チ。ノヴァクのこと。異端者なんて存在しない。異端だと決めつけるのは思考しない人間。
土曜日はアニメ漫画感想です。
チ。もアニメはもうすぐ終わりなのですが
ノヴァクのことで、思ったことがあったので考えてみました。
思うことが多いんだけど、自分の中でまとまらなくて、ようやく書けましたが
やっぱりまとまってないです
23話は特にセリフ一つ一つに心が動いてしまいます
ノヴァクのこと。

傭兵上がりの異端審問官。
ヨレンタの父。
異端者を拷問し、何人も処刑してきた。
悪役だけれど、最終的には最も人生が狂わされた、見ていて本当に可哀想に思えてしまった。
聖書に書いてあるから
教会に依頼されたから
昔から決まってるから
自分でよく考えもせずに異端者を拷問し、処刑してきた人生。
でも神は信仰していたし、娘を愛していた普通の人間だったんだなと思います。
それだけに最後は見ていてつらかった。

ドゥラカが逃げ込んだ先はアントニ司教の教会。
ノヴァクの知っている人物でした。
ドゥラカは危険だ、異端者だと話すが、逆にアントニから質問される
アントニ「君は地動説の何が問題だと思う?」
ノヴァク「そ、そんなの、宇宙論は神の創造に関する問題で…詳しいことは…。…前の司教様が…」
アントニ「随分曖昧だな。
いいか、ノヴァク君。分かってないならはっきり言おう。人を異端と呼び、拷問して殺すなら、その理由に正当性があるのかくらい自分で調べろ」
「行動に責任を持て」
聖書、神の教えを信じろと言われてきたのにいきなり、突き放すようなことを言われて面食らうノヴァク。
アントニ曰く
聖書に書かれている「地は固くとらえられ決して動かない」は🟰地動説の根拠ではない、とのこと。
アントニ「そもそも地動説は仮説に過ぎない」
「まあもし、万が一大地が実際動いているとしても、その前提で聖書を読み直し、再解釈するのが我々の努めだろうな」
地動説は異端ではない可能性があると、あっさり語る司教のアントニ。
そもそも地動説=異端だと言い出したのは教会でもないし、神でもない。
一部の教会関係者が、地動説を提唱する人間を異端だと言ったことで、多くの人々は信じてしまった。
勘違いだったと。
今までやってきた異端者への迫害はなんだったんだと、呆然とするノヴァク。
「フベルト!ラファウ!オクジー!バデーニ!地動説で処刑された者名だ!たしかに私が殺した!」
「そして…私の…娘も…」
殺した人間の名前をしっかり叫ぶシーンは見ていてつらかった。
後から見返したけど、津田健次郎さんの演技で、
ヨレンタがあの爆発で死んだことをノヴァクはわかってたんだなと理解しました。
異端者に恨みはない。
ただ、神に反しただけ。
でも神の教えを伝える教会が、地動説は神に反してないなどと言ったら
異端者を罰し、殺すことはただの殺人。
間違えたなんて済まされない事なのはノヴァクが一番よく知っている。
都合が悪い教会側、アントニは
迫害した人も、迫害された人も
記録を抹消し、無かったことにすると言いました。
この世には元々存在しなかった人間として…。
アントニ「だから地動説を論じた本が出版されても、とやかく言わないでくれよ。無意味だから」
ノヴァク「神を捨て金か…。金さえ稼げばすべて肯定される。
君はそんな時代が良いと思うのか」
「異端解放戦線の組織長が火薬を使って自爆するのを見た」
「あの光景を見て、悲劇的だと思わない者がいるか」
「神を失ったら人は迷い続ける」
ドゥラカ「でも迷いの中に倫理はある。その組織長の言葉だ」
ここ、ノヴァクだけはそれがヨレンタの言葉だとわかってるのが、もどかしいですよね…
「文明が進歩したら大虐殺が起きる」
すごく考えてしまう言葉ですが
神を信仰してる人は、それで人道を外れずにいられてることもあるだろう
神をも畏れぬ、個人の主張を自由にできる時代になって、技術を進歩させていったら、
主張のために虐殺も厭わなくなるだろうと。
ちなみに
16世紀のヨーロッパ地域って戦乱時代で
ざっと年表見ただけでも、常にどこかで戦争勃発してる。
2.3年ごとに、下手したら同年に起きたり、継続してたり…
ひどい時代です
ラファウの幻。


ドゥラカに刺されて瀕死のノヴァクの前に、数十年前に死に追いやったラファウの幻が現れます。
これは、ノヴァクの懺悔を聞いてもらう存在としてある意味救いになりました。
ノヴァクは12歳で死んだラファウのことを心の隅ではずっとひっかかっていて
ノヴァク「痛みだ。あの時、君の選択を見て気の毒に思った。死を選ぶな、自分の信念や他人の信仰に殺されるには若すぎる」
ノヴァク「あれは神から与えられた最初で最後の機会だったのかもしれない。でも、その感情を面倒くさがって無視した。だからやっぱり私は、悪役なんだ」
今まで自分で考えもせず、子供まで死に追いやってきたことは、許される事じゃない。
この辺のラファウの言葉がとても印象的でした。
ラファウ「今いる僕らは所詮、皆おしなべて15世紀の人だ。僕らは気づいたらこの時代にいた。
別の時代でもよかったのにこの時代だった。
それは、ただの偶然に過ぎないけど、奇跡的であり運命的なことだ。
僕は同じ思想に生まれるよりも、同じ時代に生まれる方が、よっぽと近いと思う。
だから、絶対そんな訳ないと思いつつも、感情と理屈に拒絶されそうとも、こう信じたい。
今たまたまここに生きた全員はたとえ殺し合うほど憎んでも、同じ時代を作った仲間な気がする」
純粋でストレートな物言いが刺さります。
たまたま同じ時代に生まれたことって、考えると奇跡でしかない。
ノヴァク「私の娘は天国に行けたのか?」
一番知りたいことをラファウに尋ねるノヴァク。
ラファウ「さぁ?随分前に言ったでしょ?死後のことは誰も知らない。でも、そうなって欲しいなら、あなたがまだ生きてるうちにすべきだと思うことをしてください。やり残したことを。では、さよなら」

ノヴァク「神様、神様。娘の過ちは全て私の勘違いが原因なのです。全て私の過ちなのです。地動説があなたに反するものでないなら、どうか、どうか、どうか、どうか、娘を天国へ。天国へ」
もう津田健次郎さんの演技に泣いてしまった…
神がいるかどうか、地獄があるかどうかなんて誰も知らない。
人は許してほしいとき、物言わぬ神に祈りをささげるわけだけど
最終的には自分が自分自身を許さないといけない…
異端者なんて存在しない。現代での異端。
ちょっと思ったことがあったのですが
「一般的には普通こうでしょ」
ってこと、言う人いますが
それも端的に言えば、「あなたはおかしいよ」
ってこと。
昔なら「異端だ」です。
何をもってして?と聞いたら「ネットに書いてあった」「親が言ってた」とかでしょうか
15世紀では一人暮らしをしているだけでも魔女や異端者扱いでした。
なぜ魔女なのかと言ったら
誰かがそう言ったから
そんなことで拷問されなんてひとたまりもありません
自分で調べず、何も考えていない、他者に言われたことを鵜呑みにして
決めつけて迫害するのは、思考放棄してるだけ。
誰かが異端視してるんじゃくて、一個人が異端視してるだけ。
アントニの言葉通り、「行動に責任をもて」ですね
最近、さまざまなことの裏側が暴かれています。
信じられていたことが実は違っていた、なんて判明することはザラです。
もう今の現代を生きていくうえでヒントやアンサーを出してくれてる作品だと思います
チ。はしんどい描写が多いし
難しそうだな、と思うかもしれないけど
気が向いたらぜひ見てほしいアニメです。
Amazonのアソシエイトとして、アオトは適格販売により収入を得ています
