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「神社の広間で、思いがけない縁が生まれた」 ― ネクストジェネレーション交流会 開催レポート

2026年1月28日(水)18:00〜 / 大富神社 参集殿(福岡県豊前市)  主催:豊前市役所 総合政策課 / 企画・運営:株式会社ことろど

ネクストジェネレーション交流会とは?

地域を動かしているのは組織や制度ではなく、人と人のつながりであると考えています。

しかし現実は、同じ地域に暮らし、似たような課題を感じながらも、なかなか出会えない人たちがいます。すでに動いている人も、これから関わりたい人も、それぞれがバラバラに動いている。

── そんな「もったいない」状況が、あちこちにあるのではないでしょうか?

「ネクストジェネレーション交流会」は、異なる立場・背景・地域を持つ人たちが一堂に集まり、対話を通じてゆるやかなつながりをつくる場です。
答えや結論を出すためではなく、思いがけない出会いと、次のアクションへの入口を持ち帰るために。


なぜ、今「神社とお寺」なのか?

かつて、神社やお寺は地域の「公共インフラ」でした。
戸籍を管理し、寺子屋で子どもを育て、共同体の運営を担ってきた場所です。しかし現代ではその役割は見えづらくなり、多くの人にとって「初詣に行くところ」「冠婚葬祭のときだけ訪れる場所」になりつつあります。

「神社やお寺という、すでにそこにある場所と歴史を、今の時代に合わせて再編集できないか」
「地域に関わりたいと思っている人たちの、新しい選択肢になれないか」

このような問いをテーマに据え、豊前市・大富神社の禰宜(ねぎ)である清原秀嗣さんと、上毛町・覚円寺の副住職である霍野廣由さんを「場のホスト」として、地域内外から約20名を大富神社に迎えて「ネクストジェネレーション交流会」を開催しました。


オープニング | 「推し」で始まる、肩書きのない自己紹介

会場となったのは大富神社の参集殿。畳敷きの広間に円座が設けられ、参加者が顔を合わせます。地域づくりに関わる民間人や行政職員、中津・宇佐・上毛町など周辺地域からの参加者も交じり、多彩な顔ぶれが揃いました。

冒頭の自己紹介は、少し変わった形で行われました。

肩書きの代わりに「私の"推し"」をそれぞれが語る。

それだけで、会場の空気は一変しました。笑いが起き、頷きが生まれ、初対面同士でも自然に会話が弾みます。肩書きを外した等身大の言葉がふれあう、そんな場がつくられていきました。


グループトーク | 今抱いている「神社・お寺」のイメージ

まずは4〜5人のグループに分かれ、参加者それぞれが抱く神社・お寺の率直なイメージを共有しました。

「心が落ち着く場所」「年中行事で訪れる大切な場」といった声の一方で、「生と死みたいな対比がある」「二つが仲良くなさそうで、腫れ物に触れる感じがした」という正直な声も。

また、「お寺の方が神社より入りづらい」という意見も複数のグループから出されました。初詣など「行く理由が明確」な神社に比べ、お寺は「行く目的やタイミングが見えにくい」というのが、多くの人の実感のようでした。

さまざまなイメージが出揃ったところで、場はホストトークへと移ります。


お宮とお寺のホストトーク | それぞれの"今"と、これからの可能性

大富神社の清原さんと覚円寺の霍野さんが、円座の中で対話形式によりそれぞれの取り組みを語りました。壇上からではなく、参加者と同じ目線で言葉を紡いでいきます。

「神社には、本当に気軽に来てほしいんです。まずはその想いを知ってもらいたかった」と語る清原さん。

祭礼だけでなく、境内でのマルシェや子ども達との事業など、大富神社で積み重ねてきた具体的なアクションが紹介されると、参加者からは「そんな取り組みをされていたのか」と驚きの声が上がりました。

一方、霍野さんは現代の「孤独」という課題に焦点を当てました。

「自殺の問題に向き合ってきた中で、孤独感の解消が自分のコアにあります。お寺や神社で続いてきた行事は、実は地域のソーシャルキャピタル(人々のつながり)そのものであり、見えないセーフティネットとして機能してきました。これからもそうした場であり続けたいと願っています」

孤独、つながり、セーフティーネット。その真摯な言葉に、参加者は深く頷いていました。


ワールドカフェ | 対話が対話を呼び、本音が重なる

後半はワールドカフェ形式でのグループ対話へ。
2人のホストトークを聞いたうえで、神社やお寺との関わり方や活用のアイデアなどについて意見を共有しました。

テーブルを移動しながら意見を重ねていくうちに、場の空気は柔らかくほぐれて、こんな言葉が、あちこちで生まれていました。

「お寺や神社が"もっと使ってほしい"と思っていることを、初めて知った」
「数百年続く建築や空間は、今からつくろうとしても絶対にできない。そこで新しい挑戦が起きること自体が価値だと思う」

中でも印象的だったのは、家具店を営む土井さんの言葉。

「お寺や神社は、初詣やお墓参りなど、自分に都合のいい時だけ訪れて、ずっと申し訳ないと思っていました。ですが、お寺も神社も使ってほしいという思いを知りました。それならば、これからもっと自分の都合のいいように使わせていただきたい。一緒に楽しめる提案をしていきたいです」

「遠慮」が「参加」へと変わった瞬間。この場だからこそ生まれた、温かな本音でした。

清原さんも「そんなふうに思ってくれる人がいて嬉しい。ぜひ一緒に何か始めましょう」と、笑顔で応えていました。


クロージング | 名刺交換の先で、新たな物語が始まる

気付けばあっという間に時間が過ぎていきます。
自由交流の時間には名刺交換だけでなく、「今度こんなことを一緒にできませんか?」「次は空き家活用について話してみたい」といった具体的な相談や提案があちこちで生まれていました。

この場をきっかけに、すでに動き出しているつながりもあります。本編では語り尽くせなかった話が続き、さらなる発展を予感させる時間になりました。


参加者の声

当日参加した全員からアンケートが寄せられ、高い評価をいただきました。また、全員が今後も何らかの形でつながりを持つことを希望され、こんなコメントも寄せられました。

「まとめなくて良い、答えを出さなくて良いというルールが新鮮だった。第二弾、三弾期待してます!」(50代・男性/築上町)
「普段聞けない話が聞けて学びになりました!次回も楽しみです」(30代・女性/豊前市)
「ゆるさを継続してほしいです」(30代・男性/中津市)
「事前の内容がよく分からなかったが、逆にそのくらいフラットに参加できたことが楽しかった」(40代・男性/上毛町)
「神社と寺の立ち位置が気になっていたので、興味深かった」(40代・女性/豊前市)

「ゆるさ」「まとめなくていい対話」 ――

参加者が感じたこの心地よさは、まさにこの会が大切にしたい価値観です。「事前情報が少なくても、それが逆によかった」という声は、テーマや結論以上に「その場に身を置くこと」自体を楽しんでいただけた証と言えるのかもしれません。


ホストの振り返り

清原秀嗣(大富神社 禰宜)
「ホストという立場でしたが、私自身もいろんなご縁が広がった場でした。あの日からお参りに来てくださるようになった方もいて、関係人口という意味でも、大富神社にとって本当にいい回になったと思います」

霍野廣由(覚円寺 副住職)
「参加してくださった方々、一人ひとりがそれぞれの地域で何かを動かしているプレイヤーで、この場で生まれたつながりが、今後のいろんな取り組みにつながっていくんだろうなとすごくワクワクしました」


おわりに | 次なる「ネクストジェネレーション」へ

この会をきっかけに、「神社とお寺が連携するのは面白い」「こういう場を自分の地域でも開催したい」といった嬉しい反響が届いています。

「ネクストジェネレーション」は、一度きりのイベントではありません。

神社・お寺という場所を皮切りに、
子ども・教育・福祉・地域産業・国際共生──
さまざまなテーマ、さまざまな場所で、これからも続いていきます。

テーマや場所が変わっても変わらないのは、
「対話の中から次のつながりをつくり、より地域が自分ごとになる」というコンセプトです。

共通の関心を持つ人々が集まり、本音で語り合う。
そこに、今まで出会えなかった人同士の接点が生まれていく。

こうして生まれた関係が、やがて地域を動かす新しい力になる。
そう信じて、テーマも場所もさまざまに変えながら、豊前市とその周辺地域で続けていきます。


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