[グランマの味]いつでも戻って来れるレモンパイ(ベランダ産)
ベランダで育てているレモン。この鉢には、初めて一緒に暮らした愛鳥が眠っており、ホームセンターで購入したときには膝丈ほどの苗だった。レモンは白くて香りの良い花を咲かせる。白い鳥を飼っていたため、重なって愛しく、辛かった。育てて2年半あまり、初めて食べられるくらいまで実が成長した。

レモンを使って何か作るとすれば、レモンが主役のレモンパイにしようと思った。昨年クックパッドで見つけたこのレモンパイのレシピが大変作りやすく味も求めていたものだったため、今回もリピートする。噂のレモンパイというレシピ名で、「我が家でとても美味しいと噂されるレモンパイ」とのこと。ささやかな規模でなごやかな気持ちになった。今このnoteでも噂しておこう。
レモンパイの作り方で調べてもらうと分かると思うのだが、レモンパイのレシピでは、ゼラチンやコーンスターチが必要だったり、メレンゲを泡立てたりする工程のレシピが多い。それが伝統的なレモンパイの型なのだろう。でも、私だったらかなり気合いを入れて一回目は作れても、長きにわたって作り続けるような自分のレシピにはならなさそうだなと思う。(人に振る舞うとかだとまた違うかもしれないが)
このレシピは、レモンカード(レモンクリーム)を作り、別で焼いていたパイ生地に生クリームと一緒に塗るだけで完成するのでその気になればいつだって作れる。冷凍パイ生地とレモン、生クリームさえ買えば。
かなり工程を省いたシンプルなレシピなのに、食べると「グランドマザーがいつも焼いてくれる大好物のレモンパイ」みたいな味がする。老舗の喫茶店とかで出てきたら嬉しい味でもある。これでいい、これがいい。
スーパーで見るより明らかに丸々と大きいレモンをまず半分に切る。レシピが指す一般的なサイズのレモンの量に近づけるため半分だけ使う。立派なレモン、生産者の顔は私、無農薬栽培だ。

レモンカードを作るため、レモンを絞る。
レモンはベランダで収穫したあと、愛鳥の遺影の前に1日お供えしていた。
レモン半分でも愛鳥より大きいなとへらへらしていたら、絞ったあとの皮のサイズがちょうど手のひらに収まるくらいの生前の愛鳥サイズになってしまい、うっかり涙が止まらなくなった。愛鳥は荒くれもので人間に懐かないため、生きている間、手に収まってくれたことはなかった。
レモンカードはカスタードクリームの裏技と同じ要領でレンチンですぐ作れる。パイ生地を重しも置かずに15分焼き、粗熱が取れたらレモンカードを塗りつけた。気持ちと眼前がボロボロでも自動的に動けるくらい簡単なレシピだ。

そして、生クリームを泡立てて乗せたら完成。

パイの焼き方やクリームの塗り方を工夫すればもっと人に出せるような見た目のレモンパイになると思う。我が家では一人一個ホールで食べる。大きいので何日かに分けて食べた。
上手く撮れなかったけど、断面はこんな感じ。

レモンカードの酸味がしっかり効いていてちゃんとレモンパイの味だし、生クリームと合わさってコーヒーに合う。とても大事な回だから、美味しくできてよかった。ありがとう、噂のレモンパイ。
唯一のレモンを収穫したレモンの鉢は、また枝と葉っぱのみに戻った。まだまだ雪が降るくらいだけど、春になってまた花が咲いたらいいな。
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