつ、どこの国で行われた、対象者は何人の調査なのでしょうか。これでは、SNSと変わりません。

・接種後の死亡と、接種を原因とする死亡は全く意味が異なります。接種後の死亡にはワクチンとは無関係に発生するものを含むにもかかわらず、誤って、接種を原因とする死亡として、SNSやビラなどに記載されている例があります。

「ワクチンとは無関係に発生するものを含むにもかかわらず」、ということは、無関係ではないものも入っているように解釈できます。「無関係であるにもかかわらず」と言っていないのは、やはり関係が否定できないものもあると思っているからではないでしょうか。

・厚生労働省では、医師から副反応を疑って報告された事例を、透明性をもって全て公開しています。詳しくはこのページをご覧ください。

「このページ」には、次のように書かれています。

接種開始(令和3年2月17日)から令和3年5月30日までの報告分の症例が報告されました。ファイザー社ワクチンに加えて、新たに武田/モデルナ社ワクチンについての報告がなされました。いずれのワクチンについても、これまでの報告によって引き続き安全性において重大な懸念は認められないと評価されました

重大な懸念かどうかは、どのような基準で評価しているのでしょうか?
透明性をもって公開しているなら、なぜメディアは取り上げないのでしょうか? 

厚労省が、なぜこのような説得力のない文章を出したのか、謎です。厚労省の人たちは、副反応疑いの報告を読んでいるのでしょうか。

気になる報告

6月9日に更新された副反応疑いの報告の中で、いくつか気になるものがありました。(資料1-2-3-1)

厚労省サイト ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会) > 第61回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第9回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催) 資料(6月9日)

以下、長いものは編集してあります。

事例2369 50歳女性 コミナティ筋注1回接種
病歴:小麦アレルギー
症状:くも膜下出血、脳室内出血、脳ヘルニア、脳内出血など
30Apr2021 15:00、 接種後 30 分間の経過観察中に問題が認められなかったため、患者は帰宅した。同日 20:40 頃から、「身体が痛く蕁麻疹が出現した」との訴えがあった。 夜中から、頭が割れるような疼痛、セ氏 38.5 度の発熱、腕の疼痛が出現した。
01May2021 朝、体調不良のため救急病院に電話をかけたが、2 か所から拒否された。 正午頃、口から泡を吹いているのを患者の夫が発見した。 12:55、病院に緊急搬送された。CT 検査結果に基づき、くも膜下出血、脳内出血、脳室内出血、脳ヘルニアと診断された。一部に石灰化した前交通動脈瘤が認められ、脳動脈瘤破裂と考えられた。緊急動脈瘤クリッピング手術を施行し、術後状態は安定していた。
02May2021 から、状態は急変し、意識消失状態が持続した。
06May2021 時点で、意識消失状態で集中治療室に入院していた。
報告医師は事象の重篤性を分類せず、事象と bnt162b2 との因果関係は不明と評価した。
患者が入院している病院の別の医師は事象を重篤(生命を脅かす、入院または入院期間の延長)に分類し、事象と bnt162b2 との因果関係は評価不能とした。
医師のコメント:病院到着時、呼吸なし、意識なしであり、瞳孔拡大が見られた。CT 検査で脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血、脳室内出血、脳ヘルニア、脳内出血が認められた。動脈瘤クリッピング緊急手術を施行したが、きわめて危険な状態が持続した。延命は困難と考えられた。
06May2021(ワクチン接種 6 日後)、事象の転帰は不明であった。
事例2376 38歳男性 コミナティ筋注2 回接種
症状:視力障害、網膜出血、網膜静脈閉塞など
患者は、COVID-19 ワクチン接種のため、COVID ワクチンコミナティ 1 回目の接種を受け、顔面浮腫、紅潮、接種部位疼痛、全身倦怠感、浮動感、息苦しい感じおよび発熱を発現した。
11Apr2021 10:23 2回目接種
12Apr2021、体温は 37.8 度であった。
12Apr2021、患者は再び顔面浮腫、紅潮を発現した。接種部位疼痛や全身倦怠感は 1 回目接種よりも楽であった。しかし、浮動感は 1 回目と同様にあった。
13Apr2021 より、パソコンを見るのがつらくなった。
21Apr2021 より、浮動感は増強し、吐き気が出現したが、勤務継続の必要があった。
26Apr2021、患者は近医眼科を受診し、近医で左眼視力低下を指摘された。 同日、近医より病院眼科を紹介され、左眼底出血が認められた。患者は網膜静脈分枝閉塞症疑いと診断された。
26Apr2021、抗 VEGF 薬の硝子体注射が行われた。
報告者のその他の医療従事者は、事象を重篤(医学的に重要)と分類し、事象と BNT162B2 の因果関係を関連ありと評価した。他要因(他の疾患等)の可能性はなかった。 報告者のその他の医療従事者は、一般的に網膜静脈分枝閉塞症は、動脈硬化のリスクファクターを有する 60 歳以上の高齢者におこる可能性が多いが、本症例は、ワクチン接種が血管への影響を及ぼしたことによる網膜静脈分枝閉塞症の発症が否定できないと述べた。
事象の転帰は未回復であった。
事例2914 69歳女性 コミナティ筋注1回接種
症状:視野異常、片側失明、眼出血など
26Apr2021(月曜日)14:30 頃、ワクチン接種を受けた。ワクチン接種当日には特に変わったことはなかった。
28Apr2021(水曜日)午後、ワクチン接種 2 日後、自覚症状はなかったが、右眼の視野が欠けて見えにくくなった。その後、視野欠損部が赤くなり、右眼が見えなくなった。その日の夜に、患者は近医のクリニックを受診した。右眼底動脈瘤破裂と診断された。(中略)
事象の転帰は、未回復であった。
事例2724 66歳男性 コミナティ筋注1回接種
症状:意識消失、心突然死
12May2021、コロナウイルスワクチン接種後、普段と変わりなく過ごしていた。
15May2021 09:00、仕事から帰宅した。 10:00 まで変わったところはなかった。
15May2021 11:00 前、妻がリビングのソファーにて意識不明の状態の患者を発見した。搬送され、蘇生処置を行うも反応はなかった。
12:14、死亡確認となった。 死亡時画像診断 (Ai) にて冠動脈石灰化高度であった。検視の結果、心臓突然死の疑いであった。
 剖検を行い、冠動脈石灰化高度が明らかとなった。 報告医師は事象の心臓突然死を重篤(死亡)と分類し、事象とBNT162b2 は因果関係を評価不能とした。他要因(他の疾患等)の可能性として冠動脈石灰化高度と心筋梗塞をあげた。
報告医師のコメントした:冠動脈に高度の石灰化が見られたことから元々冠血管リスクが高い患者であったことが推測されるが、死亡とワクチン接種の因果関係は不明である。

この4つの事例は、現れた症状は違いますが、共通点があるように思えます。もともと血管に関するリスクを抱えていたとしても、ワクチン接種が影響を与えて死亡やなんらかの症状が出た場合は、関係ないといえるのでしょうか。

今のところ、基礎疾患のある人も、ほとんどが「接種してもよい」と医師から言われているようです。むしろ、基礎疾患のある人は早く接種した方がよいと言われています。ですが、Vol.1で触れましたが、基礎疾患を有する人の安全性については十分なデータはまだありません。

接種後の死亡として報告された事例には、高血圧や糖尿病などの基礎疾患がある人が増えている印象です。死亡としての報告には、「予診表の、現在の病気にかかって投薬を受けているかの欄にチェックあり。具体的な病名は不明。医師の許可有。接種医の聞き取りで糖尿病、高血圧と回答」(事例108)などと書かれた事例もあります。この事例では、因果関係は「評価不能」ですが、接種後に急性心不全で亡くなっています。

接種するときに出す予診票には、「接種の効果や副反応などについて理解した上で、接種を希望しますか」という項目があり、「接種を希望します」にチェックするということは、「理解した」ということになるのです。医師が「接種しても大丈夫と言った」からではなく、自分で調べて納得することが大切だと思います。