接種後に、新型コロナウイルス感染の重症例と同じ症状(MIS-C)が発現した事例
10代の新型コロナワクチン接種率が高くなるにつれて、厚労省のサイトで公開されている「新型コロナワクチン接種後の副反応疑い報告」にも、10代の症例報告が増えています。接種後に出ている症状は、大手メディアで報道されているものだけではありません。5歳~11歳への接種を検討している保護者の皆様に、どのような症状が出ているか知っていただきたいので、気になる症例を紹介していきます。
長引く慢性疲労症候群のような症状
今回も、ワクチン接種後の症状で学校に行けなくなったというテーマで、途中まで書いていました。ところが、2例目の事例がとても重要であることに気づいたので、テーマを変えて3例目を選びました。それでも、1例目も重要な意味があると思うので、そのまま取り上げます。
最初の事例は、接種後の症状により2学期はほとんど登校できなかった14歳の事例です。かかりつけ医として診てきた医師が、接種後の症状をワクチンとの「関連あり」と評価しています。
厚労省サイト ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会)> 第76回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第28回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)資料 2月18日
資料1-2-3-1より。
紹介する報告は、重複している部分などは編集してあります。BNT162b2は、コミナティ筋注(ファイザー製)のことです。時系列で追えるように、順番を入れ替えたりしています。
※は、こちらで補足しました。
事例:17170 14歳男性 コミナティ筋注2回接種 ロット番号:FJ1763
関連する病歴は以下のとおりであった:
当院に軽症のアトピー性皮膚炎でフォローしている患者、 当院に軽症喘息でフォローしている患者。家族歴には両親ともに花粉症があった。
予診票での留意点はなかった。併用薬は報告されなかった。
ワクチン接種歴は、2021/09/10、コミナティ(1回目、ロット号:FF9944)接種。
事象の経過は以下のとおりであった:
患者はアレルギー性鼻炎があり当院でフォロー中の 14 歳男児であった。
2021/09/10、bnt162b2(コミナティ)の 1 回目を接種した。
2021/10/01、bnt162b2(コミナティ)の 2 回目を接種した。
2 回目ワクチン接種日から、倦怠感と摂氏 37 度程度の熱があり、
2021/10/03 には学校欠席した。その後解熱したが、朝起きることができず常に倦怠感があり、2 階までの階段も登れないほどの、労作後の疲労があるため、2021/10/06、当院受診した。心筋炎も疑い他院へ紹介するも血液検査、心電図で異常は認められなかった。
その後も起床困難、倦怠感のため、学校もほとんど登校することが出来ない状態が続いていた。
2021/12/17 (2 回目ワクチン接種の 77 日後)、事象の転帰は未回復であった。報告医師は、事象を重篤(医学的に重要な事象)と分類し、事象は bnt162b2 と関連ありと評価した。他要因(他の疾患等)の可能性はなかった。
報告医師意見は以下のとおりであった:
コミナティの 2 回目接種のあとすぐから症状があり、慢性疲労症候群様の症状が出現していた。乳児期から当院に軽症のアトピー性皮膚炎、軽症喘息、アレルギー性鼻炎でフォローしている患者でありいずれも今回の症状と関係は考えられなかった。また、これまでの学校、家庭での生活は順調でメンタル的な問題もないと考える(患者のことを意味すると思われる)。社会生活面で 2 学期はほぼ登校できていないことから、進級できない懸念もあり、2
次的な心理的障害の出現も懸念する。
2学期はほぼ登校できていないとのことで、報告医師は心理的障害の出現も心配しています。
慢性疲労症候群とは、身体診察や臨床検査で客観的な異常が認められない状況で、日常生活を送れないほどの重度の疲労感が長期間続く状態をいい、その原因は、身体的なもの、精神的なものを含め分かっていません。
「慢性疲労症候群様の症状」と言っているので、はっきりとした診断はできていないと思われます。
多臓器炎症症候群
2例目は、接種後から2ヶ月以上、頭痛と起立不耐症のために就学不能となっている18歳の事例です。こちらも報告医師は、ワクチンとの「関連あり」としています。
事例:17144 18歳男性 コミナティ筋注2回接種 ロット番号:下記参照
関連病歴は「なし」であった。患者の併用薬は、報告されなかった。
ワクチン接種歴:2021/09/13、BNT162B2(コミナティ、ロット番号 FG0978)1回目接種。1 回目のワクチン接種後、3 日間の発熱「摂氏 37.6-37.8 度」を発症した。
事象の経過は、以下の通りだった:
2021/10/04、BNT162B2(コミナティ、ロット番号 FF2018)2回目接種。
2021/10/05、頭痛、嘔気、微熱、嘔吐を発症した。
2021/10/11、頭痛、嘔気、下痢を発症した。
2021/10/13、嘔吐のため、静脈注射を受けた。
2021/10/19、頭痛を発症した。摂氏 37.5 度前後の微熱が持続した。
2021/12/20、頭痛のため、床上で安静傾向があった。起立不耐性と診断された。
報告医師は、事象を重篤(障害につながるおそれ)と分類して、事象と bnt162b2 の因果関係が関連ありと評価した。
他要因(他の疾患等)の可能性はなかった。
報告医師は、言った:症状がワクチン接種後に生した。病歴は「なし」であった。その時間までは、体育クラブに参加した。
報告医師のコメントは以下の通り:
多臓器炎症症候群と考えられる。頭痛、嘔気、下痢、発熱の後 3ヵ月を経過しても改善しなかった。頭痛と起立不耐症のため、就学不能であった。
2021/12/20(ワクチン接種の 2 ヵ月 15 日後)、事象の転帰は、未回復であった。
報告医師のコメントにある「多臓器炎症症候群」を調べていたら、おかしなことに気がつきました。多臓器炎症症候群は、小児多系統炎症性症候群とも呼ばれているようで、英語ではMultisystem Inflammatory Syndrome in Children (MIS- C)と書かれています。このMIS-Cが、子どもが新型コロナウイルスに感染して重症化した場合の症状として挙げられているのです。
ということは、この事例は、新型コロナウイルスに感染して重症化しないために接種したワクチンによって、重症化したときと同じ症状が発現したということになります。
厚労省のサイトに、「子どもへの新型コロナワクチン接種の考え方と副反応への対処法」というページがあります。
さらに、新型コロナウイルス感染後数週間以上を経て発症する「小児多系統炎症性症候群(Multisystem Inflammatory Syndrome in Children (MIS-C))」は、心臓など多臓器に影響が及ぶ重篤な病態です。国内でもMIS-Cの報告はあり、患者数の多い海外では半数以上に集中治療室(ICU)での治療が必要で、死亡した例もあります。
川崎病に似た症状ということで、メディアでも話題になった記憶がありました。上記の事例で、医師が事象を重篤(障害につながるおそれ)と分類しているのは、このようなリスクがあるからなのでしょうか。
2月18日に公開された報告の中に、他にも同様の事例がないか調べてみました。
小児多臓器炎症症候群(MIS-C)
この事例は、はっきりとMISーCと書かれています。
事例:16794 12歳男性 コミナティ筋注1回接種 ロット番号:FK0108
病歴はなかった。
反応の詳細は以下の通りに報告された:
2021/11/13、bnt162b2(コミナティ)1 回目接種。
その 3 週間後から、熱が出始めた。抗生剤に反応しない炎症反応がずっと続いた。粘膜症状や胃腸症状も出ており、いわゆる文献でいう MIS-C の状態であった。
コロナ関連の全身性炎症性症候群の診断基準にあてはまり、治療により少し治まっている。血液検査を見てみると、コロナにかかった既往はなく、ワクチンの抗体だけ上がっている。
小児多臓器炎症症候群、全身性炎症反応症候群、発熱、炎症、粘膜障害、胃腸障害の結果として、治療処置がとられた。
2021/11/27、全身性炎症性症候群(MIS-C)を発現した。
報告者は、事象を重篤(入院/入院期間の延長、入院期間:
2021/11/30~2021/12/11)と分類し、事象と BNT162b2 との因果関係を評価不能(MIS の定義には該当するが症状報告が少なく、判断にくい)とした。事象の転帰は、軽快であった。
事象は、以下を含んだ新たな薬剤/その他の治療/処置の開始を必要とした:IVIG(免疫グロブリン)、ステロイド、アスピリン。
コメント/経過:
CDC 勧告の MIS-C 定義の標準に合わせると、COVID-19 ワクチン接種後 12 週、COVID-19 抗体陰性、胃腸症状(下痢)、神経症状(頭痛)、循環器症状(血圧低下、BNP上昇)、皮膚症状(川崎病徴候 4/6)、全項目が当てはまり、「difinitive care」になる。世界的に報告は稀少であった。
患者は安静時、重篤の全身疾患を示す全身徴候を示した:
詳細:発熱、下痢、頭痛、血圧低下(94/52mmHg)
患者は酸素吸入(高流量又は ECMO を含む)または人工呼吸器を必要としなかった。循環器系、消化器/肝臓系、神経系、外皮系を含む多臓器障害があった。
追加情報(2021/12/24):本報告は、追加報告手紙を返事した同一の連絡可能な医師からの自発追加報告である。
新情報は以下を含んだ:臨床検査値、患者の接種経路、解剖学的部位、開始日、転帰、事象「MIS-C」および「全身性炎症反応症候群」の重篤性基準、病歴と臨床経過は更新された。
こちらの事例は、転帰は軽快と書かれていますが、どこまで回復したのかはわかりません。「difinitive care」というのは専門用語と思われ、よい訳が見つかりませんでした。
ワクチン接種後に発現した症状が、MIS-Cの全項目に当てはまるという事例であり、世界的に報告は稀だと言っていますが、2例目の医師も「多臓器炎症症候群と考えられる」と言っています。この診断にたどり着かなかったけれど、実は当てはまっていた事例が他にもあるのではないでしょうか。抗生剤に反応しない炎症反応なども、他の事例によくでてきます。
診療の手引きを見ると、新型コロナウイルスに感染したときに起きると言われている症状と、ワクチン接種後に起きている症状は似ています。



合併症、後遺症ともに、接種後の症例報告によく出てくる症状が書かれています。これらになりたくないから接種したのに、結局このような症状になっている人がいるのは、なぜなのでしょうか。
ただし、接種することは義務ではありません。ワクチンのメリットと以下に示すようなデメリットの双方について、本人と保護者(接種者本人が16歳未満の場合)が十分理解した上で、接種に同意した人が接種します。適切な判断のためには、もしわからないことがあれば、かかりつけの医療機関や地域の相談窓口等に相談するなど、納得できるまで情報を得ることが大切です。
厚労省のサイトには、上記のように書かれています。「もしわからないことがあれば、かかりつけの医療機関や地域の相談窓口等に相談するなど、納得できるまで情報を得ることが大切です」とありますが、なぜワクチン接種によってMISーCが起きたのか、納得できるような説明をしてくれる人はいるのでしょうか。
