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絶頂株価後の最強投資戦略/植草一秀『日本経済の終宴』

サナエノミクスはデタラメノミクス?株価だけが熱狂し、生活がよくならないのはなぜか?株価7万円絶頂示現後の投資戦略を大公開!【注目銘柄21!】

日本経済は落日の宴の真っ最中!円安・インフレ誘導の罠を抜ける方策?世界的な株価の上昇を読む最強・常勝の投資の極意。日本株の割安がついに消滅した!大暴騰相場終宴後に必要な投資戦略転換とは?

この記事では2026年8月3日刊行の『日本経済の終宴』(植草一秀)より、「はじめに」を全文公開いたします。



はじめに


本書は日本と世界の政治・経済・金融情勢を丸わかりするための包括的な解説書であると同時に、資金運用で確実に利益を確保したいと考える国民投資家のための指南書である。高市内閣が発足して8か月余りが経過した。日本で初めての女性首相をメディアが絶賛してきたが、高市首相が誕生した背景にあった「政治とカネ」の腐敗は放置されたまま。高市内閣は株価とともに絶頂を極めた感が強いが「絶頂」の言葉は意味深長である。

筆者は2026年のキーワードを「陽極まれば陰に転ず」とした。株価も政権を取り巻く環境も「絶頂」に向かうだろうが、「絶頂」の向こう側に広がる景観は深い闇であるのかもしれない。米国のトランプ大統領が国際法や国連憲章を無視した暴走を続ける。為政者の暴走が罪なき人々の命と生活を不条理に吹き飛ばす現実に、私たちがどのような想像力を働かせるのかが問われる。

そのトランプ大統領に「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ」と言い放った人物が日本の行政権のトップに位置する現実に、日本の主権者がどう立ち向かうのか。選挙制度、憲法、皇位継承などに関する重大決定事項が「数の力」で押し切られることは、日本の未来に重大な禍根をもたらすに違いない。

日経平均株価が7万円を突破した。2012年11月から13年半の時間をかけて上昇し続けた日本株価。筆者が執筆する『金利・為替・株価特報』では日経平均株価の理論的妥当水準参考値を掲載し続けてきた。この視点に立つと、日経平均株価7万円は驚くに値しない。長きにわたって持続した日本株価の割安が、ようやく解消したまでのことである。

しかし、株価急騰の内容を精査すると、内外株式市場で市場が二分されていることがわかる。デカップリング=分離・分断である。AI半導体株式市場とその他株式市場に株式市場が分断されている。オープンAI社のChatGPT公表以来、生成AIが世界を一変させる可能性が濃厚になっている。AI革命が叫ばれて4半世紀以上の時間が経過するが、状況変化は加速度を一気に高めている状況にある。

他方で、日本経済の足元に目を転じるならば、そこには悲惨な光景が広がっている。かつて分厚いと表現された中間所得者層は消滅し、圧倒的多数の国民が下流に押し流された。日本経済はゼロ成長の時代を30年も継続し、日本の労働者は世界最悪の賃金減少地獄に突き落とされている。

国民生活を支えることが政治の本来の役割であり、日本財政には巨大な政策発動余力が存在するが、この財政政策能力が健全に活用されない。2020年度から25年度までの5年間に国税収入が24兆円も上振れしたから12兆円の減税にしかならない消費税率の5%への引き下げは、財源の裏付けをもって即時に決定できるものである。

また、利権補助金の塊と化す補正予算に計上する財政支出を社会保障拡充に充当するなら、日本は世界有数の高福祉国家に生まれ変わることも可能である。しかし、財政当局は国民全般に恩恵を行き渡らせる財政支出と減税を封殺して、天下り利権を提供する大資本と富裕層への利権配分だけを優先している。そして、その政策運営を全面的にサポートしているのが「よ党」と「ゆ党」の対米隷属・利権追求政治勢力である。

事態を打開するには、まず真実を知るところから始めることが必要だ。内外の政治経済の真実を網羅的にわかりやすく解説しているので、ぜひ現実を理解する一助にしていただきたいと思う。私たちが株式投資での利益獲得を目指すべきである最大の理由は、現代社会の分配構造に重大な歪みがあるからだ。資本による搾取、収奪の一部を労働者が取り戻すために株式投資を活用することが求められる。

同時に株式投資を含む資金運用戦略は純粋な知的ゲームの側面を有する。政治・経済・金融・国際情勢を総合的に分析して投資戦略・戦術を構築して一定の利益を獲得することは正当な知的活動に対する報酬の側面を有する。正々堂々の勝負を実践して幸福追求の一助にすることは決して恥ずべき行動でない。

日本経済の宴もどうやらお開きに近づいている。この局面でこそ情勢分析と洞察の真価が問われることになる。同時に私たち主権者国民が、メディア情報に流されずに、日本の未来を決めてゆかねばならない。本書の記述を通じて、終宴後の日本の道筋についての明確な方向性と日本再興に向けての希望の光を見出していただければこれに勝る喜びはない。

2026年7月   植草一秀


お読みいただきありがとうございました。
続きはぜひ本書をお手に取って
いただけましたら幸いです。



\ 2026年8月3日刊行 /
植草一秀 著
『日本経済の終宴』

目次


第1章 高市持率工作
1.絶頂

・最大の問題は政治と金
・陽極まれば陰に転ず
2.解党的出直し
・インフレ、政治と金で抜本策を示せなかった石破自民の責任
・史上空前の巨大政治資金不正事件
・政治と金問題の解決策
・政治と金問題を全面放棄した高市早苗首相
3.メディアコントロール
・総攻撃すべき高市新体制をなぜか持ち上げまくったメディア
・日本の政治で肝要なのは、米国の命令に従うことなり
4.選挙のツボ
・日中外交の積み上げを根底から覆した台湾有事発言
・自己都合解散のきわみだった高市内閣の衆議院解散
・選挙戦勝利のカギとなった若年埋蔵票の掘り起こし
5.争点
・マスメディアによりヒロインに仕立て上げられた首相
・いつの間にか悲願になった食品消費税率ゼロ
6.責任ある積極財政
・コロナを口実に行われた史上空前の超ばらまき財政
7.政界変動
・大きな第三勢力として浮上してきた「ゆ党」
・最も正確に民意を“反映”する選挙制度

第2章 デタラメノミクス
1.経済失政
2.インフレ誘導の罠
・真の狙いは企業の賃金コスト削減にあり
3.円安誘導の罠
・“出口戦略”への転換
4.背徳の株価上昇
5.ザイム真理教の正体

第3章 黄昏の米国
1.イラン軍事侵攻
2.NPT体制
3.トランプとディープステイト
4.FRBの命運
5.レームダック
・トランプ支持から離脱するMAGA派
・世界経済の波乱拡大とトランプのレームダック化

第4章 絶頂株価のゆくえ
1.日本株価検証
(1)1986年から1989年
(2)1990年から2003年
(3)2003年から2012年
(4)2012年から2026年
2.米国株価
3.中国・香港
4.生成AIからフィジカルAIへ
・生成AI
・AGI
・アンソロピック・ショック
・Winner takes all
・巨大な需要創出
5.日経平均「5本の矢」

第5章 絶頂後の最強投資戦略
1.株式投資の目的
2.局面転換
3.金・貴金属
4.不動産とリート
5.為替
6.最強投資戦略の極意

注目銘柄21

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植草一秀(うえくさ・かずひで)
1960年東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)メイツ友愛。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。経済金融情勢分析情報誌刊行の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門第1位。

『現代日本経済政策論』(岩波書店、第23回石橋湛山賞受賞)、『金利・為替・株価の政治経済学』(岩波書店)、『日本の総決算』(講談社)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『日本の再生』(青志社)、『対米従属という宿痾』(共著、飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『日本経済の黒い霧』『資本主義の断末魔』『財務省と日銀 日本を衰退させたカルトの正体』(以上、ビジネス社)など著書多数。

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