「チ。-地球の運動について-」2024年秋アニメ感想9~天動説から地動説へ。定説に異を唱えるということ。探究に命がけな主人公のお話に引き込まれる。
「チ。」は魚豊さんによる漫画です。
『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて、2020年42・43合併号から2022年20号まで連載された。全8巻。
あらすじ
15世紀のヨーロッパ某国。飛び級で大学への進学を認められた神童・ラファウ。
彼は周囲の期待に応え、当時最も重要とされていた神学を専攻すると宣言。
が、以前から熱心に打ち込んでいる天文への情熱は捨てられずにいた。
ある日、彼はフベルトという謎めいた学者と出会う。
異端思想に基づく禁忌に触れたため拷問を受け、投獄されていたというフベルト。
彼が研究していたのは、宇宙に関する衝撃的な「ある仮説」だった――。
もう一言で言い表せない深いメッセージ性のある作品です。
実在の話ではないのですが、天文学を研究するだけでも命がけという世界観設定と、実題している天動説と地動説に定説が変わる瞬間をテーマに描いたお話に引き込まれます。
気になるポイント
・架空の国、架空の信仰がある世界。世界設定が限りなく現実に近くリアリティがある
15世紀前半のヨーロッパの「P王国」
「C教」という宗教。
ぼかされていますが、現実にあるものがモデルになっているようです。
そのためか、実際にあった話なのではないかとすら思ってしまいます。
拷問や処刑もカットせずにそのまま描写されているのでなかなかセンシティブです。
・チ。の世界では(15世紀ごろ)地動説は、教義に反く考え方
星は神が作ったもので、星はすべての星の中心だと信じられていた。
なので地動説について研究するだけでも拷問を受けたり、火あぶりに処せられたりしている。
ちなみに実際は
実際の15世紀ごろの歴史において地動説が強烈な迫害を受けたという記録は残されていない。
こうやって調べることは大事ですね。
・主人公ラファウについて
一見優等生で、要領がよく、分の悪いことには手を出さない。
周囲の期待通りに行動する利口な少年。
が、奥底では星に対しての探究心や情熱が隠し切れず、
フベルトに出会ったことで、地動説の探究に手を出してしまう…。
頭のいい子かと思いきや、知的好奇心には逆らえず、
いつ異端審問でつかまってもおかしくない地動説を調べていたフベルトにほいほい会いに行ってしまうのが、とてもハラハラしました…。
神学やめて天文学やるって言って養父にも背いてみたり。
今後またこういうことがあったら異端審問で拷問とかされないか冷や冷やです。
頭がいいはずなのに、簡単に足を踏み外してしまうというのが人間味が合って良いキャラクターだなと思います。
全体の感想
いつ異端審問でつかまってもおかしくない状況下の主人公の行動、信念、ストーリーに心ひかれる。
最終話がとても気になる。
天動説は15世紀まで約2000年も信じられてきた定説です。
15世紀ごろ。
地動説の確定には最初に異を唱えたコペルニクスから、確定させた17世紀のニュートンまで200年以上かかりました。
2000年も信じられてきたことが覆るなんてまさに天地がひっくりかえった出来事だったんだろうなと考えるとめちゃめちゃロマンが合って面白いです。
それをテーマに作られている今作は見ていてとてもワクワク、ハラハラします。
今だったら、月が実は人工物だったんだよ、なんて言われるレベルでしょうか。
(そんなまさか!)
定説に対して、もしかしたら?なんでだろう?と疑問に思った人々が時代を超えてリレーのように10年、20年、100年とバトンを渡して研究し続けて、やがて真実にたどり着くことは大昔からあったことで、
そのおかげで現在の世界の共通認識になり、世界の発展につながっているというのはとても感慨深いです。
今はインターネットもあるので、新説が唱えられて実証されたら瞬く間に共有されますから人類の進化スピードもものすごいんだろうな。
拷問や処刑シーンがあって、視聴はちょっと注意なのですが
歴史の転換期を題材にしたお話がとても面白いので、気になった方はぜひ見てみてください!
うーん、やっぱり短くまとめられない!
これは今季ずっと見ていこうと思います!
自分メモで実際の歴史↓
2世紀頃、古代ローマの学者・クラウディオス・プトレマイオスによって、アリストテレスをはじめとする古代ギリシャの賢人たちの考えがまとめられ、「天動説」は定説となった。
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15世紀に入るころまで、2000年近い間、人々は「地球が中心にあり、その周りを太陽がまわっている」と考えられていた。
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コペルニクス(聖職者であり天文学にも精通)が
「地球が自転しながら、太陽の周りを365日と約四分の一日かけてまわっている」ことを突き止める。
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16世紀後半~17世紀初頭。日本では江戸時代が始まったころ。
ガリレオ・ガリレイ(イタリアの物理学者。天文学者でもある)が主張したことで、「地動説」はよりゆるぎない存在となる。
地動説を唱え始めると間もなく、ガリレオはとらえられ、裁判にかけられてしまう。
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17世紀半ば。
アイザック・ニュートン(物理学者)が「地動説」を確固たるものにした。
